寝てなんかいません

とても眠そうな顔をしながら
なかなか寝ないことがあります。

「涙ぐんでいますが
眠いわけではありません」と
意地を張ります。

眠そうだねー。
ほら、やっぱり寝ちゃった。

というと、慌てて目を開けて
「寝ていません。
家族がご飯を食べている間、
待っているだけですよ」

「まったく、うるさいんだから。ぶつぶつ…」
と、やさぐれてしまいます。

遊び疲れて、
廊下で一休み。

眠くなったでしょう。

「眠くないです。
こんなに大きな目をぱっちり開けているのに
眠いわけがないでしょう」

机の下で、うとうと。

「寝ようとしているわけじゃありませんよ。
お水を飲んで、お腹がいっぱいなだけです。
運動の後の一杯は、格別ですから・・・げっぷ」

今度こそ、
寝ているように見えますが

「寝ていません。
この切れ長の涼しげな目で
世の中をクールに眺めているのです」

おー…。

眠い眠い。
倒れる～。

しかし、背中の毛だけは
起きていますね。

それでもとうとう、

睡魔に負けそうになっています。
ただの毛玉に見えますが
これは睡眠中のCocoさん。

近づいてみるとわかります。
肉球が見えているのが左手。
その右側に顔。
さらにその右側にあるのが、右脚です。

人間にはとてもまねができない体勢です。

それでも寝ていないと言い張るつもりか
左手を曲げ伸ばしして
ストレッチしているふりをしています。

けれどとうとう
抗うのをやめて

夢の世界に入っていきます。

フリースの布に顔をうずめて

熟睡です。

 

 

 

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