まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

タイル旅金門島 民居探訪(10)

2020-07-30 23:39:13 | 建物・まちなみ
2019年9月の台湾金門島の続き。



道が突き当たったT字路の両脇に割と大きな集落が広がっている。ここは昨日の夕方水頭へ行く途中にもちょろっと
立ち寄ったのだったが、今日端から順に見ていってもやっぱりタイルはないなぁ。でも素敵な民居はたくさんある。


建物の隙間を縫っていくと、きれいなレリーフのある民居の前に犬がいた。あっ、あんた昨日も会ったね!
覚えているのかどうなのか、私を見て嬉しそうに笑っている。
そっと近寄り手を差し出すと、、、お手をくれた。あら、いい子ちゃんね!


ここのレリーフは左右とも完璧に美しかった。これは磚を彫ったものか、泥塑と呼ばれるものか、交趾焼なのか、、、
よく分からなかったが、、、淡い色合いが優美。


金門島によく見られる模様で、龍や雲が見えるほか、中央は鼎をかたどっているのだろうか。
額縁の四隅には蝙蝠が配されている。いろんな意味が込められていそうだ。


他にも、タイルではないが美しい装飾のある民居がたくさんあった。壁に直接描かれているものが多いが
剥がれたり欠けたりせず美しく保っているのは住んでいる人のお手入れの賜物。


マジョリカタイルが入ってくる以前はこういうのが伝統的な装飾だったので、ここの集落に住む人々はある意味
保守的だったのだろう。新しい流行にとらわれず先祖伝来のやり方を貫いてきたわけだ。

広い集落の端から端までうろつき回ったが、結局タイルは見つからなかった。

ちょっと農道みたいなのどかな道を走っていくと丘の中腹にひっそりとした集落があった。現代の家が目立つが
奥に少し伝統民居も残っているようだ。ゆるゆると入って行き、一番奥の外れまで行くと、一軒の家があった。
前庭をそっけない鉄板で覆ってガレージ兼物置のようにしてあるが一応伝統民居だ。


近寄って行き陰になったファサードを見ると、、、うわっ、やっぱりあったよ!


しかも、これは珍しい!興奮を抑えつつ、前にいたおばちゃんにちょっと写真を撮らせてほしいと頼むと、
不思議そうな顔をしながら、写真?はいはいどうぞ、と。ありがとう〜


おぉ、これは、金城で見た民居にあったものと同じ、ハイジ風のタイル。まわりのタイルも見たことがないかも。
独特の雰囲気をもつこれらのタイルは、アールヌーボーというか、、ユーゲントシュティールなのか??
これは日本製なのだろうか。。







トタンの前室を抜けて反対側から見ると、立派な閩南式の民居であることがよく分かる。


窓上のまつげと眉毛のタイル(笑)

いやー、外から見るとほとんど見えない、ガレージの中の玄関にこんなすばらしいタイルがあったとは・・・
あぁ我ながらよく見つけたものだ。。

観光地へも立ち寄る。こちらは燕南書院。金門島で最初に設立された書院=私立学校であった。


各界で活躍した多くの「先賢」を輩出した、らしいことが書かれたパネルが展示してある。


あぁ、いい眺め。


続く

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