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ひょっこり猫が我が道を行く!

カオスなオリジナル小説が増殖中。
雪ウサギが活躍しつつある、ファンタジー色は濃い目。亀スピードで更新中です。

②ひょっこり猫で賽ノ河原編

2011年05月07日 09時14分13秒 | 小説作業編集用カテゴリ


賽ノ河原――親より先に死に、現世を旅立つと落とされると云われる地獄の名所の一つ。
太陽は見えず、常にどんよりとした世界で永遠とも呼ばれる時間をここで過ごす。石を高く積むまでは、決して許される事はない…

「ねっ、私も手伝うよ」
「え、うさぎさんが? ありがとう…」

河原の前で懸命に石を積み上げていた少女の名は雪江(ユキエ)という。白い着物を着たおかっぱの女の子だ。彼女の事を知りたかったので色んな事を聞いてみた。

「あの、どうして雪江ちゃんはここに居る事になったの?」
「んー、病気だよ。家ではお薬買う余裕なんてなかったし、ご飯が食べれなくて。気付いたらここにいたの」
「栄養失調か…今は大丈夫なの?」
「うん。お腹は減ってないかなぁ」
「そっか…」

少女の小さな手と、雪ウサギの丸い手が交互に石を積み上げて行く。頂点までもうちょっとだ。すると大きな足音が、耳に聴こえた。

「あ、あ…」
「にょーーっ!」

ごつくて太い足が目の視界いっぱいに映し出された時――大きな音だけが響いて石の山は崩された。

「うあ、うあーーーーーーーん!」
「ゆ、雪江ちゃん、こ、このぉー!!」

巨体の足めがけて勢いよく噛みついてやった。しかし振り落とされて、石だらけの地面にゴロゴロと転げ落ちる。地面にぶつけられた衝撃で体中が痛くてどうしようもなかったが、雪江ちゃんの悲しみと比べたら痛みなど無いに等しかった。

「うぅ~~…」
「そこまでよ、ラクト」
「ル、ルビリアニャちゃん!」
「この鬼はここの番人でもあるのよ。この賽ノ河原を託された鬼。この世界ではこいつに歯向かってはダメ」
「そんな…ルビリアニャちゃんでも?」
「私が介入しても良いのはラクトをここへ連れてくる事と、鬼の目をかいくぐりながら子供達と石の山を築きあげてくれと、閻魔さまからのお達しなの」
「…私?」
 
きょとんとして彼女を見上げた。すると、抱き上げて汚れた所を拭ってくれる。その間に、棍棒を持った巨体の鬼は大きな足音を響かせながら私達から離れて行った。

「地獄でのルールを変えたくないそうよ。番人でもある鬼達をないがしろにもしたくないって。でも年々成仏出来ない魂が増えて行くから、違った意味での助っ人が欲しかったみたい」
「ふ、ふーん?」
「私では無理なのよ。本当に怒ったら彼らを粉々にしちゃうから。閻魔さまに叱られちゃう☆」

うふふ、と花のように笑うルビリアナちゃん。
無理なのよー、と言いながら紫色の瞳を澱ませている。気に入らない相手には容赦がなくて身内には優しいのだ。敵にはなりたくないのである。

「うーん、でもどうやって鬼の目をかいくぐって作れば良い? さっきは後少しって時にあの鬼はやって来たよ」
「そうねぇ…ラクトは鬼の苦手な物って何か知らない?」
「え、苦手な物? そんなのあったかな…」

あ! と声を上げる。
そうだ、あったじゃないか、鬼が苦手だと言われてるモノ。

「まぁ、そんなので良いのかしら。でも時間稼ぎには良いかもしれないわね」
「良いかな、ルビリアニャちゃん?」
「任せて、作ってくるわ」

ルビリアナちゃんにある物を頼むと、黒い翼を広げて飛び立ってしまった。
大丈夫、今度はきっと上手くいく。そんな確信があった――

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①ひょっこり猫で賽の河原編 

2011年05月06日 17時01分26秒 | 小説作業編集用カテゴリ
*注意*
このお話はフィクションです。





季節は常夏。
中天にある太陽は照り返し、蒸し暑い熱気がひょっこり猫島を覆いつくす。
コバルトブルーの海にはヤシの実が豊かにつらなり、穏やかな波の音と潮風が耳に心地良く響く。

「アイスー、アイスはいらんかねー……」
「ラクトッ、私ソフトクリームッ」
「オレはソーダアイス」
「はいよ、2つ合わせて200円ね」

どうも、雪ウサギラクトです。
最近ひょっこり猫の看板娘のリオを差し置いて、主人公に格上げしました。そんな時は嫌な予感しかしないのですが、ひょっこり猫島ではそんなに物騒な事は起こらないので、杞憂に終わると思って日々過ごしてます。

「ラクト、私にも何かちょうだい」
「おっ、ルビリアニャちゃん! これなんかどう、木苺の甘酸っぱいソフトクリームは?」
「それを頂くわ。あ、おつりはいらないから」

と、ダイヤの首飾りを二つも手に押しつけてきた。
一体この気前の良さはなんだろうね。何かが起こる前触れだろうか。

「ね、ラクト。アイス売りも良いけど、もっと羽振りの良いバイトがあるわよ☆ やってみる?」
「え、自給300円よりも高いバイト? 何それ、教えてちょーだい!」

私の働きぶりでは300円が丁度良いと言われ、アイス売りに転じていたが…オーナーのルビリアナちゃんがおススメするバイトとは一体?

