◇ 各国通貨と比べた実力は53年ぶりの低さ = 外国為替市場で、円の相場がじりじり下落している。先週も対ドル相場は1円50銭ほど下がり、週の終り値は147.77円となった。下落の発端はサウジアラビアとロシアが自主減産を年末まで延長すると発表、原油の国際価格が上昇したこと。アメリカの物価が上がり、FRBの利上げ継続は確実との見方が強まった。これで日米間の金利差がさらに拡大するため、円安が進行してしまった。
円の対ドル相場は、1995年4月に付けた79.75円が過去最高。それに比べれば、現在は半分近くに低落しているわけだ。その後2000年には、100円近くを上下している。分かりやすいように、そのときと比べてみよう。当時、日本人は1万円を支払えば100ドルのモノやサービスを買うことができた。それが現在は、150円近く出さなければ買えない。これが通貨の価値の下落である。
円相場の下落は、米ドルに対してだけではない。日本が経済取り引きをしている数多くの国の通貨に対しても、価値を下げている。個々の国との物価や貿易量を勘案して、その程度を算出したのが「実質実効レート」と呼ばれる指標。日銀が算出して発表している。それによると、2000年1月のレートは162.97だった。それがことし7月には74.31にまで落ち込んでいる。この水準は1970年と同じ、つまり53年ぶりの低さだ。
こうした通貨価値の低落は、経済の各方面に重大な影響を及ぼす。たとえば輸出企業は150万円の製品を100万円で売っても、1万ドルの収入を得られる。だから利益は増大し、株価も上がる。外国人観光客からみれば、日本の物価はとてつもなく安く見える。だが半面、日本人が外国へ行けば物価が高い。そしてモノやサービスの輸入価格も上昇する。日経新聞によると、これによる家計の負担増は20万円に達するという。
(続きは明日)
≪11日の日経平均 = 下げ -139.08円≫
≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
円の対ドル相場は、1995年4月に付けた79.75円が過去最高。それに比べれば、現在は半分近くに低落しているわけだ。その後2000年には、100円近くを上下している。分かりやすいように、そのときと比べてみよう。当時、日本人は1万円を支払えば100ドルのモノやサービスを買うことができた。それが現在は、150円近く出さなければ買えない。これが通貨の価値の下落である。
円相場の下落は、米ドルに対してだけではない。日本が経済取り引きをしている数多くの国の通貨に対しても、価値を下げている。個々の国との物価や貿易量を勘案して、その程度を算出したのが「実質実効レート」と呼ばれる指標。日銀が算出して発表している。それによると、2000年1月のレートは162.97だった。それがことし7月には74.31にまで落ち込んでいる。この水準は1970年と同じ、つまり53年ぶりの低さだ。
こうした通貨価値の低落は、経済の各方面に重大な影響を及ぼす。たとえば輸出企業は150万円の製品を100万円で売っても、1万ドルの収入を得られる。だから利益は増大し、株価も上がる。外国人観光客からみれば、日本の物価はとてつもなく安く見える。だが半面、日本人が外国へ行けば物価が高い。そしてモノやサービスの輸入価格も上昇する。日経新聞によると、これによる家計の負担増は20万円に達するという。
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