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PS DESIGN service

トータルデザイン、システムメンテナンスのお手伝いをしております「ピーエスデザインサービス」のスタッフブログです

「PS3用電源について」

2012年06月15日 | ②プレイステーション修理情報

PS3の初期型前期モデル(20/60GB)に使用されている電源はご存知のように生産時期よって大きく分けて2種類の電源ユニットが利用されています。

電源の中でも、036モジュールという1型電源が搭載されている場合、基板損傷と同時に電源も損傷し、使えないことがわかっています。

036

(↑036モジュール)

電源自体の修復は可能ですが、元々の構造を考慮し弊社では修復せずに037モジュール(2型電源)への交換をお願いしております。

037 

(↑037モジュール)

弊社に届く修復依頼品の中でも前期モデルは半数を占めるのですが、全体の3割り近くが036モジュールが搭載されている物です。

弊社でも可能な限り037モジュールを保有するようにしておりますが、流通数が少ないという事もあって、現在は入手困難な状態なのです。

該当するお客様にはお待ち頂いておりますが、入荷未定という現状なので、ご了承ください。

 

また電源交換を行った場合、元箱に交換した036モジュールが入らない為、別梱包でお送りする形となりますので、送料が変わってしまいます。

(弊社で外した036モジュールを処分する事も可能ですが、ご承諾して頂く必要がございます。)


「現行型PS3の内蔵ファン」

2012年06月07日 | ②プレイステーション修理情報

大きく分けると3種類の構造があるPS3。

20/60GB、40/80GB、そして現行薄型の3種類になりますが、全て構造が違います。

旧型モデルに関しては40/80GBモデルもPS2互換が無くなっただけと思われがちですが、内部構造は現行の薄型モデルに近いんです。

 

さてさて今回ご紹介するのは現行薄型のファンについて。

お客様と打ち合わせをしているとご存知無い方が多いので驚いたのですが、現行薄型のPS3は内蔵電源もファンによって冷却する構造になっているんです。

ファンによって吸入された風はヒートシンクを通り、電源を通過して外に排気される仕組みになっているんです。

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旧型と違ってファンは上向きに搭載されており、ボトムケース裏側に下向きに開いている吸入口から吸う構造です。

吸入口はケースの周囲におよび、悪く言えば本体の周り全てからチリや埃を吸い上げるんですね~。

上記に写真は鹿児島県からご依頼のA様のモデル。

クリーニング前の写真なので、ファン自体が汚れていますが、換気扇等に見られる湿った埃が付着していました。

内部に侵入していた埃も湿気を含んでいるようで、お住まいの地域や設置環境の問題なのでしょう。

 

逆に吸入口の付近は流速が増しているので乾燥状態になりやすいので、ケースに付着した埃は乾燥しているんです。

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ただ、基板までに及ぶ内部に関しては湿気による障害と静電気による障害が出てしまう可能性が高いので、分解は特に慎重になるのです。

 

ちなみにこちらのA様のモデルは搭載電源に障害が出てしまい、動作不良を起こした事がわかりました。

最後に電源の内部を通過して排気されますので、どうしても電源内部にも埃やチリによる静電性障害が出やすいんです。

しかし現実にトラブルによって緊急停止していますから、一時的に動作している可能性もあるので、完全分解(勿論ですが)オーバーホールとなりました。

 

A様、明日完成です!大変お待たせしました。もうしばらくお待ちくださいね!

という事で、お住まいの地域や設置環境も重要になります。

以前、ご紹介した排気ガスによる故障でお預かりしたPS3も地域的な問題や設置環境の問題ですから、今一度、故障する前に予防策として検討してみてはいかが?


「PS3の意外な落とし穴トラブル?」

2012年05月31日 | ②プレイステーション修理情報

PS3に関しては、あまり技術情報の公開はしない弊社ですが、皆様に環境改善や使用方法の改善をお願いする為に、一部ですがアドバイスという形として公開しています。

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さてさて、上の写真は何かと申しますとハードディスクの基板です。

HDDと基板を接触させる端子部分なのですが、焼けて変色していますね。

 

このHDDを搭載していたのは20GBモデルで修復を完了させ、お客様のHDDで最終検証に入る時点でアクセス出来ない警告が出てしまったのです。

PS3の故障は熱による損傷だけではなく、静電気によるトラブルも見つかっていますので、上記のようなトラブルは珍しくありません。

 

640GBという大容量の物という事もありますが、アクセスには負荷が高い状態になる場合も多く、本体の故障に関係している可能性も有るのです。

今回HDDが損傷した原因は不明ですが、大容量の物に換装した物や静電気のトラブルが起きて故障した物に多く見られますので、何かしらの対策が今後の課題かもしれません。

 

とりあえず搭載HDDはメーカーでも320GBが最高なので、320GBを目安に交換するのが一番良いと思います。

ちなみに弊社のテストでは旧型の場合500GBで限界ではないかという結果になりました。

ん~難しいですね!特にトルネをご利用の方は迷うかもしれませんが、外付けHDDで対応出来るならば、本体のHDDを抑えて、外付けに頼るほうが安心だと思います。

 

