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ひょっこり猫が我が道を行く!

カオスなオリジナル小説が増殖中。
雪ウサギが活躍しつつある、ファンタジー色は濃い目。亀スピードで更新中です。

①ひょっこり猫で賽の河原編 

2011年05月06日 17時01分26秒 | 小説作業編集用カテゴリ
*注意*
このお話はフィクションです。





季節は常夏。
中天にある太陽は照り返し、蒸し暑い熱気がひょっこり猫島を覆いつくす。
コバルトブルーの海にはヤシの実が豊かにつらなり、穏やかな波の音と潮風が耳に心地良く響く。

「アイスー、アイスはいらんかねー……」
「ラクトッ、私ソフトクリームッ」
「オレはソーダアイス」
「はいよ、2つ合わせて200円ね」

どうも、雪ウサギラクトです。
最近ひょっこり猫の看板娘のリオを差し置いて、主人公に格上げしました。そんな時は嫌な予感しかしないのですが、ひょっこり猫島ではそんなに物騒な事は起こらないので、杞憂に終わると思って日々過ごしてます。

「ラクト、私にも何かちょうだい」
「おっ、ルビリアニャちゃん! これなんかどう、木苺の甘酸っぱいソフトクリームは?」
「それを頂くわ。あ、おつりはいらないから」

と、ダイヤの首飾りを二つも手に押しつけてきた。
一体この気前の良さはなんだろうね。何かが起こる前触れだろうか。

「ね、ラクト。アイス売りも良いけど、もっと羽振りの良いバイトがあるわよ☆ やってみる?」
「え、自給300円よりも高いバイト? 何それ、教えてちょーだい!」

私の働きぶりでは300円が丁度良いと言われ、アイス売りに転じていたが…オーナーのルビリアナちゃんがおススメするバイトとは一体?

「その前にはい、これ」
「?」
「誓約書よ」
「せいやく…ちょ、どこへ連れて行く気にょ?」

だんだん雲行きが怪しくなってきた…とんでもない事をさせられるのは勘弁してほしい。

「やーね、ラクトの手印をポンと押すだけで、すぐにお金持ちになれるかもしれないのよ? 後でやりたかったなんて言われてもさせないわよ?」
「むむむぅ…そんな事言われてもねぇ…」
「もちろん私が案内するし、サポートするわよ。ラクトには怪我をさせないから♪」
「けっ、けっ、怪我って…やっぱり危険が伴う場所なんじゃん!」
「押すの、押さないの? どっち?」

ルビリアナちゃんの脅しにより、誓約書とやらにぐりぐり手印を押し付けた。
指はないから、丸っこい形の印である。

「行ってらっしゃい、ラクトー!」
「リオは任せた。心置きなく行って来い」
「リオとガウラは今回お留守番かぁ。まぁ頑張るよ」
「リオちゃん、ガウラ、またね☆ …クロウ家の名の許に門よ開け、ダークゲート!」

 
********

「こ、ここは…」
「賽の河原よ」
「にょーーっ! ニャンてとこにやるんだよ。ひどいよ、ルビリアニャちゃん!」
「あそこ見て…」
「?」

地面にたくさんある石を掴んでは崩れないように、ただ一心に積み上げる子供達。
私の知ってる記憶ではどこまで積めば許されるのかなんて、分からなかった。

「もしかして今回のバイトって」
「そう、子供達と一緒に石を積んで欲しいのよ。依頼人は閻魔さまからね」
「閻魔さまって…あの舌を引っこ抜く…?」

頭がクラクラしそうになって倒れたくなってきた。
しかしお耳をギュッとつねられ、「にょーっ!」と奇声を上げて意識を復活させる。
もうここまで来たらやるだけだと鷹を括るしかなかった。

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