さいこの部屋

音楽とNYが大好きな私の部屋です。あまり無理せず、日々の出来事や感じたことを。

京都市交響楽団 第566回定期演奏会

2013-03-30 19:53:36 | 演奏会・観劇覚書

日曜日も朝から用事をハシゴして演奏会。
レッスンと時間がかぶっているので行くかどうか少し迷ったのですが、演目を見て行くことに。
二日連続の演奏会。会場着くころには若干疲れ気味…

【京都市交響楽団 第566回定期演奏会】
2013年03月24日(日) 14:30~@京都コンサートホール 大ホール
ハチャトゥリアン:組曲「仮面舞踏会」
コルンゴルド:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 op.35
プロコフィエフ:交響曲第7番嬰ハ短調 op.131
独奏:クララ=ジュミ・カン(Vn)
指揮:広上淳一

ハチャトゥリアンの「仮面舞踏会」が入っていたので行ったのですが、その「仮面舞踏会」はとても良かったです
バンクーバー五輪のあった2009-2010シーズンに浅田真央ちゃんがSPに使用していたこともあって、一気に知名度が上がった曲ですが、私もこの「ワルツ」が聞きたくて行ったようなものです。
広上さんが、指揮台の上で本当に踊っていらっしゃるようでした。
変な言い方ですがワルツ~という感じがすごく出ていて、本当に良かったです。
ワルツ以外の4曲もとてもいい音だったと思います。
この曲、ホントにいい曲ですね。

お次はVnコン。
ソリスト、大きいですね~。広上さんが余計に小さく見えます。
演奏ですが、うーーん…正直、ちょっとソリストの音色が好みではなかったです
技術的には素晴らしいのですが、ちょっと音が滑っているような感じがして、もう少し骨のある音の方が好きなので。
全体的にももうちょっと勢いみたいなものが足りなかったかな。
アンコールは2曲。
バッハの無伴奏パルティータ第2番サラバンドとパガニーニの24のカプリスより17番。
元々アンコール不要派なのですが、Vnコンが自分的にはもう一歩だったので、2曲は多かったです…。
このアンコールも、音色が好みではなく…。
どちらの曲も、もう少ししっかりした音が合っているかなと(完全に好みの問題)。
多分故意に表面を滑らせるようなボウイングをされていたのだと思いますが…。
自分自身が今ボウイングを徹底的に直されている最中だから余計に気になったのかも。
まあ、イマイチだったコンチェルトの後のアンコールにいつも思うのですが、「いやその時間あったらもうちょっとコンチェルト自体の出来をあげてほしかった」という思いが今回も…

ラストのプロコ。
元々プロコがちょっと苦手で休憩時間からテンション低めだったのですが、この曲初めて聞きましたが意外にも(?)いい曲でした。
オープニングがとても印象的
1stVnがとてもいい音を出していました。
Vnコンを取り戻すかのように、いい音。
ラストが2種類あるそうですが、この明るい終わり方、好きです。

さて、2012年度の京響定期はこの日が最後でしたが、この演奏会で、ヴィオラの北村さんが定年退職されるということで、退団式が行われました。
何となく広上さんと北村さんの会話がかみ合ってない感が可笑しかったです
北村さんとは個人的にも仲良くさせていただいていますが、これで京響からいらっしゃらなくなるのだなあと思うととても寂しい気持ちに。
退団式で広上さんがお話しされていましたが、北村さんは写真家としてもとてもよい写真を撮っておられるのですが、
「4月からは学校に通って写真を本格的に勉強します」とメールをいただきました。
第2の人生、頑張ってください

というわけで、その後のレセプションはブッチしてレッスンへ走ったのでした…。


Passion Chor第1回コンサート「ヨハネ受難曲」

2013-03-27 23:34:14 | 演奏会・観劇覚書

土曜日は大変に忙しい一日でした
朝から用事をいろいろハシゴして片付けて、午後から演奏会。

【Passion Chor Das Erste Konzert】
2013年03月23日(土) 13:30~@日本福音ルーテル大阪教会
J.S.バッハ:ヨハネ受難曲 BWV245
独唱:ガハプカ奈美(Sop)、、福永圭子(Alt)、畑儀文(Evangelist&Ten)、
    小玉晃(Jesus)、篠部信宏(Bass&Pilatus)
合唱:Passion Chor
管弦楽:ザクセン室内オーケストラ
指揮:畑儀文

