アルゼンチンから砂漠の国へ

2005年~2009年のオリジナル記事に、シンガポール時代の記事と、2009年以降のアメブロの旅行記を転記しました。

Hilton Hotel にて

2005年08月14日 | 旅行
8月13日(土)

初めてのブエノス・アイレスの会社での一週間はさすがに長く感じた。
毎日、英語漬けの生活は、さすがに疲れました。レストランでは、覚えたばかりのスペイン語で、「ラ クエンタ、ポル ファボール」(お勘定、お願いします。)楽じゃない。

Hilton Hotelでは、何の間違いか、エグゼクティブ フロアに滞在することになり、朝食は、以前出張で来た時に利用したにぎやかな1階のレストランではなく、9階にあるラウンジで、静かなときを過ごしながら食べている。窓から見える街の景色と、冬場で、水だけをたたえている屋上のプールを眺めながら、贅沢な朝食を満喫している。

部屋はかなり広く、ガラス張りの仕事机で、コンピューターにはLANがつながるようになっている。ただし、一日あたり$65(ペソ:約2600円)必要。しかし、インターネットで遅い電話線につなぐと、その程度の金額はすぐ飛んでゆく。会社では、メールは電話回線でやり取りするため遅く、ホテルに帰ってメールを開くほうが効率的だ。日本との時差が12時間あるので、寝ている間に日本からのメールが届いている。

今日は、ブエノス・アイレスに来て、初めての休日。
一週間の骨休めと、ブエノス・アイレスの市内を散策してみる予定。まずは、朝食後、ホテルの近くにある海沿いの公園を散歩してみた。ホテルの裏手を15分程度行くと、海岸線の緑地が保護区になっており、車乗り入れ禁止、自転車は10km/h制限となっている。

保護区の散歩道に入ると、休日なので、散歩したり、ジョギングしたりする人が既に多く出てきている。15分程度歩くと海が見えてくる。といっても、地図によると、これがラ・プラタ川で、対岸のウルグアイがぼんやりと見える。というのは嘘で、フェリーで3時間もかかる対岸が見えるわけがない。たぶん、ラ・プラタ川というのは何かの間違いで、ラ・プラタ湾だろう。大西洋に向かって広がる湾の付け根にブエノス・アイレスがある。海岸を歩きながら、海水をなめて真水ではないことを確認したい衝動にかられたがやめた。水は土色ににごり、かつて見た、バンコクのチャオプラヤ川と同じような色をしている。



遠くブラジルから流れてくる川があり、パラグアイ、ブラジル、アルゼンチンの国境をまたいだ所にある有名なイグアスの滝(一度は行って見たい。)を通り、パラグアイ川と合流し、パラナ川となって、ラ・プラタ湾に流れ込んでいる。また、ウルグアイ川もラ・プラタ湾に流れ込んでいる。だから、少しは海の水が希釈されているのかもしれないが、やはり、ラ・プラタ川は、地形から見てラ・プラタ湾だ。

海沿いの遊歩道を散歩していると、道の両側に所々、休憩用のベンチがあり、広々とした芝生に囲まれた公園もある。海岸線の広場には、昼食が食べられるようなテーブルまである。道沿いで、海に面して張り出した休憩所のベンチに中年の夫婦が座っていたが、側を歩いているとき、突然、女性が上半身裸になった。道には背中を向けているだけで、広い海からは誰も見る人がいないので、別にストリップは自由だが、この真冬に、青空だからといって、日光浴もないだろう。実際、セーターを着て歩いていると、汗が出てくるくらいの陽気で、朝の気温が11℃と冬にしては暖かい陽気だったが、裸では寒い。
日光の少ない北欧の人が、つかの間の太陽を求めて裸になるのは理解できるが、ここブエノス・アイレスは、冬場でもこれだけいい陽気なので、夏場にはたっぷり陽光を浴びることができるだろう。

海岸線を歩きながら陸側をみると、近代的な高層ビルが海岸通りのビジネス街に立ち並び、大都市としての雰囲気を十分感じさせる。しかし、その高層ビルのすぐ海側にこれだけ広い自然が保護されているのは市民にとってはいい環境だ。もし、日本のように経済一辺倒なら、このあたりは、お台場と同じような人工的な開発地区になっているに違いない。第一次世界大戦の際に発展して以来、時間が止まったような状態でインフラ整備が進んでいないと、アルゼンチン駐在経験の長い松下電器の方から事前講習を受けたが、過剰な経済発展がなくてよい場合もあるようだ。



休憩しながら散歩して、2時間あまりで公園を半周して帰ってきた。南側の出口に来ると、大きな音楽が鳴っているので、近づくと、小さな遊園地のような場所があり、土曜日の昼過ぎのため、大勢の人が出ている。その一角で、ハンバーガーとミネラルウォーターで昼食。これが$5.5(約220円。アルゼンチンはペソを$で表現する。US$と間違いやすい。1US$が約$2.7、1$は約40円)オープン・テーブルに座ってハンバーグを食べながら、公園の人々を眺めていると、日本では、せいぜい夏場の土曜夜市にしか見られないにぎやかさだ。家族、友達でワイワイと話しながら楽しんでいる。豊かそうには見えないけれど、人生を楽しんでいるように感じられる。

さて、一休みして、午後からは市内の散策に出かけよう。


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