見出し画像

NPO法人POSSE(ポッセ) blog

労働・貧困本まとめてレビュー(2010年上半期)

『ミドルクラスを問いなおす』 現代の格差社会を生きる多くの若者は、生活苦を強いられています。この格差社会を生んだ新自由主義に対して、若年者は最大の被害を受けているにもかかわらず、むしろ新自由主義を好意的に受け入れているのもまた事実です。 著者は、高度経済成長時代の“一億総中流”社会に新自由主義の萌芽を見いだします。曰く、「資本主義によるプロレタリア化の圧力から個人の力で脱却せんとする「ミドルクラス」の価値観が、貧困層の文化を吸収していたがゆえの現状だ」と。 戦後、労働運動は高まりを見せたものの、“逆コース”によって労使関係は癒着してしまいました。この関係は構造化し、柔軟さを求める人事・労務管理の下で「ミドルクラス」たちは、自律しようとするほど企業へ従属するようになっていきました。 格差社会の根源は何なのか、それがわかる一冊となっているでしょう。【本の概要】 著者名:渋谷 望書 名:『ミドルクラスを問いなおす』 出版社:日本放送出版協会出版年:2010年8月『労働移民の社会史――戦後ドイツの経験』 ナチスによる民族主義から第二次大戦を経て民主化を進めてきたドイツの社会問題の根本を探っています。 数多の外国人が経済成長期に労働者として移入して、今や国民の半分が外国出身者で占められるようになったドイツは、国民感情と経済原理との摩擦に対していかに取り組んだのか―ドイツ国内の社会運営の実態がよく分かる一冊となっています。【本の概要】 著者名:矢野 久 書 名:『労働移民の社会史――戦後ドイツの経験』 出版社:現代書館 出版年:2010年6月 『現代労働問題分析』 「現代の若者が新自由主義経済の論理を是とするなかにあることを意識して、各人の教育経験を活かして、大学生が誤りがちな労働問題に関する「常識」の非常識を正すこと」を目的として書かれています。ですので、会社とのトラブルで無知ゆえに涙を飲まないために必要となる知識が得られる実践的な一冊となっています。【本の概要】 著者名:石井まこと・兵頭淳史・鬼丸朋子書 名:『現代労働問題分析』 出版社:法律文化社出版年:2010年4月『判例労働法入門』 こちらは昨年の上半期に出版された本となっています。 労働問題を解決する上で個人の救済のための手段が労働法です。著者はそのような問題意識に基づいて執筆しており、労働法の基礎知識と具体的な判例が一体的に理解しやすいように内容がまとまった一冊です。 初学者から法科大学院生まで幅広く対応しています。【本の概要】 著者名:野田 進書 名:『判例労働法入門』 出版社:有斐閣出版年:2009年5月


****************************
NPO法人POSSE(ポッセ)は、社会人や学生のボランティアが集まり、年間400件以上の労働相談を受け、解決のアドバイスをしているNPO法人です。また、そうした相談 から見えてきた問題について、例年500人・3000人規模の調査を実施しています。こうした活動を通じて、若者自身が社会のあり方にコミットすることを 目指します。

なお、NPO法人POSSE(ポッセ)では、調査活動や労働相談、セミナーの企画・運営など、キャンペーンを共に推進していくボランティアスタッフを募集しています。自分の興 味に合わせて能力を発揮できます。また、東日本大震災における被災地支援・復興支援ボランティアも募集致します。今回の震災復興に関心を持ち、取り組んで くださる方のご応募をお待ちしています。少しでも興味のある方は、下記の連絡先までご一報下さい。
____________________________________________________

NPO法人POSSE(ポッセ)
代表:今野 晴貴(こんの はるき)
事務局長:川村 遼平(かわむら りょうへい)
所在地:東京都世田谷区北沢4-17-15ローゼンハイム下北沢201号
TEL:03-6699-9359
FAX:03-6699-9374
E-mail:info@npoposse.jp
HP:http://www.npoposse.jp/
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「書評・メディア評」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事