まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

萩の渡船と運河

2010-07-03 03:43:35 | 川・橋・船
益田から萩へやってきた。

萩の町は橋本川と松本川に挟まれた河口の三角州で、もともと湿地だったところ。
鉄道は両川の外側をぐるりと大回りするように走っている。
散策は東萩駅からスタートするのがいいようだ。古い駅舎で有名な萩駅は中心部からかなり
離れている。
駅前のレンタサイクルを借りて出発!!どこから見るか迷うが、やっぱり端から攻めよう。
萩橋を渡って松本川沿いに行く。あぁ気持ちいいなぁ~

気になっていたのは、マップに小さく書かれた「渡船場」の文字。果たして、素朴な石積みの
河岸へゆっくりゆっくり近づいてくるのは、屋根もエンジンもない、小さな小さな木造の平舟。
ええっ、まさかこれ!?


夫婦連れの先客が、櫓を操るおっちゃんに「自転車も乗せられる?」と聞いている。
うんうん、ったって、、、人間だけでも数人乗ればいっぱいなのに。ほんとに乗せれるの!?
夫婦のご主人も好きみたいで、あっちに橋があるからぐるっと回れるよ、と教えてくれ、
3人分の自転車を小さな舟に載せてくれた。
ギーっ、ギーっ、とゆっくり岸を離れる舟。対岸までは50mくらいだろうか。


夫婦のご主人がおっちゃんにいろいろと話しかけているのに私も便乗する。
昔はこの辺りに何ヶ所か渡しがあったがなくなったらしい。今は裏側に漁港ができているが
昔はこちらがメインの港であり、船が奥まで入って来ていたとか。時化の時はこっちの河口は
荒れるから裏側から運河を通って港へ入ったと。そのため運河に唯一あった橋は回転橋だったという。
回転橋!まさに天橋立の小天橋みたいな感じだったろうな!ちょっと前にかけ替えられて
しまったそうで、残念~


渡り終えて対岸の真新しいコンクリート護岸に上陸。ご夫婦が行ってしまった後もおっちゃんと
しばらく話をした。
どこから来たの?大阪です。大阪にも渡し船があるんだけど皆エンジンの船なんですよ。
手漕ぎってすごいですね!
あぁ地元の人用なのは日本でここだけだって。他にあるのはみな観光用だってな。
おっちゃんちょっと誇らしげに微笑んだ。
石積みの河岸もいいですねぇ。昔は運河も全部あんな石積みだったよ、皆コンクリに変わったけどね。
そうなんですか、あそこだけ残ったんですねぇ。ところでさっきの話の運河ってどれですか。
地図を広げる。・・・この辺りやね。姥倉(うばくら)運河いうてな、もとは地続きだったんだが、
毛利が来て運河を掘って島になったんよ。へぇ~!150年前の話もつい去年のことのようだ。
少しの間でいろんなことを教えてもらった。人とは会話するもんである。ありがとう~

そしてその姥倉運河を見に静かな集落の中をチャリで走る。通りがかりの人が挨拶してくれる。やさしいなぁ。

うわぁ~!
なんて趣ある運河なんだろう。手掘り感がありありと感じられる!
渡し船でこちらに渡って来てよかったぁ~


一番奥まで行くと広々とした漁港に出た。こちらは直接海につながっているのだ。


先代が旋回橋だったという平和橋は、今ではごく普通の特徴のない橋にすぎない。
歴史的遺産である回転橋、残しておけばしろうお漁と並ぶ観光資源となったのに。あぁもったいない。

煙突は中村酒造。


橋を渡ってぐるっと回り、さっきの渡船乗り場の横を通ってさらに先へ進むと、港があった。
ここから見島、相島、大島、という島へ渡る萩海運のフェリーが出ているようだ。
へぇ~萩から船が出ているとは知らなかった。
あぁこんなローカルな港から、ふと思い立って船に乗ってみたいな。。。


そしてこんなきれいな浜も!!


その向かいの水産物加工工場では、しらすを一面に干していた。

私のイメージには全くなかったが、これも萩の風景だ。

続く

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