2008年5月第3週の平日に群馬県の鼻曲山に登りました。
奇妙な名前のこの山は、ほんとに鼻がふにっと曲がったような山容の低山です。
群馬の山を登り始めた頃からずっと気になっていて、秋に行くか冬に行くか考えている間に月日は流れ…
ていうかいつも後回しにしてました。
山中は新緑の時期にはまだ早いかと あまり葉っぱに期待をかけていなかったんですが、隣にそびえる浅間山に雪が残っている間にその姿を眺めておきたくて、展望目当てで今回決行することにしました。
鼻曲山 コースデータ
鼻曲山 標高断面図
鼻曲山登山口の地図情報 鼻曲山コース概念図
霧積温泉きりづみ館前の
広い駐車場に車を停めました。
長い運転の疲れを癒すためにもストレッチ体操。小鳥のさえずりと朝陽の中で気持ちいいんですよね~
7:00 きりづみ館前 登山口 さぁ出発…と思って鼻曲山の登山口をキョロキョロ探します。どこだ~?
少し離れた所に『鼻曲山→』の分岐標を見つけたけど、入口にはそれと書いてません。
確か「川田順の詩碑の左から入る」とガイド本に書いてあったのを思い出して、金湯館を示す看板の方向へ進んでみました。
しばらくは渓谷の音を聞きながら朝露に輝く道を進んで行きます。
この先渓谷を渡る橋に出るまで、道沿いにはずっとこのお花が咲いていました。
新緑がすごいです。も~とにかくきれい!まだ虫にかじられていない若々しい明るい緑の葉っぱ。
うれしくてうれしくて顔がにやけて仕方ありません
前々回に登った群馬の吾妻耶山の時とはえらい違いだ~
5月中旬の山の中って、もうこんなに新緑の盛りでしたっけ?
この地域は雪も積もるし浅間山も近いから、もう少し遅いのかと思ってました。
やがて林道に出ます。『山と高原地図』では小さくて細かい道が表現しきれていない為、
ここでどっちに進んでよいのか迷います。
『金湯館へ→』の看板頼りに左に曲がって数m進むと、木に隠れて見えなかった鼻曲山方面を示す分岐看板がありました。
ここからはずっと樹林帯です。
足元がザレて今でも崩壊を続けていそうなV字の谷状の道を進みます。
いつかこの道、崩壊が進んで木々が倒れこんで来るかもしれないなぁ
所々でツツジがきれいに咲いています。
Y字路になった分岐が現れました。どちらも人に踏まれた様子の為、地図と方位磁石を見てからこっち、と決めて進んでがっくり。合流してました。
そんな風にこの山では数々の分岐があります。
でもどっちへ進んでも必ず一本に合流します。
ところでさっきからずーっと、紫色のスミレの花と黄色いお花が登山道脇に咲き乱れてます。かわいいです~
黄色いお花は小さくて、親指の爪ほどの大きさ。何ていう名前なんだろう、もしかしてキンポウゲの仲間かな?
