†意識の記録† 理解のブログ

私の私の視点による私の経験の記録。私の視点で見る限り誤りのない認識で記事を書いている。一切の苦情は受け付けない。

ミドルレンジ

2020-10-31 22:30:00 | Audio
こんばんは。

これまで、何年も前から、比較的、安価に始められるオーディオを記事にして来ました。このブログで最もアクセス数が多いのも、それらの記事です。
つまり、スピーカで音楽を聴きたいけれど、いくらぐらいの予算で始められて、またどういうものに失敗がないのか、それを知りたいということでしょう。それに対する回答は過去の記事をご覧に頂くとして、今回は、過去に紹介したものよりも、少し高いスピーカ(つまりミドルレンジクラス)について紹介しようかと思います。

高いと言っても、働いている方なら手の出る値段です。昨今の一眼カメラレンズの高騰を思えば、問題も無かろうというもの。
(純正レンズは大体10万円ぐらいアップ、サードパーティも新作レンズは値上がり傾向です。)

既に、比較的安価な、然し、本格的なオーディオ用スピーカをお持ちで、不満が出てきたから(或いはちょっと飽きてきたら)買い替えようかな?と思うのだけれど、どういうのを聴いたら良いか分からない、電器屋さんや専門店の店員さんをちょっと信用できない、という方向けの記事だと思ってくださればよろしいです。
(親切で親身になってくれる店員さんが居るのも事実ですが、いけ好かない人も居ます。)

アンプや DAC 等は既にお持ちで、スピーカだけ取り替えることを考えます。予算は30万円程度とします。
(最新のミラーレス一眼カメラを、レンズとボディセットで購入しようと思った時、予算30万円ぐらいからが相場になります。レンズ2本足せば50万円で不足しますから、カメラの趣味を本格的にやるぐらいのお金の掛かり方だと思ってください。)
今使っているアンプがあまりにも安くて(数万円のもので)、鳴らし切れるか不安だ、という声もあるかと思いますが、国産のプリメインアンプを使用中なら心配要りません。それでも不安という方は、10万円ぐらいの国産プリメインアンプを購入されればよろしいかと存じます。(相談に乗りますので、コメントにどうぞ。その場合、今の機材を書いておいてください。)

色々とスピーカを聴いていくと、やはりブランド毎の音の傾向というものはあります。言葉で表すのは難しいですので、最終的にはご自身の耳で試されることをお勧めします。安い買い物ではありませんからね。
今回は、あくまで、この辺りを試してみたらどうかな?、という程度に思ってください。
できるだけ、音の傾向がばらつくように選びました。また、全てブックシェルフです。
(以下、紹介しているブランドは、私が全て自宅でセッティングし、聴いた事があるものですが、紹介している実機そのものはお店でしか聴いていないものも多いです。)


先ずは、イギリス製から。ここ数年の売れ筋は、やはり B&W でしょう。

・ B&W (Bowers & Wilkins)
https://dm-importaudio.jp/bwspeakers/

B&W には、現在、 800 系、 700 系、 600 系があります。(700 系は昔の CM 系ですね。)
以前はフロントバスレフポートのモデルもありましたが、現在の最新モデルは全てリアになりました。壁から離して置けない方は少しセッティング難度が高いかと思われます。
クラシック向き(というか専用)という声もありますが、私の印象では何でもこなすと思います。クラシック向きはジャズに向かないなんていうのは好みの問題です。
音の密度は高く、硬質、分析的な印象です。柔らかい音やふわっと広がるような音を求める方には向きません。

今回の予算規模ですと、 706S2 がオススメです。 705S2 は、音の差を考えるとコスパ悪いです。
https://www.bowerswilkins.com/ja-jp/home-audio/706-s2

中古市場をお探しなら、 CM5 を強くお勧めします。 605 系と比較して、明らかに音の荒々しさが取れていて、心地よいです。中古相場も 10 万を切っています。

尚、パソコンの脇に置くなど、ニアフィールドを想定しているならば、 606S2 AE をお勧めします。少し柔らかめのインシュレータで 4 ~ 5 cm ぐらい高さを上げてやると良い感じですね。ただ、私がニアフィールドスピーカにするなら、今の B&W は選びません。フロントバスレフで奥行きの抑えられた旧モデルを中古市場で探しますね。 601S3 とか。


次は、最近、日本では人気のないモニオこと、 Monitor Audio 。

・ Monitor Audio
http://naspecaudio.com/monitor-audio/

昔の音の傾向は B&W に近かったですが、最近は差別化しているようです。( B&W の音の傾向が、低音を豊かにする方向へシフトしている為かな?)
とりあえず、名前と違ってモニター系でないことは確かです。(というか、モニター系のスピーカが欲しいなら、モニタースピーカを買ってください。安いですから。)
個人的には、音量を上げないと本領発揮しない印象です。お店では大きな音が出せるので良い音がしてしまいます。家では小音量や BGM という方にはお勧めしません。

