世界遊戯博物館ブログ

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新宿ゲームスペース柏木で「天九の会」・その2

2010年01月30日 | 中国骨牌(天九牌)

前回の続きで、休憩後に始めた半荘戦の模様です。

この半荘戦が実に劇的な幕切れとなり、天九の持つ逆転劇の面白さを味わうこととなりました。

オーラス前の「南場の西」で勝利したワタシは、最後である「南場の南」の庄をもぎ取り、ノリに乗っていました。
この時点で1位のFさんと2位のワタシの差は20程で、一回勝って連庄すれば、必ず逆転できる位置にいました。

そして、南場の南を開始すると、ワタシの快進撃が始まり、連庄に継ぐ連庄で、3回目の庄を始める頃にはチップをうずたかく積み上げ、2位のFさんに逆転不可能と思わせるに充分な大差をつけて、偉そうに勝ち誇っていました。

南場の南・3本場に配られた手牌は、文牌の「至尊(ジイズン)」である「銅錘六(トンチュイリョウ)」の対子と、文武混合牌の「人七」、武牌の高ランク牌である「雑八」と、連庄勝ち点4倍で、さらに連庄を確信させる絶好の配牌でした。

そして、第一手で自身満々に文牌の「至尊」を出したところ、下家のFさんもNさんも勝てないと牌を裏返して出し、幸先よく「尊銭(ズンチェン・至尊を出して勝利したときに受け取るボーナス点)」を受け取り勝ち点を増やそうと思っていたら…

なんと!次順のYに「擒尊(チンズン・銅錘六の至尊を「高七脚の対子」で捕まえること)」されてしまいました。

そこでYに払った尊銭は連庄していたので4倍の8点!

そして、さらに打ち出し権を得たYが出したのが、なんと武牌の至尊!
ここでもYに尊銭を連庄の4倍=8点払うハメに…

さらに勢いに乗るYは最強の牌である「天」を出して続けてトリックを取ると、「梅花」の対子を出し「七支結(7トリック連続取ると2倍の勝ちが確定する)」を決めてしまいました。

七支結で勝ちが確定したら、後は「八支結」になるかどうかの消化試合を残り1枚の手牌で行います。
ここで勝つと、4倍の勝ち点が貰える八支結となるのですが…

なんと、Yの出した牌は「武牌」の中で2番目に弱い「雑五」!

これなら誰かが勝てると思いきや、誰も出せずに「墊牌(ディエンパイ・勝てない牌を出すとき、裏返して出すこと)」ばかり。
雑八と雑七を手に持っていたワタシも、途中で出してしまったので勝つことが出来ず、結局Yは八支結を確定させてしまいました。

1トリックも取ってなく敗れたワタシは、(0トリック)-(基準点4)-1(罰則点)=5点に、連庄の4倍、そしてさらに八支結の4倍が追加され、5×4×4=80点のマイナスを払うハメになってしまいました…

結果は、

1位 Y   +109(209点)
2位 Fさん +10(110点)
3位 ワタシ -46(54点)
4位 Nさん -73(27点)

となりました。
この局でワタシが失った得点は、2回の尊銭(しかも4倍)・16と負け点・80、合計96点という、最初の手持ち(100)と変わらない額を一気に吐き出してしまいました。
オーラスで、こんな大逆転が待ち受けているとは思わなかっただけに、失望感と虚脱感に一気に見舞われてしまいました。

最後の最期でも一発大逆転が可能で、勝負の行方が判らない「天九」は、改めて面白いゲームだなと実感しました。

※天九のルール詳細は、アジアゲーム読本-第1集 中国骨牌・天九牌/韓国花札・花闘-に掲載されています。


新宿ゲームスペース柏木で「天九の会」・その1

2010年01月29日 | 中国骨牌(天九牌)

ボードゲーム・「トラッカーズ」と、カードゲーム・「バスストップ」の作者であるFさんが、天九を遊ぼうという会を企画したので、会場の新宿・ゲームスペース柏木で、天九を堪能してきました。

今回はこじんまりと遊ぼうということで、4人で天九のみを遊びました。

シンガポールの骨董屋で買ったというFさんの天九牌は、とても素晴らしい逸品でした。
手牌を縦に8枚立てて使うので、立ちやすい厚めの造りになっており、牌をかき混ぜやすくするために、牌面が滑りやすくなっていて、とても使い易かったです。

参加者はFさんの他、何度か一緒に天九を楽しんだことのあるNさん、Y、ワタシの4人です。
ルールは、東・南・西・北の全荘戦で、庄(親)が勝った場合はその場風のまま連庄しするというものです。

各自300点を持ち、早速競技開始です!

皆、天九に慣れており、Nさんは澳門で牌九(パイガウ)の経験もあるので、牌の強さはバッチリ把握しており、スムーズに場が進行していきました。

東・南・西・北の全庄の1局は、大体2時間15~20分ほどでした。

結果は、
1位・Fさん +41点(341点)
2位・ワタシ +11点(311点)
3位・Y   -38点(262点)
4位・Nさん -44点(256点)

となりました。各自の点数を差し引きして合計が合いませんが、まあそうなってしまったので、そのままという感じです。

しばらく休憩と雑談を挟み、今度は手持ちを100にして半荘戦の開始したのですが、ここでは天九の連庄ルールが持つ、何とも恐ろしく劇的な展開が待ち受けていたのです…(続く)