(帰って調べてみたらヘビイチゴのお花だそうです。うーん。名前が…)
※鼻曲山は8月にはレンゲショウマが開花することで有名な所だそうです。
あの透明感のある紫の花がたくさん見られるんですね~
新緑のトンネルが本当に眩しい。
上を見上げてばかりで
足が先に進みません
足元のなんでもない葉っぱさえも
元気いっぱい輝いて見えます。
ツツジの花は標高の低い辺りにたくさん咲いてました。
まだ地面に花ガラが落ちたりしていないので、ちょうど咲き誇った満開の時に遭遇したようです。
十六曲峠/鼻曲山 分岐
山腹が崩壊して登山道になだれ込み、足元からそのまま斜面に崩れ落ちている危険箇所が2つほどありました。
いずれも真新しい様子なので、崩壊は未だ続いているみたいです。少し緊張して横切ります。
大雨の後などはちょっと要注意ですね。
霧積覗き 霧積温泉が見下ろせる場所。
ここも崩落していて少し危険だけど、唯一コース中で見晴のいい場所です。妙義山がカッコいいな~今でも崩壊し続けているような痩せ尾根(←写真)を通り、しばらく進むと道は急に下り始めました。
随分深く下降していきます。
山頂はまだずっと向こうに大きくそびえているのに、ここでこんなに下ってしまうんだね
山で登り返しくらいよくあること。
でも今日のプカプカにそれはちょっときついんです。実はさっきからずっと靴擦れを起こしていて、
足が痛くてたまらないのでした。
今年に入って雪のない登山道を登る時はいつもこんな調子なんですが、今日は今までで一番症状がひどいです。
かかととアキレス腱の間にある骨のちょっと出っ張った部分が靴に擦れ、真っ赤になって水ぶくれになってしまいます。
いつもテーピングしてるおかげで皮が破れることはないんですが、靴擦れ防止パッドを当てたり厚手の靴下を履いてても毎回この始末。
傾斜のきつい道の時は特にひどいです。
どんなに靴紐の縛り加減を変えても全くダメでした。
登山靴は去年の春からいつも履いてるんですけどね~
そんなわけで実はいつも楽しそうにしているようでかなり苦しい思いをしてます。
靴擦れが痛いせいで余計な筋肉を使ってカバーしようとしたりするので、疲れも激しくなっちゃいます。
ずんずん下って行くとまた緩やかな道に出ました。
平地を歩いている間は靴擦れが痛くならないのでとっても楽。
余裕の面持ちで葉っぱを眺められます。
広がりのある樹林帯の尾根に出ました。この辺から急坂(天狗坂)がじわじわ始まります。
イテテテテ
おかげでいつも以上にゆっくりになってしまい、
やけに山頂が遠く感じます…
←ここを上まで登るんですよ。
でも道はつづら折になってるのでなんとかなります
谷状に崩れた急なザレ場(下写真左)は足元がザラっと滑りやすいけど、プラスチック製のロープが垂れてます。
その他厳しい所では根っこを頼りに、ありがたく掴まらせていただきます。
足さえ痛くなかったら…と思いながら苦戦。
写真ではこの急坂加減がうまく表現できません
10:50 鼻曲峠
(道標あるが峠の名称は表示なし)
ようやくここまで来ると、
鼻曲山頂部のポッコリお鼻が樹林越しに近づいて来ました。
ここからまだ登ります。
笹原の緩やかな斜面に見えるんですけど、
足が痛いとこれだけでも結構こたえます。
いよいよ鼻が間近に…
あぁでも遠い…
足痛いよ~
痛みと喜びが入り混じった調子で、
どうにかこうにか山頂部に出ました~
11:10
鼻曲山 山頂
(大天狗)
鼻曲の山頂は二峰あって、ひとつが三角点のある大天狗、もうひとつは展望に優れた小天狗です。
大天狗の展望
霧積温泉コースから登って来ると山頂部尾根でT字路に突き当たります。
右手すぐが大天狗。小天狗はT字路を左へ歩いて行った先のピークです。
現場には小天狗を示すものは何もなくって、地形図ではかなりこの辺の道が不明瞭なのでしばらく迷いました。
山頂看板にどなたかの手書きで「←見晴らし360度(小天狗)まで5分です」と書いてあったおかげで、目指し歩いていくと…11:18 小天狗【休憩:2時間】
わ~っっ 浅間山がドーンとすごい
小天狗の眺めは確かに360度なんですが、
所々木が生えているので実際はそれに遮られて見えない部分もあります。
浅間山(右手に続くは篭ノ登山・湯の丸山の辺り)
浅間山から左 手前は留夫山 後方右からに南ア/八ヶ岳/奥秩父山塊/妙義山など
浅間山から右 手前は浅間隠山 後方は草津白根山域/右に谷川連峰
展望はまだ続きますがここらでちょっと山頂ランチタイム。つづきは後編で…