モニオは昔からプラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズ、と分かり易いラインナップです。 B&W が少しずつ値段を上げていった(人気が出たから)のと対照的にお値段据え置きなので、ブロンズはエントリークラスとしてお勧めできます。今回の予算規模ですと、上級機の Gold 100-5G が視野に入ります。

Gold 100-5G
http://naspecaudio.com/monitor-audio-gold5g/gold100-5g/

後で紹介する別のブランドでも使われていますが、ツイータに一般的なドーム型ではなく、ハイルドライバーを用いています。なので、シルバー以下とは異なる印象があると思います。ここは完全に好みですね。ただ、私は家で、ハイルドライバー、リボンツイータ、ソフトドーム、ハードドームと、様々なツイータのスピーカを聴いていますが、型式に惚れるということはないので(全体のバランスなので)、ハイルドライバーだから選ぶ、というような考え方は止めた方が良いと思います。ソフトドームを使ったスピーカだってよい音はします。

実はモニオを買うなら中古がオススメです。特に Gold Reference 10 ですね。私も探しているところです。 8 万円切っていて問題ナシ品なら買いでしょう。


次は少し毛色を変えて、 Spendor (スペンドール)を紹介します。

・ Spendor
http://triode.co.jp/brand/spendore/index.html

スペンドールはともかく、卒なくこなす BGM に向いたスピーカです。
元々は BBC モニタの系譜なのですが、モニタ系の音はしません。ハーベスほどではありませんが箱鳴りもしますし、最新のスピーカとは異なる鳴り方です。ようは、古い音です。
しかし、古い音が決して悪いわけではありません。今、記事を書きながら聴いていますが、洋楽のポップスが比較的大きな音なのにやかましくなく、ノリノリで聴けています。

ただ、先ず、専門店にでも行かない限り、 Spendor はお目に掛かりません。それでも試聴機が無いことも多いでしょう。
アンプもそうですが、昔とは皆さんの耳の好みと合わなくなったのでしょう。とは言え、ハーベスやタンノイなどと比べてしまうと、クラシック向けではなく、ポップス向け。声楽より、オンボーカルですね。

そんなスペンドールのオススメは、 Classic 3/5 です。モデルチェンジしても同じものを売っているのではないかと錯覚するような製品です。
もちろん、そんな馬鹿なことはありませんが、だったら中古で良いじゃない?って思いますよね。ダメです。
Classic 3/5 に相当する旧機種は SP3/1P ですけれど、エッヂが硬化し易いのか、ボロボロ(ひび割れ)のものが多いです。無事に見えても張り替え必須になります。北海道に良い修理屋さんがあるので、そちらへ送って修理してもらうまで考えているなら、中古でも良いかも知れません。
(修理費込みでも6万ぐらいで手に入るでしょう。)


次は、ともかく耳が幸せになる Harbeth (ハーベス)を紹介します。

・ Harbeth
https://www.mplusconcept.com/

耳は幸せになりますが、デザインは、デザインと呼べない代物です。ただの箱であり、お金が掛かっている様子がこれっぽっちもない。
とは言え、ハーベスで聴いたジャズのとろけるようなサウンドは、他に代えがたいものがありますし、シナトラなんか聴いたらついつい鼻歌交じりになるでしょう。

ハーベスもスペンドールと同じく BBC モニタの系譜で、特に有名なのが HL Compact です。
https://audio-heritage.jp/HARBETH/speaker/hlcompact.html

残念ながら、新品のハーベスは完全に予算オーバーです。しかし、中古の HL Compact は状態に依りますが、まともなものでも 10 万円前後で手に入ります。
ブックシェルフと呼ぶには、現代的な視点ではサイズが大きいですけれども、 20 cm ウーファに、フロントバスレフ、積極的に箱鳴りさせる設計は、最新の製品でも引き継がれています。
専門店でハーベス置いてないところは無いので、一度、足を運んでみてください。そして、もし聞き惚れたら、グッと我慢して家に帰り、状態の良い中古を探しましょう。


さて、そろそろ別の国へ行きましょう。お隣フランスの、 Focal (フォーカル)を紹介します。

・ Focal
https://www.focal.com/jp

フォーカルの特徴は、バスレフ方式なのに低域を膨らませ過ぎない、というところに尽きます。
その為、低域がズンズン押し寄せてきて、音楽の海に浸る・・・というような鳴り方はしません。(よっぽど大音量にしたら別ですが。)

