F & F嫁の “FFree World”

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抱きしめてあげる  八神純子 其の壱

2006年03月24日 | Cinema & Musik

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ここ最近、突然懐かしモードに突入しているFです。

唐突ですが、皆さま八神純子をご存知ですか??




八神純子 本名 JUNKO STANLEY  

1978年「思い出は美しすぎて」でデビュー。

デビュー前よりYAMAHAのポピュラーソングコンテストやチリ国際音楽祭などで活躍。

デビュー曲に続いて「みずいろの雨」が大ヒットし、その存在を幅広く知られる。

以後「想い出のスクリーン」「パープルタウン」「ポーラスター」「Mr.ブルー」

「I’m A Woman」等のビックヒットをコンスタントに生み出す。現在はロサンゼルス在住。




一定の年齢以上の方にはヤマハのポプコンとともに懐かしく思い出されるはずです。

一時はよくテレビの歌番組などにも出演してましたね。

私とくに好きなアルバムがあります。上記のようなヒット曲は一つもないのですが・・

1983年末リリースの「Full Moon」です。

なかでもA面ラストの「抱きしめてあげる」は数多い彼女の楽曲のなかで一番好きですね。

これまたベストアルバムにもあまり収録されないような、地味なバラッドなのです。








抱きしめてあげる  作詞/山川啓介 作曲/八神純子 編曲/瀬尾一三


夕映え背にして あなたはため息
“幸せに飽きたよ”と
ペイパーバックの 探偵みたいね
哀しくて おかしいわ
抱きしめてあげたいくらいに・・・

  つぎの誰かに 愛されてあげなさい
  口笛を鳴らして ジョークを飛ばして
  いつのまにか わがままに疲れた
  この愛がつらいの
  夜明けには 出てゆくわ

背中で見つめる 誰かがいるって
知ってたの 最初から
夜ふけの電話を とるたび黙って
さみしげに 切れたから
少年の寝顔がきれいね・・・

  実らない夢 口にするあなたの
  横顔を飽きずに 見てたあの頃
  でも今では 悲しいけどわかるの
  あなたには夢さえ
  もて遊ぶ ジョークなの

  つぎの誰かに 愛されてあげなさい
  私よりやさしい 胸に甘えて
  でも心に 風が吹く夜には
  抱きしめてあげるわ
  思い出の ぬくもりで





抱きしめてあげる 八神純子





「時間よ止まれ」「聖母たちのララバイ」などのヒット曲で知られる山川啓介の詩に

八神純子本人の曲、日本を代表するアレンジャー瀬尾一三の編曲という最強の布陣。

詩良し、曲良し、伴奏良し、もちろん歌良し、イマイチなのはジャケットくらいか・・・




まず短いベードラとエレピの短いイントロ。おそらく矢島賢(G)のハーモニックスが憎い。

曲はA-B-A-B-Bのシンプルな構成。Aメロのdsはハイハットとベードラのみ。山木秀雄と

林 立夫のふたりがクレジットされていますが、曲ごとの区分けがわかりません。

とくにdsのアレンジが好きでして、Bメロでやっとスネアが登場しますが、これが腰の据わった

重い音。当然音は弄っているのでしょうが、最初聴いたときはフロアタムかと思いましたよ。




八神純子といえばヤマハのエレクトリック・グランドを弾きながら唄う姿がイメージされますが、

このアルバムでは彼女は鍵盤に触っていないようです。MAKIというkey奏者がクレジット

されています。彼女のピアノ、エレピ使いもとってもいいですね。ところどころ挿入される

チョッパーベースも時代を感じさせます。八神自身、瀬尾一三も参加するコーラスワークも

古典的ながらツボに入りまくり。




詩は(おそらく年下の)だめんずと暮らしていた女性の自立を描いた内容です。

呼称はあなた。

私、女性歌手が「キミの」とか「君が」などと呼称を用いるのが嫌いです。

誰に対してどういうスタンスで歌っているのかわからないからです。

ただ男性演歌歌手が女性の立場で女言葉を使うのは抵抗ないのですが。




もう別れる~という歌なので当然悲しいのですが、題だけ見るとラブラブみたいですね。

離別はする。けど暖かな思い出だけは置いてゆくわ。

歌詞の繰り返しは最小ですが、そのひとつ「つぎの誰かに 愛されてあげなさい」の

二回目以降はとても深い詩ですね。




曲ももちろん素晴らしいのですが、やはり編曲は絶妙ですねー。

Bメロ3回のうち最後の最後「抱きしめてあげるわ 思い出の ぬくもりで」の部分だけ

少しの救いがあるように感じるのはアレンジの勝利でしょうか??

