名画への旅 ベラスケス(Diego Vel醇@zquez)
「ピカソ」「ダリ」という「スペイン」が生んだ芸術家の中で、もう一人忘れてはいけない人がいます。
その名は「ベラスケス」です。実は「ピカソ」等はこの「ベラスケス」の影響をかなり受けていて、かなり模写を試みています。
「印象派」の生みの親のような存在の「マネ」と言う画家は、この「ベラスケス」のことを、「画家の中の画家」と絶賛しています。
ここにあげている動画の中に出てくる「ラス・メニーナス」という作品は、日曜美術館等でもたびたび紹介され、知っている人は多いと思います。
この作品のおもしろさは、なんといってもこの中に隠された「トリック」ではないでしょうか。
「作品の中に描いてある部屋には、何人の人がいるか?」という質問を子供たちに与えると、9人という答えがかえってきます。
しかし、実際には11人の人がいるわけです。鏡にうつっている「王、女王」がこの絵には描かれています。
その空間をイメージすると、どうなるか動画の後半に回答があります。
その卓越した「空間処理」をこの頃に、すでに考えていたこの「ベラスケス」のユニークな発想は一体どこから生まれたのでしょうか。
私が勝手に想像するには、彼は「宮廷画家」として17世紀に活躍するわけですが、30年の年月に及ぶ宮廷の中での人間模様にヒントを得ているように思えます。
この絵からわかるだけでも、「王、女王」「王女」「画家」「家庭教師」「ピエロ」「修道士、修道女」「召使い」等、いろいろな人々の姿が見られます。
そうしたいろいろな人達の言動を毎日見ていると、その「人間模様」はもちろんのこと、それだけでなくそこにできる「個と個の空間関係」のようなものまでができてしまうのではないかと思います。
そうしたいろいろな視点を使い、こうした作品ができ、やがて「セザンヌ」の絵画や「ピカソ」の立体主義に多きな影響を与えることになります。
歴史的なつながりを見ていくととてもおもしろく、お互いに影響しあっていることがわかります。
こうした絵画を見ながら、日常生活の中に見られる我々の行動を、再検討するとおもしろいかも知れません。
余談ですが、「イギリス」の「ナショナル・ギャラリー」にあるベラスケス作「鏡のビーナス」という作品があります。
その作品を私は鉛筆で「模写」を試みましたが、彼独特の線にはついていけなかった記憶があります。
何気ない色や形でも実際に描いてみると、こんなにも難しいのかとその時良くわかりました。
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