まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

鎌先温泉 最上屋と湯主一條

2018-07-10 00:38:44 | 温泉・お風呂屋
白石からの続き。

白石から車で20分ほど走ったところに鎌先温泉はあった。数軒の旅館が狭い範囲に固まっている。


ひときわ目を惹く和風建築の最上屋旅館は戦前の建物。日本秘湯を守る会の会員宿でもあり、泉質は折り紙つき。
立ち寄り湯を受け入れていない宿もある中、ここは500円で気軽に入れるのも嬉しい。


開け放たれた玄関から立派な階段が見える。


おぉ、いいねぇ!!


お風呂は左奥へ続く廊下を進み、階段を上って下りて行った先の、別棟だった。ガラリと戸を開けると、誰もいない。
脱衣所は旅館らしく快適に改修されているが、木材を多用して素朴で雰囲気のある空間は好感度高し。


浴場は、、、おお、淡い色の長方形モザイクタイルが壁にびっしりと!
お湯はまろやかでちょうどいい温度。窓を細く開けて外気を入れればいつまででも入っていられる気持ちいい温泉だった。
せっかくなのでのんびり、1時間ほどゆっくりさせてもらった。
しかし、その間ずっと私だけ。。。ちょうどチェックイン前の時間帯だったからだろうか。。。




最上屋を出て、さっき渡り廊下から見えた石段の方へ行ってみる。「この先私有地」。この先にも旅館があるのか。
こんな奥まったところにあるのはどんな旅館なのか、気になって路地を入って行くと、、、


うわーーーっ!?なんだこれは、すごいぞ!!建物の陰からいきなり現れた、木造4階建ての大建築。
タダモノではなさそう。


上り坂に面して建てられたこの建物は坂の下では4階建て、坂の上の方は石積み基礎の上に3階の建物が載った形。
そういえば立ち寄り湯を調べていた時にちらっと写真を見たな。確かここは立ち寄りでは入れなかったんだ。


近寄ってみると登録有形文化財のプレートが。これはちょっと、見せてもらえるか聞いてみよう。


坂を上った上に玄関があった。その向かいにある新しい建物がメインのようだ。
フロントへ行ってお姉ちゃんにあの建物の中を見学させてもらえないかと聞いてみたが、上司に確認後、
うちは立ち寄りもやってないんでちょっと難しいです、とやんわり断られた。宿泊者のホスピタリティを重視するなら
そりゃそうだわなぁ。泊まれば見せてもらえるのかなぁ。外観の写真はいいか聞いたら快諾して頂けた。


「時音の宿 湯主一條」というのが宿の名前で、公式サイトによると、1428年開湯、創業約600年の老舗旅館。
現在の社長は20代目とか!!へぇ~~


木造4階建ての建物が元の一條旅館の「本館」で、1941(昭和16)年に完成。一條家所有の山から切り出した
100年生の杉を使用し、統制の時代で金物の入手が困難だったため継手や仕口も木を組んで作られているとか。
ガラスに顔をつけて覗くと、古い階段もそのまま残っていた。


湯治客向けの客室として使用していたが、湯治客が減ったため、建物そのままに「個室料亭 匠庵」として
リニューアルオープン。「別館」もリニューアルされ、スイートルームなど8種類の客室をもつ高級旅館となっている。
奥には美しいお庭が広がっているようだ。
公式サイト


しかしまるで鳥かごのようなこの繊細な建物が、よくぞ今まで地震や台風なんかにも耐えて来たものだなぁ!!
しかも現役で使われているというのが素晴らしい。客室には使えなくても食事処にするというのはナイスアイデア!


2016年に、本館の上手に接続する湯向棟、蔵と共に登録有形文化財となった。これから先また50年、100年と
使い続けてほしいなぁ~

調べてみるとべらぼうに高くはなさそう。機会があれば泊まってこちらの本館もじっくり見せてもらいたいな。
路地を入って来なければこの建物に気づかず帰ってしまうところだった。あぁ、見つけてよかった!


このあと、旧小原郵便局を見に車で20分ほど走る。こちらも温泉地で、谷あいの旅館街へ下っていく途中に
木造下見板張りの建物が、崖を背にして建っていた。


こじんまりかわいい洋館。


川石を積んだ石垣も素敵だなぁ~

ここの温泉地もレトロそうなのでうろついてみたかったがもう時間がない。ここから仙台まで戻るのに十分
余裕をみておかねば・・・

続く。

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