経済なんでも研究会

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金(きん)が 40年ぶりの高値に

2019-08-22 08:15:31 | なし
◇ 世の中が暗くなると輝く性質 = 東京や大阪の貴金属店で、金(きん)の売買がきわめて活発になっている。金の価格が急騰しているからだ。たとえば田中貴金属店の買い取り価格は、6月初めには1グラム=4900円だったものが、今月16日には5553円に跳ね上がった。世界的に金に対する需要が増大し、国際価格が大きく上昇したことを反映している。

ニューヨーク商品取引所の金先物価格は先週、1オンス=1530ドルの高値を付けた。6年4か月ぶりの水準で、年初に比べても18%の上昇。主な理由は、アメリカの金利低下、世界経済の見通し悪化、それに国際緊張の高まりだという。金には利息が付かないから、他の商品の利回りが低下すれば相対的に有利さが増す。また景気の悪化や国際緊張は、最も安全性の高い金への資金移動を促すことになる。

今月に入ってから、株式や原油、それに新興国の通貨などが大きく売られた。逆に価格が上昇したのは、金と日本円、それにアメリカ国債である。このうち上昇率が最も大きかったのは、やはり金だった。21世紀になってからの金の国際価格をみると、最低は08年春に付けた693ドル。最高は11年の1897ドルとなっている。ここからみると、現状はかなりの高値圏だと言えるだろう。

人類が4000年もかかって掘り出した金の総量は約18万トン。オリンピック・プールで4杯分しかない。しかも容易なことでは変質しない。だから貴重なことは確かだろう。でも通貨が不要になるかもしれないAIの時代に、存在感を示すのはなんとも不思議。そのうえ世間の不安が増せば増すほど輝きを増すのだから、びっくりするしかない。

       ≪21日の日経平均 = 下げ -58.65円≫

       ≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ≫


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