経済なんでも研究会

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業績相場への 移行シナリオ

2022-04-26 07:16:40 | 株価
◇ 銘柄の選別は厳しくなる = アメリカの中央銀行であるFRBは来週5月4日に開くFOMC(公開市場委員会)で、「政策金利の0.5%引き上げと量的金融引き締めの開始」を決定する。ウオール街はずいぶん前から織り込んできたはずだが、それでも先週の株価は大きく下げた。これまでは「金利上昇→債券市場への資金移動」という理屈で考えてきたが、ここまでくると実際に投資する銘柄の厳しい選別を始めなければならなくなったからである。

一般論で言うと、金利が上がると儲かるのは金融機関だ。また製造業や非製造業でも、巨額の現金・預金を貯め込んだ企業は利子収入を見込めるようになる。逆に信用度の低い企業は、発行した社債の利率が上昇して経営が苦しくなる。金融機関であっても、こういう社債を大量に保有するところは危ない。住宅ローンの金利が上がれば、住宅関連企業の株式は買いにくくなるだろう。

インフレの影響も、考慮しなければならない。価格が上昇しそうな燃料・資源・原材料・食料を保有する企業は、評価益が期待できる。逆にインフレによって経営が圧迫されるのは、主として小売りやサービス業だろう。これから投資家は個別の企業について、こうした点を綿密に検討しなければならなくなる。

世界の株式市場は,これまで”カネ余り相場”を謳歌してきた。しかし今後は‟業績相場”に移行して行くだろう。ただ金融引き締めによって景気が悪くなりすぎると、業績の悪い企業が多くなって‟業績相場”は成立しない。この意味でも、アメリカのやや性急な金融引き締めが実体経済に与える影響に注目する必要がある。
 
        ≪25日の日経平均 = 下げ -514.48円≫

        ≪26日の日経平均は? 予想 = 上げ≫


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