†意識の記録† 理解のブログ

私の私の視点による私の経験の記録。私の視点で見る限り誤りのない認識で記事を書いている。一切の苦情は受け付けない。

電源

2022-06-11 23:40:54 | Audio
こんばんは。

最近、更新をサボり気味でした。
やっぱり大好きなオーディオの話題と行きましょう。

過去ログに依れば、トランスの鳴きを抑える為の DC サプレッサを作成し、音質的に悲惨だった、という記事が最後ですね。
DC サプレッサとは何か、一言でいえば、コンセントの AC100V に含まれている直流成分をカットするフィルタです。

これはつまり、電源環境の改善を目指したものと見做して良いでしょう。
そうすると、世の中には電源環境を改善するオーディオ機器が沢山あります。
安定化電源とか、クリーン電源というやつですね。

今日はその話を先ずしたいと思うわけです。


安定化電源にしろ、クリーン電源にしろ、目指すところは、完璧な AC100V の供給です。
周波数が乱れていたり、電圧が増減していたり、直流成分が含まれていたり、ノイズまみれだったり、出力インピーダンスが高かったり、と色々な不安要素を解消してくれるわけです。

もちろん、一つの機器で全部やってくれるものもあれば、一部にしか対応していないものもあります。
自分の必要とする機能とお財布を睨みながら選んでいきたいところです。


さて、では、どうやってこれらの不安要素を解消するのか、という話をしましょう。

すごく単純な発想としては、 100V-100V のトランスを通す、ということが考えられます。
(入出力で巻き数が同じトランスということです。)
周波数の乱れや電圧のブレには対応できませんけれども、直流成分や高周波ノイズはカットできる為、聴感上は S/N が向上する、つまり、背景がクリアな音になります。

製品としては、以下が例として挙げられますね。
https://www.denkenseiki.co.jp/products/nct-i3/

コンセント側とシグナル側を通した、再生装置とアンプのグランドループも切ることができますから、なかなか良い案だと思います。
トランスを通しているだけなので、完全にパッシブ素子だけで、電源不要というのも嬉しいポイントですね。
難点は、トランスなので、鳴く可能性があるということです。
(鳴くからって密閉した箱に入れちゃえば OK というわけには行きません。変換ロス分、発熱しますから。)


次に、電圧のブレに対応する、ということですが、これはパッシブ素子だけではできません。
対応策は2通りあって、安いのは、タップが複数あるトランスを使い、電圧を監視して、巻き数を(不連続的に)可変する、というものです。
業務用の機器に多く、ファーマンなんかから製品が出ています。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/262298/
10ボルトとか、大きな変動に対してはこれで良いんです。業務用に多いというのは結局のところ、現場の電源電圧が高い or 低いという問題に対応する為だけに使われるものだからです。
我々、オーディオファイルからすると、もっと細かい電圧変動に対応してくれないと安心できませんよね。

となると、次のような方法になります。
「一旦、直流に変換し、インバータで交流に戻す。」
リジェネレータ、とか呼ばれている方式になります。

インバータを介しているので、そもそも安定化電源からノイズが出る、という問題を含んでいます。
とは言え、そんなことは開発側も分かっているので、自身から発するノイズには対策をしているはずです。

メーカとしては、光城精工が有名ですね。
http://www.kojo-seiko.co.jp/products/da6.html
とても高いです。


このように、様々な方法や機器があるわけです。

ところで皆さん、実際に感じたことはないでしょうか。
休日とかに音楽を聴いていて、明らかに、昼間より夜間の方が高音質ではないか?と。
自分はかなり前からそのように感じていましたし、オーディオ的には結構有名な話らしいです。

自分は測定したことがないのですけれども、コンセントの出力電圧を時間軸方向で監視すると、実際に朝昼晩で電圧が大きく変動する様子が見られるそうです。
これは、電力会社が、需要に見合った出力に調整しているからです。使う人が多い時間帯には高電圧、少ない時間帯には低電圧にします。
(その状態で人々が電気を使うと、概ね 100V 付近になる、ということです。)
許容量よりも使う電力が大きくなると 100V からズレたり、周波数が変動したりし、最終的に停電します。

なので、オーディオの為に安定した 100V にしてくれ、ということは言えませんし、
マイ電柱を立てても、完璧にクリーンな電源にはならないということが分かって頂けるかと思います。
(マイ電柱は、結局のところ、大容量のトランスを1つ挟んでいるに過ぎませんからね。)



とまあ、色々と言ってきましたが、最終的に私は、次の製品を購入しました。
FURMAN PST-8D
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/159155/

次の製品と迷いましたが、価格差と置くスペースの問題で、やめました。
FURMAN P-1800 PFRJ
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/160652/

PST-8D は、ノイズフィルタ付きの電源タップに過ぎませんけれども、よくよく考えると、電圧が変動したり、周波数が変動したりすることが、音にどれだけ影響するかと言われれば、非常に怪しいです。
何故かと言えば、結局、アンプ内部で使用するのは直流電圧だからです。

ヘッドフォンアンプでは異なる場合も多いですが、パワーアンプの場合、終段のトランジスタの電源は、
トランスで変圧した後、整流器(ブリッジダイオード)、ブロックコンデンサを使うだけで供給されています。
なので、トランスやブロックコンデンサで止められなかったノイズは、ほぼそのまま終段のトランジスタの電源電圧の汚れになると考えていいです。
だから、ノイズフィルタを通す意味は分かる。
しかし、電源電圧の僅かな変動は、ブロックコンデンサでカットされると考えて間違いないですし、周波数の変動に至っては表面に出てこないでしょう。
(更に言うと、電圧方向の変動は、正負両電源の場合、正と負で打ち消しあうように変動するので、動作の中心点をずらす様なノイズにはなりません。)

そういう回路実装方向からの考察も込みで、 FURMAN PST-8D で最低限必要な機能があると考えたわけです。


実際に導入して、しばらく使用した感想を書いて終わりにしましょう。

先ず、同じボリューム位置で、音量が小さくなりました。
理由が全く分かりません。

低域が豊かになりました。
これは大変好印象です。

高域側の変化は好みの分かれるところでしょう。元々伸びたりないものが伸びたりはしません。
中域はあまり変化していない気がします。

ノイズフロアは特に変化した気がしません。
背景がクリアになる、というような感じはしませんでした。
これは残念なところです。


従い、全方面での改善が起きるわけではありませんでした。
ただ、アンプを交換するより音の変化は大きいです。
(私は集合住宅なので、電源環境が元々よろしくない為、変化も大きく出たのかもしれませんね。)

買って損するということはないと思いますけれども、これだけですべてが良くなるという幻想は止めたほうがいいです。



以上。
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