まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

亀井邸 (仙台の旅)

2013-11-04 23:12:49 | 建物・まちなみ
本塩釜駅で下車し、ちょろっとまちを歩く。
塩釜神社という大きな神社の鳥居と石畳の参道があったので、ちょっくらお参りしておこうかと
上っていったのが幸いした。上ったのは裏参道だったとあとから知ったが、その中ほどに
「大正ロマン感じる 亀井邸」との案内看板があり、入ってみた。すると、これが素晴らしい!


うおっ!!玄関にはモザイクタイルが!




上がり框には瓢箪と星型の象嵌。


天井は折上げ格天井と。これはいったい何者の家!?


これは、塩釜の総合商社で石油販売などを手がけた亀井商店の創業者である亀井文平が大正13年に
建てた住宅だそうだ。亀井商店は現在東証一部上場企業のカメイ株式会社の前身である。
塩釜発祥の大企業の隆盛を今に伝える建物だ。→詳しくはこちら
1Fにはジオラマが置いてあり、おっちゃんが詳しく説明してくれた。
石釜は明治20年に鉄道が開通したが、これはずいぶん早い時期である。それは、鉄道敷設の資材である
枕木やレールを石釜港から荷揚げしたからなのだとか。ここを起点として、東北の鉄道網が順次整備されて
いったということだ。

ジオラマで内港や運河となっている場所はすでに埋め立てられ、ずいぶん地形が変わってしまったが、
元運河であったという道路に面して軒を並べている古い建築群が、面影を伝える。

和館の母屋に洋室が付属した「和洋併置式住宅」。
しかし和館の方にも、玄関のタイルをはじめとしていろんな洋風のエッセンスがちりばめられている。




こちらが洋館部分。塩釜神社のある高台の中腹に建つので見晴らし抜群。港が一望できただろう。


洋館もまた、和風の意匠が織り交ぜられている。組子の雪見障子とか、上下窓の細部にはこのような装飾。
桐の「押込箪笥」が仕込まれた押入れもあった。


2階は立派な続き間の座敷がある。上質な材料が使われていて状態もとてもいい。


欄間や書院の格子など繊細な意匠も素晴らしい。ふすまの引き手もこんなこうもり型。




洋館の屋根をちゃんと片流れにしてあるところなどは実際的。



いや~、こんなすごい建物があったとは。チェックしてなかったがたまたま見つけてよかった!

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« カネボウ運河跡と鴫野湯 | トップ | 旧塩釜公民館 (仙台の旅) »

コメントを投稿

建物・まちなみ」カテゴリの最新記事