ぷれしおさのフラメンコ日記

水野直子の東京フラメンコブログ。
フラメンコ教室、コンパスとバイレ、日々の自分。

スペイン内戦の犠牲者列福とアルバレス先生。

2013-10-15 22:08:06 | 日常
スペイン内戦時代、タラゴナでフランコ軍に迫害され殉教した522人が列福されるそうです。
列福…はカトリック教会の言葉なのでここでは省略。
スペイン語のニュースはフェイスブックやツイッターで見出しくらいは読むようにしているのですが、
宗教がらみの言葉は難しく読み込むまでは行きません…。

タラゴナはカタルーニャ州なので私には馴染みがないのですが、内戦で迫害と言えばあの教授を思い出します。
どの大学にも名物教授は存在するでしょうが、彼はスペイン内戦で国を追われ、最終的に日本に亡命したという壮絶な半生をお持ちのバジャドリー出身の先生でした。

スペイン内戦は未だ語るに憚られるそうですが、当時学内ではほぼ御法度でした。
研究材料にすることもよく思われないくらい、とてもセンシティブな問題でした。
理由は勿論彼、アルバレス教授が生き証人「お前らに分かってたまるか!」ということだったようです。

私もたくさんの思い出があります。
他大学のスペイン語の弁論大会に出ることになったとき練習を目の前でさせられたこと、卒業論文のテーマを提出すると「こんな論文はあなたには書けない!」と言って投げられたこと(後日タイトルを変えて再提出)、「コーラが飲みたいのですが、牛乳を買ってきてください」と授業のあと毎週私に頼んでいたこと。
教授生活記念の論文集を出されることになり、授業の合間に講義中っぽいポーズで何枚も写真に撮られていたこと…。
すでに80を過ぎ、身体の自由がなくなって車椅子だったのですがそんなのおかまいなしのバイタリティに、学生たちはいつもたじたじでした。

アルバレス先生がどういった経緯で内戦、共和国軍のヒーローとなり、国を追われたのか最後まで噂でしかうかがうことが出来ませんでした。その記念文集の、私たちの西文学史の授業で撮られたプロフィール写真が遺影となったのです。
ああ、こんなことなら牛乳でなくて先生がだいすきだったコーラを買ってあげればよかった!

卒業式の数日前に亡くなり、私は学生代表として葬儀ミサで聖書朗読をさせていただきました。

今日fbに大学の創立記念行事の案内がアップされていました。
来月関西に行くのですが記念行事の一週間後なのでちょうどタイミング悪く、学校に顔を出すことは出来ません。
ごミサ、出てみたかったな~。

スペイン人列福のニュースを斜め読みしてアルバレス先生のことを思い出していた矢先、
大学からのお知らせが飛び込んできたのでちょっと里ごころがついちゃいました。


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