佐野元春『SOMEDAY』

音楽の話をひとつ。

最近またCMで使用されている佐野元春の『SOMEDAY』。「元春の曲を一曲」ってなったら、おそらくほとんどの人がこの曲を挙げるのではないかと思う。今回はこの曲についての私的な思い出を。リリースされたのは自分が６才の時。一番売れていたのもこの時期みたいだけど…当然リアルタイムには聞いておりません。そういやあの『セカチュー』の映画の中でこの曲が聞こえてきたような…。

初めて聴いたのは…たしか中学１年（１９８９年）の頃、大阪にいた親戚の従姉（４才上）が大の佐野元春ファンで…無理やり聴かされてから。当時は人に無理やり聴かされた音楽になんて見向きもしていなかったし、ほんの少しだけ流れていた新幹線のCMで「あっこの曲…」って思う程度でしかなかった。やっとこの人のCDを買って聴くことになったのは『約束の橋』がドラマの主題歌となり、スマッシュヒットしてから。

１０年以上前、大学生の時に岡山で一度だけこの人のライブを観たことがある。『FRUITS』というアルバムのツアー。アンコールのたしか一番最後でこの『SOMEDAY』が唄われた。この当時の元春は長年自分の持っていたバンドを解散させ「新しい出発。この曲から距離を置いてみたいんだ（例によってぼそぼそ）」的な発言をしていたから、この曲の登場には驚いたし、そして想像以上の感動が自分を襲い、従姉から初めて『SOMEDAY』を聴かされたあの日のことを思い出しながら聴いた。

―時代は流れて２００７年。小田和正の年末恒例の『クリスマスの約束』で元春がゲストとして登場…ここ数年のアルバムは聴いていなかったし、見るのも久しぶりだった。「それぞれの時代に”いつかきっと”て思う気持ちを…」、自分の気持ちにオーバーラップして、曲が始まる前のMCで自分は感動してしまった。
元春の喉の調子があまり良くないのか、”C”ではなく”B♭”で演奏される『SOMEDAY』。その”B♭”のせいなのか分からないけど、今まで聞いた『SOMEDAY』の中でも一番、メッセージが十分すぎるくらいに伝わってきた。

そしてその時また、中学１年の時のあの頃の自分とつながったような気がした…信じる心いつまでも。