朝の用事が押して、さらに谷町四丁目の駅で降りてから教会の場所がイマイチわからず、で開演3分前に到着。あせった
でも現地に先に行っていた友人Kちゃんが席を取っておいてくれたため、なかなか良い席で聴かせていただくことができました。感謝。
着物でしたが、開演直前に飛び込んだのもあってちょっと目立ってしまったかも…
席に着くとき、すでにサイドにスタンバってらした畑さんと目が合い、お互い黙礼(笑)。

でもやっぱり教会で受難曲を聞くというのはいいですね

さて演奏ですが。
畑さんは指揮・エヴァンゲリスト・テナーソロと八面六臂の活躍ぶり
やっぱ超人ですわ、この人。
ただ、第一部からして、普段ならブレスを取らないようなところで取ってらしたので「あれ?」とは思っていたのですが、20番のアリアがかなり苦しそうでした
何か所かオクターブ下げて歌われたので、思わず祈るような気持ちでドキドキしてしまいました。
しかしその後は素晴らしいエヴァンゲリストぶり。さすがです。
圭子先生のアリアも素晴らしかったです。青のドレスもとっても素敵
この日の先生のアリアは、胸にしみいるような、訴えかけてくるような、いつもに増して説得力のある歌声でした。
そして篠部さん。この日の篠部さんはサイコ―でした
「そう、そうそう。やっぱ受難曲のアリアってこうじゃなくちゃね~(←上から目線ですみません…)」とツボに入りまくりでした。
聴いていて本当に気持ちよかったです。
小玉さんのイエス、よかったです。ただもうちょっと太目で低い声の方がイエスとして個人的に好みです。

オケは、コンバスの関さんの音は安定していて安心して聞けました。
ファゴットもうまかった

合唱や他のソリスト、他のオケの方については一切コメントしません。
※元々は、いろいろ書いていましたが、すべて削除しました。
一観客として冷静に、良かったところ・悪かったところ(次の演奏会で改善されたらもっと素晴らしくなるだろうというところ)を、自分自身の覚書として書いたつもりでしたが。
コメント上(荒らし対策のため承認制にしているので公開していませんが)いくつか寄せられた意見がだんだん酷くなり、執拗な削除要求と搦め手からの手段でとうとう福永両先生にもご迷惑がかかってしまったので、良かったところも含め、一切削除しました。
(先生方、申し訳ありません。また私の考えや思想についてもご理解いただいたこと大変ありがたく思っております。)

個人的には、自分が演奏者の立場のとき、お客様の意見というのは千差万別であるのが当たり前で、批判も含めていただけると大変ありがたく嬉しいものなのですが・・・(自分たちの糧となっていくものなので)。
どうやら意図が伝わらなかったようです。書き方が未熟だったのでしょう。考え方の違いもあると思います。
ただ、一観客という立場だけではなく、演奏者としての立場を考えると、両先生にご迷惑をおかけすることは私の本意ではありません。
長くこのブログをご覧くださっている皆様であれば私が元々書いていたことや、やむなく削除するに至った経緯を察していただけることかと思います。
大変遺憾です。

終演後、ソリストお三方にご挨拶。
圭子先生はとっても寒かったらしいです…
ノースリーブのドレスに加え、待っていた場所が隙間風の入るところで鳥肌ものだったそうです。
畑さんはやっぱりちょっと調子が悪いらしく。
「風邪ひいて大変やねん…」と。お薬たくさん飲んでらっしゃるようです。お大事に。

帰り道にKちゃんと話していましたが、何度も福永先生の幻聴が聞こえました…。
「低ーーーーい!」とか「遅ーーーーい!」とか、自分たちのレッスンを思い出しました
と同時に、自分がとても恵まれた環境で歌っているのだなあということを痛感しました。
二人で、「練習せな…」と言いながら帰りました。
自分の演奏会もあと1か月を切っています。まだまだ頑張ります。


生きてます(笑)

2013-03-23 01:48:48 | 日々のつれづれ

かなり間が空いてしまいました。
もう仕事がね…本当にもう。
腹の立つ出来事も重なり、「辞めてやるわ、く○ったれ!」と何度か口から出かかりましたが(笑)。
何とか続いてます

仕事で英語漬けというか英語浸りなので、通勤途中とお昼休みには読書読書という感じでした。
細切れの時間なので、ちまちま読んでなかなか進みませんでしたが。
というわけで、かなりバックデートですが(そして書けていない本もありますが)、その書評というか覚書をアップしました。