歌が終わったあと、フェードアウトするまでの間、伴奏とコーラスだけになるのですが、

そのわずかな時間も至福ですね。




長々と書いてしまいましたが、まあこのアルバムを持っている方は少ないだろうし、

ましてこの曲が大好きでたまらんなどというのは余計に少数でしょう。

でもほんとうに名曲ですので、アルバムともども聴く機会があれば楽しんでください。



其の弐に続きます(それで最後です)













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10 コメント

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知ってますとも ()
2006-03-24 00:36:44
こんばんは。



知ってますとも、八神純子。うーん懐かしい。ちなみに一番好きだったのは「ポーラスター」です。北のそ~らた~かく~



でもレコードは買ってません FMでアルバム全曲紹介をするときに、テープに録って保存するのが常でしたね。
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純子オンリーブログ展開中です (yagamania)
2006-03-24 09:57:18
こんにちは、初めて書き込みします。

懐かしモードで純子ちゃんですか。

私のところで、純子オンリーでブログ展開しています。

卓越した純子論を展開する方ともリンクしていますので、ぜひお越し下さい。

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カセットテープ (F)
2006-03-24 22:58:51
Hさん、こんばんわ。

我々の時代はみんな知ってますね、八神純子



私もレコードは二枚だけでした

とくにNHKFMは曲の最初から最後までかけてくれたので重宝していました。

録るのはもちろんカセットテープですね。

ベストカセットを編集していた時代がなつかしいです。 

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ようこそ (F)
2006-03-24 23:17:45
yagamaniaさん、はじめまして。



ほんのアルバム数枚しか所持していないのにお恥ずかしい限りです。

本文中で「彼女の楽曲で一番好き」と書きましたが、聞いたことがある・・というのが抜けておりました



純子・ザ・ワールドも拝見しました。

単独のアーチストプログというのはすごい。

私などほんの一時代しか知りませんでしたので、前後も聴いてみたいですね。

リンク先もかなり充実した内容のようです。

あくまで懐かしものとして書いたのですが、新たな魅力が発見できるかもしれませんね。

もう一編書きますので笑わないでご覧くださいね
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私と同じだ! (びわこおおなまず)
2006-05-12 21:55:52
この歌が,きいたことのある八神さんの歌の中で一番好き!でも録音したカセットを失ってしまって,何ヶ所か歌詞があやふやになってしまって..検索かけたらここにきました.Hさんと同じくNHK昼の FMでカセットに録音してました.懐かしー.青春時代です.獅子座の女(おばさん)より..
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偶然ですね~ (F)
2006-05-12 22:33:00
びわこおおなまずさん、こんばんわ。



