12月28日(金) 朝20℃、昼31℃ 西南西の風、さざ波
いよいよ今年最後の釣り。少し風があるが、7時半ごろ海に出ると、沖合の岩礁にはほとんど白波が立っていない。先週とは大きな違いだ。しかし、誰もいない。4時に干潮で、満潮が11時。釣り場に出ると、潮の流れが速い。南から北に流れている。満ち潮の時は、インド洋から、狭くて浅いマンダブ海峡を通って海水が紅海に流れ込んでいるはずなので、北向きの流れは理屈に合っている。
相変わらず、今月は全体的に潮位が高く、今日も腰まで浸かった状態で釣りを始める。8時に釣り師が隣にひとり、その後9時前にひとり来たが、結局、昼前までにたった5人。やはり、水温も低く、釣り人口が減ってしまったようだ。しかし、今日はうねりもなく、海面のさざ波だけなので、釣りのコンディションはいい。
突然、遠くの方で、爆音が響きだし、だんだん近づいてくる。なんと、ホーバークラフトがやってきた。どうもコーストガード(沿岸警備隊)のようだ。手を振って、「釣りをやめて帰れ」といった動作をしているが、無視したらすぐに行ってしまった。先週は、釣り船のようなコーストガードが荒波の中をパトロールしていたが、岩礁の近くをパトロールするには、確かにホーバークラフトは有利だ。座礁の心配がない。しかし、うるさい。
9時半ごろまで粘ったが、まったく当たりがなく、運動を兼ねて、南側に100mほど離れた、昔の釣り場に行ってみることにした。リーバー(コンクリートの補強鉄筋)をサンゴ礁の上に突き立てて目印をしているので、位置はわかるが、岩礁のほぼ中央付近にかたまっている他の釣り師からはかなり離れている。近づいて、誰もいない理由がわかった。沖合の岩礁に沿って移動していたら、突然深くなり、足がつかない。しばらく、泳いだり、移動ルートを変えたりして悪戦苦闘して釣り場に到着した。ここは、陸から一直線で来ないと、左右が深みになっている。
特に期待していたわけではないが、ちょうど10時頃、久しぶりに当たりがあった。今日は、4号の道糸なので、無理をせず、ドラッグしながら慎重にリールを巻く。前回、前々回と、強引に引き上げようとして切られている。しかし、近くに来たと思ったら、すぐ足もとの根に入り、ルアーごと切られてしまった。これで、9月の帰国時に買った、一番確率の高いルアーを2本とも無くしてしまった。1月に帰ったら、今度は同じものを4個買ってこよう。
今夜は、職場の日本人だけで忘年会。昨日、近くの町の魚屋で、立派な鯛を手に入れたから刺身の心配はないと幹事のZさんが言っていたが、せめて最後の宴会には、自分で釣ったアジを持っていきたいと思っていたのに残念だ。5月の帰国で買ったリールも、度重なる水没で、ギヤの動きが悪くなっている。そろそろ寿命だ。また新しいものを買ってくる必要がある。
2時間ねばって、やっと当たりがあり、それを取り逃がしたので、今年はこれでおしまいかと、それでも、まだ潮の流れが速いので、せめて10時半までは粘ってみようと、残り少ない紅白の小さなルアーを投げていたら、10時20分、再度当たりが来た。これは、ドラッグを少し強めにして、根に逃げ込まないように慎重に巻き上げた。目の前まで来たら、ルアーに掛かっているアジのすぐ横に同じサイズのアジがぴったりくっついている。まるで、恋人を取られまいとしているつがいのアジだ。タモで2枚共すくえるのではないかと一瞬思ったが、そんなに甘くない。しかし、無事、2ヵ月半ぶりにアジを確保した。
いいかげん疲れたので、さっさとエラを引き抜いて血抜きして帰ることにした。
これで、今夜は、この刺身も追加できる。44cmのカスミアジだ。
(コガネアジ 44cm)
これで、今年のルアーの釣果は、アジ5枚、外道3(バラクーダ、エソ、テンジクダツ)の合計8尾。先月、病気のため帰国した釣り仲間のKさんは、ちょうど1年の赴任期間にルアーで9尾釣りあげ、あと1枚ほしいと言っていたが、帰国する当日、海に出てアジを釣り上げ、「これで念願の10尾達成!」と電話連絡を残し帰国した。
Kさんの記録にあと2尾、残されたチャンスは正月第1週の金曜日一回だけ。今日と同じ状況なら、ひょっとして追いつけるかもしれない。このところ、餌釣りの合間にルアーを投げていたのがよくなかった。やはり、ルアーに集中して大物狙いの方が面白い。今夜の忘年会での自慢話ができた。