ようやく、何とかようやく仕事も山を越えそうです。
来年度からは、ちょいと昇進もしたので、またちょっと忙しそうですが。

夏にイタリア旅行の計画を立てています。
(というわけで、今年はNYはちょっとお休みです…残念ですが)
それを目指して頑張ります

いつも応援してくださる皆様、ありがとうございます
生きてます(笑)。


横溝正史 『犬神家の一族』

2013-03-15 23:34:49 | 映画&読書日記(マンガ含む)

良質な、がつんと読みごたえのある本を読みたい、だが仕事で疲れてるのでエンタテイメント性も十分欲しい、というリクエストに答える小説を探していて、選んだのがこれ。



ええーなんでこれ?と思われるに違いない一作
ホラー苦手なので、横溝作品は全てスルーしてきたのですが、長く読み継がれる作品にはそれなりの理由がある、食わず嫌いはせずにとりあえず一作読んでみて決めよう、と思って横溝作品の中でもピカイチの知名度を誇るこの作品を選んでみました。
昔々、私がまだ子供だった頃、テレビで(再放送なのか映画なのかはもう記憶が定かではないですが)やっていたのをたまたま見始めてしまい、
「佐清、そのマスクをとっておやり」
のシーンで、おずおずとマスクを取り始めたところで思わず目を覆って見なかった、という記憶があります…そしてその後はもう怖くて見なかったという
スケキヨといえば、横溝読んだことがない人でも「白マスク&逆立ち」で知っている人も多いキャラクターです。

本屋で買うのにちょっと勇気がいりました。
怖えー。表紙からして怖い
現在発刊されているのは、違う表紙のもの(モノクロで文字だけのもの)なのですが、私が行った本屋にあったのはこの昨年のタイプ(往年の名カバーの限定復刻版)だったんですよね。
呪われそう(苦笑)。

結果。
いや、参りました。
やはり長く読み継がれる作品にはそれなりの理由がある、と思った自分に間違いはありませんでした。
もしかしたら他の作品よりホラー度は低いのかもしれませんが、なんと言うか生ぬるい空気の気持ち悪さみたいなものは十分伝わってきます。
が、面白い。読ませます。がっつり読ませます。
ページをめくる手を止められませんでした。
職場の昼休みでも、「あと10分…あと5分…あと、あああ、もう1ページだけ!」という感じでした。
思ったよりもグロい描写は少ないのですが(多分映像の方がリアルに見せる分だけグロくなるのでしょう)、古い日本の田舎の旧家や因習がかもし出す、おどろおどろしい感じが何とも言えずよろしいです。
結構そういうの好きなんだよなあ、という意外な自分の一面も発見したり
また、推理小説としても非常に質がよく、筋の通った推理(と事実)であり、偶然がかなり重なるのが若干不自然と言えば不自然なのですが、それはご愛嬌と言えるほどよくできていました。
文章・文体も非常に整然としており、「読ませる」文章にそれが貢献しています。
恥ずかしながら国語の能力自体はかなり高い方と自負しているのですが、この作品では所々に知らない単語が出てきて、辞書で引いて意味を知っていくのも楽しい作業でした。
(いやさすがに「衆道」は知ってましたけどね・笑)

しかし、金田一さん、これだけ死人が出てから推理してたんじゃ遅いでしょ(笑)。
読後も気になっているのは、ラストで宮川香琴が三姉妹の前で隠してきた正体がばれるのもかまわず金田一さんの推理に合いの手を入れていますが、それに対して何も三姉妹が言及しなかったこと。
香琴が〇〇だったということを知っていたはずはなく(知っていたらもちろん家には入れなかっただろうし、もっと酷い目にあわせていたと思われる)、そこで初めて正体を知ったというくだりだと思うのですが。
…推理を聞くのにそれどころではなかった、ということなんでしょうか。
原作では、スケキヨさん、黒の頭巾と顔型(お面のような)マスクで白マスクじゃないんですね~。意外。
ラストも良かった。幕引きの鮮やかさが素晴らしい
余韻を残しつつも、引きずらずにすっと終わる。
ニューヨークのブロードウェイミュージカルのカーテンコールみたいな潔さです。

というわけで、横溝作品、しばらく続けて読んでみようかと思います。
ううう、怖いけど