「その前にはい、これ」
「?」
「誓約書よ」
「せいやく…ちょ、どこへ連れて行く気にょ?」

だんだん雲行きが怪しくなってきた…とんでもない事をさせられるのは勘弁してほしい。

「やーね、ラクトの手印をポンと押すだけで、すぐにお金持ちになれるかもしれないのよ? 後でやりたかったなんて言われてもさせないわよ?」
「むむむぅ…そんな事言われてもねぇ…」
「もちろん私が案内するし、サポートするわよ。ラクトには怪我をさせないから♪」
「けっ、けっ、怪我って…やっぱり危険が伴う場所なんじゃん!」
「押すの、押さないの? どっち?」

ルビリアナちゃんの脅しにより、誓約書とやらにぐりぐり手印を押し付けた。
指はないから、丸っこい形の印である。

「行ってらっしゃい、ラクトー!」
「リオは任せた。心置きなく行って来い」
「リオとガウラは今回お留守番かぁ。まぁ頑張るよ」
「リオちゃん、ガウラ、またね☆ …クロウ家の名の許に門よ開け、ダークゲート!」

 
********

「こ、ここは…」
「賽の河原よ」
「にょーーっ! ニャンてとこにやるんだよ。ひどいよ、ルビリアニャちゃん!」
「あそこ見て…」
「?」

地面にたくさんある石を掴んでは崩れないように、ただ一心に積み上げる子供達。
私の知ってる記憶ではどこまで積めば許されるのかなんて、分からなかった。

「もしかして今回のバイトって」
「そう、子供達と一緒に石を積んで欲しいのよ。依頼人は閻魔さまからね」
「閻魔さまって…あの舌を引っこ抜く…?」

頭がクラクラしそうになって倒れたくなってきた。
しかしお耳をギュッとつねられ、「にょーっ!」と奇声を上げて意識を復活させる。
もうここまで来たらやるだけだと鷹を括るしかなかった。

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☆カオス文庫目次ページ☆

2011年05月05日 15時57分55秒 | ☆カオス文庫2

ここは主に中編・短編を置く目次ページになります。
*:..。o○☆*゜ひょっこり猫シリーズ゜・*:..。o○☆*゜・*:..。o○☆*

ひょっこり猫島にてとある事件
のんびりとした猫島にある、ラクト家にて男が侵入。
猫のリオと雪ウサギラクトに迫る危機にガウラはどう立ち向かうか…暴力表現ありです。R15指定。

真夏の夜の夢(完結)UP
自分の部屋に蚊が侵入。決して笑える話ではない? ギャグを目指しました。
  

ひょっこり猫で賽ノ河原編(完結)
上級魔族のルビリアナ・レット・クロウに連れられてやって来たのは地獄の名所の一つ、賽ノ河原だった。雪ウサギラクトはバイト稼ぎをする事になるのだが、子供の魂を救う為に上手く鬼を阻めるか? 
   

銅・銀・金の門シリーズ
雪ウサギラクトを含めた4人の戦士は知らぬ土地に降り立つことになる。
その果てに待つのはギャグかシリアスか。作者にも分からない物語。
銅  



ラクガキのみですが

2011年05月04日 15時59分06秒 | 日記




連休に描いてたラクガキです。
これも違う小説のイメージイラストなのですが…このラクガキが無駄になりませんように(゜人゜)ムー!


新たな決意

2011年04月29日 22時34分21秒 | 日記

 
 今ある自分を大切にして、全て受け入れます。
 それでも、進む事を恐れない勇気を私にください。

 ****
えっと、ついさっきまでネガティブってたブログ管理人・雪ウサギラクトです。
 今日は仕事の事や私生活の事でモヤモヤ・悩みまくってました。このひょっこり猫のブログや、オリジナル小説を全削除までしようかと追い詰めていた程です。

 事情によりあえて紹介はしませんが、癒しサイトを巡っては上記の様な決意を胸にしてみました。この連休中に心の垢(あか)を全て落とし切りたいと思ってますが、どうでしょうね(笑)

 泣いて鼻水出して咳出してたらちょっとは楽になりました。どうやら心にも疲れが溜まっていたようです。吐き出せる事が出来て良かったです(*^∀^*)
 
 どこまで出来るか分からない、でも諦めたくもない。 
 もうちょっと足掻きます。それはリアルでも、ひょっこり猫でもです。

 新たな決意でした。



 雨上がりの空を見上げる雪ウサギラクト。
 ニャンとか良い具合の絵が出来て良かったです。
 鼻水やお目めからお水が出てます。でも可愛さは…溢れ出てますよね(^∀^;)