経済なんでも研究会

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タガがはずれる? 来年度予算 (下)

2018-09-07 06:38:41 | 予算
◇ 110兆円に近づく恐れ = 実は19年度予算案が100兆円を超えたとしても、そんなに驚くには当たらない。当初予算としては初めて100兆円を突破するが、補正予算を加えた現実の財政支出は、16年度にも100兆円を上回っているからだ。このとき補正予算を含めた支出は100兆8000億円。熊本地震の復旧費などを補正で追加したため、わずかながら100兆円を超えた。

しかし今回は「わずかながら」というわけにはいかないだろう。かつて安倍内閣は消費税を5%から8%に引き上げた際、5兆5000億円の景気対策費を計上した。だが効果はなく、景気は大幅に落ち込んだという苦い経験をしている。このため今回は10兆円規模の対策費が必要だという声が、自民党内では強まってきている。

仮にそうなれば、19年度予算案は110兆円に近づくかもしれない。財政再建は、さらに遠のいてしまうだろう。だから自民党内にも慎重論は少なくない。しかし財政再建の旗振り役となるべき財務省は、複雑な心境である。十分な対策費を確保しないと、安倍首相はまたまた消費税引き上げを延期するかもしれない。すると財務省の悲願は達成できなくなる。

これから年末にかけての編成作業で、財務省は103兆円にのぼる各省庁の概算要求をどこまで切り込めるか。また消費税対策として自動車や住宅に対する減税措置、あるいは低所得層に対する現金給付などの政策手段をどこまで認めるか。それによって来年度予算案の規模が決まる。だが参院選を前にして、財政のタガが抜ける危険性は大きい。

       ≪6日の日経平均 = 下げ -92.89円≫

       ≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ

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