ちなみに私個人でプレイ用に使っている60GBモデルは60GBのままですが、バックアップ用に1GBのCFカードと1TBの外付けHDDを増設しています。

もう一台のプレイ用は現行型ですが、160GBで十分いけます!自宅では40GBモデルに160GBを換装。

まぁ最近は業者さんにSSDを進められてますが(汗)そのうちテストします。

 


「PS3動作品のメンテ依頼も受付けております」

2012年05月30日 | ②プレイステーション修理情報

弊社はゲーム機修理専門業社ではございませんが、皆様よりご好評頂き、非常に感謝しております。

そんな弊社では故障した修理品だけではなく、動作するPS3のメンテナンス依頼も少なくありません。

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こちらの20GBモデルは神奈川県からご依頼のM様。

写真は既に完成しておりますので、最終動作検証の状態。(ピカピカですよ~)

この20GBモデル、実は故障していた訳ではなく、旧型モデルという事と負荷がかかると内蔵ファンがウルサクなってきた為、故障前にチェックと対策を行うという方向性でお預かりした物なのです。

Img_0988 Img_0989

旧型、それも初期型という事もあり、M様のお話しから内部のホコリやチリの状態は良くないと予測しておりましたが、特別悪い状態ではなく、極一般的な状態でした。

Img_0992 Img_0994

一般的には写真のような状態が多く、更に酷い場合は空間全てにホコリが詰まっている場合も有るんです。

問題は内部温度上昇によって冷却グリスの効果が失われる事。

Img_0996 Img_0997

M様のモデルは動作している物ではありますが、CPU側のグリスが溶け出しており、能力が低下し始めていたようですね。

また基板の温度上昇に伴って歪みが発生してアライメントも狂っていたようで、状態から判断すると、いつ故障してもおかしくない状態だったようです。

 

今回のようにメンテナンス作業の場合は、価格表に設定されておりませんが通常の基本修理メニューと同価格で行っています。

故障品と同じようにメイン基板のアライメントは勿論、専用冷却グリスへ変更してのヒートシンクとのアライメント調整、筐体ケースに関しては状態によって高温洗浄やホワイトニングも行います。

 

現在は納期までお時間を頂いている状態です。

詳しくはカテゴリー③「PS3修理依頼&修理価格表」ページからどうぞ!

 


「故障の原因も色々ですが…」

2012年05月27日 | ②プレイステーション修理情報

暖かい季節に入り、PS3の修理依頼が更に多くなりました。

さてさて沢山届く修理品の中、今回は珍しい状態の物が有ったのでご紹介。

栃木県のW様ご依頼の60GBモデル。

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上の写真は左側が電源基板の一部で、右側がBDドライブ基板の一部分。

よく見ると黒く汚れていますが、こういう状態は珍しいと言うか、普通は無い状態。

実は基板だけではなく、筐体や全ての部品が「黒い汚れ」や「ホコリ」で大変になっていました。Img_0982

画像はケースの一部ですが、何か汚れが残っていますね。

付着した油分に残っていた何か…なのですが、確定する為にお客様へ連絡したところ、大気中油分が含まれる環境には置かれていないとの事。

しかし通常の汚れと言いますか、油分とは違いますので、私自身も分解時に考えていたのですが、大気中に微量な油分と黒く変色する何か…となるとエンジンから排気される排気ガスしか思い浮かびませんでした。

 

お客様に確認したところ、トラックの往来が激しい道路に近い場所にお住まいのようで、通常、お部屋の温度や換気を管理しているエアコンの室外機が道路に面していると判明。

PS3の設置場所がエアコンの噴出す風が当たる場所に設置されている事も判明したのです。

 

さてさて、何故この事がブログに書く程、問題かといいますと、大気中に含まれる油分がPS3本体内部に取り込まれた場合、内部部品の表面に付着し、更に油分自体へ「チリ」や「ホコリ」が付着してしまうのです。

今回のW様のモデルは、経年劣化の進行が少なかったものの、全ての部品に油分と汚れの膜が被い、冷却効果が失われ内部温度が上昇し破損という結果となった訳です。

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上記の写真は電源ケースの内側ですが、汚れではなく熱で焼け変色した痕。

高温状態になったPS3の内部は、金属部品に焼けた痕が残りますので、故障前までの内部温度の状態が予測出来るんです。

 

今回のW様のモデルは電源だけではなく、BDドライブがメイン基板の保護カバーと接している部分から熱が伝わり焼けている状態にもなっていました。

弊社で修復したPS3では、高温様態の痕が残っていた物の中でトップレベルの焼け方でしたが、物理的な損傷が無かった事が幸いしていたようです。

ちなみに電源基板自体も対処した事で、動作温度が10度も温度低下しました。

Img_0978 Img_0980

上の写真は洗浄後の電源内部とBD基板で、基本修理メニューでは電源とBDドライブの基板をクリーニングと洗浄で綺麗にし、静電気によるトラブルを防ぎます。

弊社はゲーム機専門業者ではございませんが、可能な限り原因を追究しています。

また、お客様に環境改善とご利用方法の改善をお願いしております。

家電製品の一部ですから、環境やご利用方法の悪さが間違いなく故障につながっていると思われますので、客観的な見方で環境改善する必要があるでしょう。

 

ちなみにW様のPS3は念の為、電源の検証を行ってから発送となります。

月曜には発送しますので、W様もう少しお待ち下さいね!