はじめまして、ようこそいらっしゃいました。

私もこの曲ほんとに大好きなのですが、初期の頃とかはほとんど知りません。

仰るとおり聞いたことある中で・・ということです。

LPを処分してしまったのでCDで買い直しました。



NHKのFMは曲の頭から最後までかけてくれるので重宝しましたね。

エアチェック、すんごく懐かしいです。同じく青春時代の思い出です。

雑食blogですが、またお運びくださいませ
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八神純子について。 (牢屋壮一〈評論家〉。)
2012-02-12 06:49:20
 初めまして。私は『牢屋〈ろうや〉壮一』と言うハンドルネームを使用してインターネット上で表現〈評論〉活動を行っている者です〈当然ながら本名ではありません〉。
 ここで取り上げられている『八神純子』ですが、実は私も八神純子の熱烈な大ファンです。彼女のファンになったのは何時〈いつ〉頃からなのか、ですが、彼女が1978〈昭和53〉年に出した『みずいろの雨』の頃からのファンです。ですからもう私の彼女〈八神純子〉の『ファン歴』は30年以上になります。ここで取り上げられている彼女のアルバムは『フルムーン』ですが、このアルバムは私も『CD』で持っています。私が好きな彼女のアルバムはフルムーンと同じ年の1983〈昭和58〉年に発売された『ロンリー・ガール』です。この『ロンリー・ガール』と言うアルバムはファンならばおそらく知っていると思いますが、フルムーンと同様にあの有名な『瀬尾一三』氏が全曲のアレンジを手掛けているのは知っての通りです。
〈なお、アルバムタイトルにもなっている曲の『ロンリー・ガール』は作曲も手掛けているのは知っての通りです〉。
 私が好きな八神純子の『その他』の作品〈曲〉では『Mr.メトロポリス』と言うアルバムに収録されている『グッバイ美しい日々』と言うバラード調の作品が好きです。これもアレンジは瀬尾一三である事は八神純子のファンならば周知の事実だと思います。
 長くなりましたが、私〈牢屋壮一〉にとって八神純子と言うシンガー・ソングライターは『青春そのもの』と言えるかけがえのない存在なのです。八神純子に対する私の思いはまた次の機会にこのブログに書きたいと思います。それでは今回はこの辺で終わりたいと思います。
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牢屋壮一〈評論家〉。さん、こんばんは (F)
2012-02-12 17:30:23
 
コメントありがとうございます。
私は牢屋様のような長年のファンと違ってにわかです。
「フルムーン」と「ロンリー・ガール」の2枚だけしか好きじゃないのですから。
残念ながら御推薦のアルバムも曲も好みではありませんでした。
デビュー当時からのファンな上に「青春そのもの」とまでおっしゃる八神純子さんに対し半端な批評をして申し訳ありませんでした。



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アレンジャーの『瀬尾一三』氏について。 (牢屋壮一〈評論家〉。)
2012-02-17 17:01:53
 牢屋壮一です。今回はここで取り上げられている八神純子自身〈八神純子本人〉ではなく彼女のアルバム『ロンリー・ガール』と『フルムーン』の全曲のアレンジを手掛けたアレンジャーの『瀬尾一三』氏について私〈牢屋壮一〉の考えを少し書いてみたいと思います。
 知っての通り現在の『瀬尾一三』氏は『中島みゆき』のアレンジのみならず『プロデューサー』を兼任しています。今でこそ瀬尾一三氏は『日本を代表するアレンジャー』と呼ばれていますが、ここで取り上げられている八神純子のアルバム『ロンリー・ガール』や『フルムーン』のアレンジを手掛けていた『1980年代』はそれほど高い評価をされていた訳ではないと私は思います。
その理由は言うまでもなく『萩田光雄』と『船山基紀』と言う2人のビッグアレンジャー〈双璧〉が飛ぶ鳥を落とす勢いだったからです。1980年代はこの萩田光雄と船山基紀と言う2人のビッグアレンジャー〈双璧〉は日本レコード大賞の部門賞である『編曲賞』をそれぞれ何回も何度も受賞しており、とても瀬尾一三が日本レコード大賞の部門賞である『編曲賞』に食い込める〈つまり受賞できる〉状況ではなかったと私は思います〈これはあくまでも『1980年代』の話です〉。 
 しかしながらアレンジャー・瀬尾一三の『本領と言うか『真骨頂』は言うまでもなく『フォーク』にあります。
〈現在の『中島みゆき』がフォークに分類できるか否かは多分に疑問の余地がありますが〉。
 フォークブームが遠い過去のものになった現在では瀬尾一三と言うアレンジャーは『日本のフォークの生命線』と言うか『日本のフォークの屋台骨』であり私は常日頃から現時点では『瀬尾一三なくしてフォークなし』と思っています。
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お願い (F)
2012-02-17 21:34:16
牢屋様

ご高説恐れ入りますが、このエントリーはあくまで八神純子さんについてのものです。
それも超絶に偏った個人的な好みによるものです。
何故ならここは個人が好き勝手に営んでいるブログだからです。

牢屋様は最初にコメントいただいた際に「インターネット上で表現〈評論〉活動を行っている者です」とおっしゃいました。
当然、ご自身の活動拠点となるホームページなりブログなりお持ちのことと存じます。
ご専門と思しき話題はそちらで論陣を張られてはいかがでしょうか。
せっかく深い知識をご披露いただいても、中島みゆきさんにすら興味のない私では適切な受け答えが出来ないと思われますので。

長いコメントを頂戴していながら失礼なもの言いをお許しください。

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