まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

お正月に御所を歩く。

2020-03-17 22:50:05 | 建物・まちなみ
今年のお正月のこと(今ごろ・・・)、実家の家族との恒例の散歩は御所(ごせ)のまちを歩くことに。
さすがに家から歩くのは遠いので車で御所駅の近くまで行く。


御所のまちは、商業が中心の西御所と、寺内町の東御所とのふたつのまちが川を挟んでつながった形。
昔歩いたときはごく断片的にしか見ていなかったが、まちなみはあんまり変わっていない印象だな。


御所まちの代表的な近代建築、旧石川歯科医院は変わらず。ほっ。




環濠集落の名残の環濠。16世紀半ば頃にまちが成立し、関ヶ原の合戦後に集落内の道路や背割り下水が整備
されたが、現在もほぼそのままの姿で残っている。


江戸時代の商都として栄えた御所のまち。立派な町家が並ぶ。


道路がクランクになった場所は高札場があったところ。江戸時代には幕府の重要な法令などを掲示することが
義務付けられ、木の板に文字を書いた高札が掲示された。これは2008(平成20)年に復元された高札場。




衝波除は沖縄などにある石敢當と同じような意味をもつもの。


おっ、素敵なたばこ屋タイルがあったな!前にも見た記憶が・・・


この不整形のショーケースがおしゃれだね!かわいいふっくらタイルの市松貼りに、赤系のマーブルタイルで縁取り。


タバコ屋のショーケースのタイルはかわいいモザイクタイル貼りが多いが、遠くからでも目立つように
派手なタイルにするというのは納得できるな!


こちらの油長酒造では、葛城山の伏流水を使って風の森というお酒を造っている。
立派な杉玉は毎年作り変えているのだろう、まだ青みを残していた。


ひときわ古い本瓦葺の町家。妻入りは御所のまちで唯一なのだとか。


まちなかに現れたかわいい近代建築、旧御所郵便局。寄棟造の屋根や蔵造りに隅石風の装飾など、一見して
明治建築っぽい印象。ただし外壁は改修されているので貼り石は新しく、元がどうだったのかは不明。


入口ひさしのピナクルには郵便マークが。


数人+1匹で歩いていると、中井家住宅のご主人が声をかけて下さり、登録有形文化財の町家に招き入れて下さった。
入口を入ると広い土間のスペースがありそこに面して店の間がつく。近世町家なので特に凝った意匠はない。
中井家は江戸時代に町庄屋を務めた家で、役所にも保存されていない貴重な公文書を大量に保管されている。
それらの一部を見せていただき、途中からは郷土史研究家のお父様も出てこられて。御所のまちについての
詳しいお話を興味深く聞いた。


さっきの高札場にあったのはレプリカだったが、本物がこれなんだとか!明治になって高札場が廃止されたときに
後生大事にとっておいたらしい。長年風雨にさらされた高札は、墨書きの文字の部分を残して痩せていた。


中井家で長居したあとさらに東へ歩き、東御所を抜けて吉祥草寺まで行ってから、引き返す。






道端の車除けに青石、赤石が並んでいる。これも吉野川の緑泥片岩と紅簾石片岩だな。


うだつ。


鬼に馬乗りになってどつく金太郎!?
御所のまちの瓦は、市内の柏原という場所で焼かれたものだという。


レトロな看板が目を惹くモリソン万年筆カフェ&バー。
モリソン万年筆は、昭和中期に関西で2割のシェアがあった国産万年筆のブランドで、ここが本店だったようだ。
万年筆は1970年に生産終了。カフェでも利用できるということで入りたかったが・・・犬連れだし今回はパス。
大きな町家の内部もとても気になる・・・


これも環濠。


元お風呂屋の建物。もう長らくこのままのようだ。隣の建物と腰張りタイルが同じっぽいので、同じ家なのかな?


ぐるっと回って戻ってきた。レトロなタイルもちょこちょこあったし、楽しいお正月のまち歩きだったな!


この2週間後に、友人たちと下市のつるべすし弥助でランチ&まち歩きをしたときに、下市のまちから
ここ御所を再訪、そして大和高田とハシゴしたのだった。いずれも駅から近いのでこのはしごコースはおすすめ!

完。

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