エントリークラスは、今、 Aria と Chora がありますけれど、買うなら Aria 906 でしょう。
今回の予算で言えば、かなり安めになりますが、 Focal の音が好きなら買いです。


次に、更にお隣のイタリア。 Sonus Faber (ソナス・ファベール)を紹介します。

・ Sonus Faber
http://www.noahcorporation.com/sonusfaber/

ソナスは、アホみたいに高いスピーカを出していますが、実際に聴くと価値を感じますね。特にガルネリ・エヴォリューションを聴いたときの衝撃はよく覚えています。
高いのはどうせ予算オーバーです。ただ、高いだけだとやっていけないのか、手の届くクラスもいくつか出しています。
音の傾向は、ともかく、音場が広い。リスニングポジションを選ばず、歌うように鳴ってくれます。小さい音から大きい音まで鳴りますし、環境音(波の音とか、せせらぎとか)を流すと、大変心地の良い昼寝ができます。ただ、どうしてリスニングポジションを選ばないのかは分かりません。

現行品のオススメは、 SONETTO II です。

SONETTO II
http://www.noahcorporation.com/sonusfaber/catalog_sonetto20190221.pdf

ただ、私としては、旧製品である Venere 2.0 の中古品を探すのがよいと思います。
あまり数が出なかったからか、製品としては短命でしたが、私は今でも愛用してます。(寝室用)
天板がガラスで割れやすい欠点がありますけれども、割れていたって音は変わりませんので、エッヂやコーンに問題が無ければ買いでしょう。


次に、今度は北へ行って、ドイツ。 ELAC (エラック)を紹介します。

・ ELAC
https://www.yukimu-officialsite.com/elac

エラックは、筐体のスマートさからは想像できない低音が出ます。箱鳴りもしません。雰囲気としては Aurum Cantus なんかに近いですね。
ドイツらしく、理論武装で作りました、という感じがある。低域出過ぎという方の為に、バスレフポートを塞ぐスポンジが付属しているぐらいです。
エラックには、ハイルドライバー(エラックでは JET と呼びます)を使った高いクラスと、使っていない安いクラスがあります。
今回の予算ならば、ハイルドライバーを使ったクラスが買えます。そうでないなら、エラックを買う意味が無い。

注意ですが、スマートと言っても、エラックはモデルによってともかく奥行きがあります。棚の上に置こうなんて思っている方は、事前によく調べてください。

BS263
http://www.yukimu.com/product/elac/260line/bs263/bs263.html

これは奥行 28.5 cm です。私は旧製品 243 を今でも使っていますが、 22 cm でしたから、同じ場所にはもう置けませんね。
243 なら中古で 10 万円切ってますから、奥行きが厳しい人は中古の 243 を探すのもありでしょう。


次は、ヨーロッパから離れてアメリカ。 JBL (ジェイビーエル)を紹介します。

・ JBL
https://jp.jbl.com/

JBL なんて過去の遺物という方もいらっしゃるでしょうが、私は今でも使っています。それはもう、メインの一角です。
今、 20 cm や 25 cm 、或いは 30 cm 級のウーファを持つスピーカを、この予算で手に入れられるのは、 JBL だけと言っても過言ではありません。

4312G
https://jp.jbl.com/4312G-.html

最近は、小型でも低域がそこそこ出ているモデルもあります。ただ、やはり大きなウーファの余裕ある低音は真似できていません。
小型のブックシェルフで低域十分と感じるのは、せいぜい 2 メートルまでです。それ以上で、サブウーファなしで余裕ある低音が欲しければ、 2.5 way のトールボーイか、 JBL のような大きなウーファに投資するのは悪い選択肢ではありません。

ただ、 JBL には大きな欠点があって、映画や洋楽のポップスを聴く分には素晴らしいのですけれども、クラシックに向いていない。繊細さが感じられないのですね。
クラシックは、大編成のオーケストラとかでない限り、元々、低域の余裕はそれほど必要ないはずなのですけどね。

聴いてみて特に合うのは、マイケル・ジャクソンのようなポップスです。大抵の専門店に 4312G か 4429 が置いてありますから、聴いてみてください。
中古市場は、 4312 系がよく出ていますが、まともな製品は少ないです。それほど高価なスピーカではありませんし、 4312G か、一つ前の 4312E をご検討ください。
ちなみに、今回の趣旨とは異なりますが 4312M という製品は完全な地雷なので、買ってはいけません。



以上、少し長くなりましたが、普段よりは少し上の価格帯について、紹介しました。
この辺りを試聴して、自分の好みの音を探したら、後は、それと同じような音で、とお店の人に聴いてみましょう。




以上。
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