経済なんでも研究会

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危うし! 日本の自動車産業 (Ⅲ)

2024-01-25 07:27:14 | 自動車
◇ 中国製EVに警戒強める欧米諸国 = 欧州自動車工業会の集計によると、ユーロ圏18か国の23年の新車販売台数は1284万台。前年比14%の増加だった。このうちEVは201万台、28%も増加している。脱炭素に厳しいEUだけに、EVの普及は順調。新車販売全体に占める比率はドイツが18%、イギリスとフランスは17%に上昇した。ここでも中国製EVの伸びが突出、価格の安さが強力な武器となっている。

ところが、この価格の安さは中国政府の手厚い補助金によるところが大きい。欧州委員会はこれを問題視、不当な補助金かどうかを調査することになった。ことし中に結論を出すが、もし不当と判定されれば、相殺関税がかけられることになる。EU側は、中国製EVが火力による発電で製造されていることも問題視する模様。中国メーカーは現地生産を増やして乗り切ろうとしているが、見通しはまだ藪の中だ。

アメリカは、中国製EVを完全に締め出している。マークラインズ社の集計によると、23年の新車販売台数は1550万台。前年比12%の増加だった。このうちEVは322万7000台、前年比8.1%の増加だった。新車販売に占める比率は8%で、ヨーロッパ諸国の半分にも満たない。EVの6割はテスラだが、最近は人件費の上昇で大幅な減益。GMやフォードも投資計画の縮小を発表した。

政府の政策はきわめて保守的。原則として北米産の部品を使い、北米で組み立てた車にしか補助金を出さない。特に中国製の部品には厳しく、中国製電池を搭載した車はアウト。この結果、最大7500ドル(106万円)の補助金を受けられるのは、現在8車種に限られてしまった。一般にEVに対する関心は薄く、関心のある人はもう購入してしまったという分析さえ飛び出している。

                   (続きは明日)

        ≪24日の日経平均 = 下げ -291.09円≫

        ≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
  

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