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ひょっこり猫が我が道を行く!

カオスなオリジナル小説が増殖中。
雪ウサギが活躍しつつある、ファンタジー色は濃い目。亀スピードで更新中です。

銅の門②

2011年06月19日 09時28分31秒 | 小説作業編集用カテゴリ




「インディー○ーンズじゃないんだんからぁぁぁ~!」
「ニャオォォォ~(ギャァァァ~)!!」
「リオっ、しっかりオレに掴まってろ!」
「あらあら、いきなりな歓迎ねぇ☆」

洞窟内に響き渡る轟音。
うす暗闇の中で眼前に差し迫ってきたのは通路いっぱいまでありそうな特大の岩。
私達が居る下り坂を物凄い勢いで転がってくる。反射的に四人は一斉に駆けだした。

「ニャオッ、ニャオッ(そもそも、ラクトが怪しい線に引っ掛かるから悪いんだよっ)」
「ちょ、あんなとこに糸があるなんて私に分かるわけないじゃん! 幾ら生みの親でも想定外だってのっ」

びょんびょんと跳ねながら逃げるも、ラクトの逃げる速度が遅すぎるのでルビリアナに抱き上げられた。両手が使えなくなるので、こんな時の為にラクト用のナップサックを周到に準備していたらしい。赤い鞄の中におさまり、リオと口喧嘩していた。

「う~ん、逃げるのは性に合わないのよ…ね!」
「ル、ルビリアニャちゃん、何をする気にょ? 早く逃げないと…」
「ハァッ!!」

雪ウサギラクトを背おったまま、岩に立ち向かう。
上級魔族のルビリアナが、自身の腰に括りつけたメイスを目にも止まらぬ速さで岩を一点に突き出した。するとヒビが数か所入り、岩の速度も遅くなる。手応えを感じたルビリアナは素早く方向転換し、リオ達の元まで急いで進んだ。

「あともうちょっとじゃない☆ ほら、ガウラッ」
「そうだな、ラクト、リオを頼むっ!」
「え。もげっ! ぐるじぃにょ…」
「ニャオーー(ガウラァ!)」

ナップサックに入ったラクトを下敷きにして、リオを上から入れ込んだ。
赤い鞄からはみ出たリオに、頬を撫でて安心させてから岩の近くまで移動する。
腰には長剣、ズボンの太もも辺りのポケットには調理用の包丁とサバイバルナイフを二本、背中にはフライパンを装備したガウラ。サバイバルナイフを二本抜き、刀身に冷気を込めながらヒビの入った場所へ深く突き刺した。岩の威力にも負けず、主夫は真顔でこう告げる。

「オレの妻・リオに害なす奴は無機物でも許さない、砕けろ――ッ」
「ニャアァァーー!(まだ結婚してないよっ!)」

ナイフをつたい凍っていく岩。
全体が凍った後、岩は音を立ててパキンと細かく砕け散った。その瞬間、洞窟内は静まり返る。
戻ってきたガウラが満面の笑みでリオを抱き寄せながら、一同はさらに奥深く進む事にした。

***

「寝泊まり用のベッド…? ここは炭鉱用の洞窟だったのかなぁ」
「炭鉱用っていっても、さっきのトラップまがいは尋常ではなかったわ。侵入者を除外する為の仕掛けだと思うの」

ある一か所に来ると、ベッドやテーブルといった休憩所を見つけた。そこで四人は一息つく。
雪ウサギラクトはルビリアナの太ももの上に座り、リオとガウラも近くのベッドに腰掛けた。
そんなに古くはないらしい。ベッドのシーツはふかふかするし、食料棚には食べれそうな保存食が並べられている。
享楽に使うものだろうか、何枚ものカードが木製のテーブルの上に、乱雑に置かれていた。

「ニャ…?(ん?)」
「どうしたの、リオ」

頭にパラパラと土が落ちてきたらしい。リオは上下に頭を振り、それを見たガウラがほこりを取っていた。
崩れる心配は無いと願いたい。しかし振動が伝わってくるので、もしかすれば出口は近いかもと一同は休憩所を後にした。


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