暖かい季節に入り、PS3の修理依頼が更に多くなりました。
さてさて沢山届く修理品の中、今回は珍しい状態の物が有ったのでご紹介。
栃木県のW様ご依頼の60GBモデル。
上の写真は左側が電源基板の一部で、右側がBDドライブ基板の一部分。
よく見ると黒く汚れていますが、こういう状態は珍しいと言うか、普通は無い状態。
実は基板だけではなく、筐体や全ての部品が「黒い汚れ」や「ホコリ」で大変になっていました。
画像はケースの一部ですが、何か汚れが残っていますね。
付着した油分に残っていた何か…なのですが、確定する為にお客様へ連絡したところ、大気中油分が含まれる環境には置かれていないとの事。
しかし通常の汚れと言いますか、油分とは違いますので、私自身も分解時に考えていたのですが、大気中に微量な油分と黒く変色する何か…となるとエンジンから排気される排気ガスしか思い浮かびませんでした。
お客様に確認したところ、トラックの往来が激しい道路に近い場所にお住まいのようで、通常、お部屋の温度や換気を管理しているエアコンの室外機が道路に面していると判明。
PS3の設置場所がエアコンの噴出す風が当たる場所に設置されている事も判明したのです。
さてさて、何故この事がブログに書く程、問題かといいますと、大気中に含まれる油分がPS3本体内部に取り込まれた場合、内部部品の表面に付着し、更に油分自体へ「チリ」や「ホコリ」が付着してしまうのです。
今回のW様のモデルは、経年劣化の進行が少なかったものの、全ての部品に油分と汚れの膜が被い、冷却効果が失われ内部温度が上昇し破損という結果となった訳です。
上記の写真は電源ケースの内側ですが、汚れではなく熱で焼け変色した痕。
高温状態になったPS3の内部は、金属部品に焼けた痕が残りますので、故障前までの内部温度の状態が予測出来るんです。
今回のW様のモデルは電源だけではなく、BDドライブがメイン基板の保護カバーと接している部分から熱が伝わり焼けている状態にもなっていました。
弊社で修復したPS3では、高温様態の痕が残っていた物の中でトップレベルの焼け方でしたが、物理的な損傷が無かった事が幸いしていたようです。
ちなみに電源基板自体も対処した事で、動作温度が10度も温度低下しました。
上の写真は洗浄後の電源内部とBD基板で、基本修理メニューでは電源とBDドライブの基板をクリーニングと洗浄で綺麗にし、静電気によるトラブルを防ぎます。
弊社はゲーム機専門業者ではございませんが、可能な限り原因を追究しています。
また、お客様に環境改善とご利用方法の改善をお願いしております。
家電製品の一部ですから、環境やご利用方法の悪さが間違いなく故障につながっていると思われますので、客観的な見方で環境改善する必要があるでしょう。
ちなみにW様のPS3は念の為、電源の検証を行ってから発送となります。
月曜には発送しますので、W様もう少しお待ち下さいね!