F & F嫁の “FFree World”

※PCでの閲覧を前提とした構成です。文字サイズは「大」推奨です 

スターリングラード 冬 1943

2009年03月18日 | ミリヲタ
 
F log



皆さん、芸術鑑賞の時間ですよ~!!



もうポカポカ陽気だが、春が来る前に紹介したかった“美術品”のお話。






四十路を過ぎて模型界に出戻った F 。
大人買いする資料は増える一方だが、肝心の腕がからきし上達しない。
最近では未完成病が増悪しているし


だからというわけではないが・・・
模型専門誌などで活躍するプロモデラーの作品を手元に置きたいという欲望は以前からあった。
1/48 nachtigallヴィトゲンシュタイン 仕様で注文する直前までいったこともある。
完成品の置き場所に困って・・・ウソ、価格にビビッて諦めた。
しかし宝くじさえ当たれば、佐藤船舶工芸に 1/200 Prinz Eugen ( チャンネルダッシュ時、フルディテール )
をオーダーするつもりだ(笑)








ブログ上のほんの偶然から、実際にお会いすることが出来たモデラー/翻訳家の 篠原 比佐人さん
彼の作風は本当に好きなのだが、ご縁あって小品ではあるがその作品をお譲りいただけることになった。
( 制作の労力に値する対価を払ったとはとても言えないが・・・ )


篠原さんの HP


専門誌「パンツァーグラフ! 2007 冬号」に作例として掲載された作品そのものである。
まずは全体をご覧いただこう。










ドラゴン製 1/35 フィギュア「STALINGRAD INFERNO」4 対のうち 2 体を使用したヴィネットである。






これがキットの箱絵である。左の 2 体を徹底的にディテールアップしたのがこの作品。
パンツァーグラフ!では新製品紹介も兼ねていたので、ポーズ変更等は許されなかったそう。
そこで細部とベースに凝ることになった。




まず目につくのは大胆なベース。
木製の台座部分でも幅は 10 cm 強しかない。しかし高さは 15 cm もある。
小品と言ったが、兵士 2 体のヴィネットとしては非常に大掛かりだ。
兵士を左寄りに立たせ、右側にスターリングラードの激戦を物語る背の高い瓦礫。
この構成が見事である。
雑誌掲載時一目惚れしたが、こうして実際に間近で見てみるとそのレイアウトの妙に唸る。











フィギュア部のアップ。
極寒の中厚手のコートとブーツで歩哨に立つ兵士。
見回りに来た士官が彼の煙草に火をつけてやる、そんなシーンだろうか。


左側、将校の帽子に注目してほしい。
3本のシルバーラインが入っているが、このパイピング、実際に細い銅線を這わせて再現してあるそうだ。
そりゃ立体的に見えるわけだ。
白いパーカーのヒモもしかり。首回りと裾にしっかりと結び目まで表現されている。
無論、市販されている製品にはこんなディテールはない。












1/35 フィギュアの大きさをご存じの方はそれだけで驚異を感じていただけるだろうが、実感がない方に。
後方にあるのは F の人差し指先端である。フィギュアの大きさはせいぜい 5 cm だ。











隠れてしまったがマガジンポーチのディテール、スリングの皮の質感も見事。
上の写真でも分かるが被服のシワ部。
キチンとシャドーには濃い色が、ハイライトには明るい色が塗布されている。
1/35 では勝手に影はついてくれないのだな。あらためて納得する。


基本の塗装はタミヤ・アクリル。細部と仕上げが ファレホ ということだ。
いやいや同じ塗料を使ってどうしてこうも差が出るものか・・・トホホホ。













兵士の Kar98k 。
木目が見える・・・よね? やはりスリングも皮製に見えるから不思議。
武器や装備の一部は Gen2 に変更してあるらしい。











おびただしい弾痕が激戦を物語る昔壁だった物(笑)
キッチリと鉄筋が仕込んであり、見事な出来栄えだ。この残骸は本当に素晴らしい。











やや上から。ロシアの厳しい冬が感じられる。足元から底冷えするような・・・












今度は後ろ側から。壁の裏側にも抜かりはない。
ふたりが立っている瓦礫も三角形の立体的なもの。ホントに凝ってるなぁ。












キットのレビューを兼ねた作例ということであれば、相応の四角いペースにちょこんと 2 体を載せれば済む話。
それをここまで凝った作品に仕上げてしまう篠原さんは本当に凄い!!




その凄い作品に惚れただけでなく、それが手元に来てしまったのだから有頂天である。
これは家宝として大事に保管せねば。
というわけで、専用ケース が必要になるのだが、戦闘車両等に比べて高さがあるのでいつものケースでは入らない。











捜して探してやっと入手したのだが、店頭でこのケースに入っていたのは コレだ (買うのに赤面したわ、まったく)







360度どこから眺めても新たな発見があり飽きない。
雑誌掲載という締切のある世界でこれほどの情報量を盛り込む篠原さんというモデラーは尊敬に値すると心底思う。


元は市販のキットとはいえこれだけ手のかかった一点もの。美術品にも匹敵しよう。
眺めまわしつつ、末永く大事にしたい。








しばらく模型製作は停滞していたが、この度新たなモチベーションとともに再開した。それはまた次回に






コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« HDD | トップ | 弾く御主人様、踊るメイドさん »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
創作意欲 (Hundemama)
2009-03-18 09:08:52
すごいねぇ。細かいこと。コンクリートのかけらも自作なんですね。ここまで行くと芸術ですよね。
創作意欲が沸きました?

私も他の人の作品を見て意欲が出ることがあるんですが、自分の技術が追いつかないことしばしば…
返信する
素晴らしい! (kpfw)
2009-03-18 12:36:59
いや、ほんとにもうこの一言のみ!

いいものが手元に来ましたね。
お互いモチベーションアップで頑張りましょう~
返信する
隔絶技術 (F)
2009-03-19 20:00:48
Hundemama、こんばんわ。


そうなのよ!! 足元の瓦礫一つひとつが手作りなの
もうビックリでしょ?

例えば美術展に行ってもあまり創作意欲は湧きませんねぇ。
だって自分とはかけ離れた技術だから。
この作品も同様です。
ただ虫眼鏡で見れば、細部の参考になるとは思います。

最近絵は描いてますか?
いいのが出来たら見せてください

返信する
実物100倍 (F)
2009-03-19 20:04:27
kpfwさん、こんばんわ。


もうね、実物は写真の100万倍イイですよ。
お伝えしきれないのが口惜しい
1/35 を実感されている方なら、より分かっていただけると思います。

メカジキは残念でしたね。
私も新たなキットで新たなスタートを切ります。
その詳細は次回のヲタク log にて


返信する

ミリヲタ」カテゴリの最新記事