まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

旧塩釜公民館 (仙台の旅)

2013-11-05 23:44:38 | 建物・まちなみ
亀井邸のおっちゃん曰く、塩釜でも3m程度の津波が押し寄せたのだとか。松島や塩釜では前に島がある
など地形のおかげで波の力が弱まり、被害は他の町からすると比較的少なかったのだそうだ。
それでも塩釜で60人ほどの方が亡くなられたといい、宮町のあたりを歩くと更地が目立つ。
しかし古い商店や建物もちょこちょこ残っている。
大山米穀店。


太田屋味噌醤油醸造所。


石積みが目につく。石積みだからこそ先の津波にも耐え残ったのだろうか。
この石は大谷石のような柔らかい凝灰岩であるが、緑色はしていない。


浦霞醸造元 (株)佐浦。


モダンな意匠をもつこの建物は、空き家??


さて、塩釜に来た目当ては旧塩釜公民館であった。
亀井邸で思わぬ寄り道となり、そのあとやっぱり塩釜神社も行っとこうと思って石段の続きを上ったら、
思いのほか上まで続いていて、小走りで本殿まで行きお参りしてから表参道の202段の石段を駆け下り、
ゼイハー言いながらようやくここにたどり着いたのである。


おお~~っ!すごい。この放物線を描いた斬新なフォルムは!



・・・しかし時間がほとんどない。実はこのあと秋保温泉に行こうと思っているのだ(苦笑)。
大急ぎで周囲を見て回ろう。

こちらが正面。帰ってから見つけた毎日新聞の記事によると、1950(昭和25)年築、
1Fは鉄筋コンクリート造、2Fは木造だとか。


そして特徴的なドーム屋根の大講堂は1957(昭和32)年の増築という。


本館の外壁の下半分やこの写真の中庭に面した柱などに使われているのが「塩釜石」らしい。
これはさっき見たまちなかの醸造所や蔵などにも使われていた石と同じものであろう。


玄関が開いている。ちょっと覗きに行くと人がおり、「中を見せてもらっていいですか?」と聞くと
どうぞと。うわぁ、ラッキー!・・・しかし時間が・・・




でもこの機会を逃すのも惜しい。講堂へ続く通路を一目散。


・・・うおおおぉ!!


なんという迫力!両側から斜めにせりあがった柱がそのまま頭上で優美な放物アーチを描く。


これぞ構造美の極み!!

あぁもうここで沈没してしまおうか・・・そんな思いもよぎったが、もう片付けて閉めるような
雰囲気だったので、大急ぎで写真を撮りお礼を言って、本塩釜駅へ向かって猛ダッシュ!

ちなみに、この建物はこれまで市公民館本町分室として使われていたが、市の文化財に指定され、
今後美術館を併設して活用を図るため、12月から来年3月末まで改修に入る予定らしい。
今の姿を見ておくことができてよかった!!

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