私がいわゆる就職活動をしたのは
もう10年ほど前の話になる。
田舎の大学生が右も左も分からないながら、
大都会でいくつもの会社の面接を繰り返し、
何とか今の会社に就職した。
入社して数年経ち、昨年まで今度は人事として
学生を採用する立場になった。
当時の自分を思い返しながら、最近の学生は優秀だなと
思うこともあれば、もう少し頑張って就活しようよ、
とつい口出ししたくなってしまう学生までいろいろいた。
そんな十人十色の学生たちと出会う中で、その後一緒に
仕事をすることになる子もいれば、当社ではない別の会社で
頑張ることを決めた子、残念ながらご縁が無かった子など
色々いたわけだが、振り返って考えると
やはり「就活は運と縁」だなと思う。
全国に星の数ほどある会社の中から、たまたま、
ネットやテレビや家族・親戚等からその会社のことを知る。
思ってもみなかったような業界に興味が湧くこともあれば、
熱望した業界からはどうしても内定をもらえないこともある。
そこには、その時々の採用の市況感であったり、面接官との
相性で合ったり、その会社の採用方針で合ったりがなんとも
複雑に絡み合う。
同じ人物でもその年なら合格を出しても、去年だったら
取らなかったな、という場合もあるし、1次面接であまり
期待していなかった学生が最終面接の面接官と意気投合し、
まさかの大逆転を成し遂げることもある。
もちろん本人の実力、と言うのも多分にあるとは思うが、
その多種多様で、複雑怪奇な?就職活動をやり遂げて、
最後に「内定」を手にするのは、とてつもない偶然が
いくつも発生して、やはり「運と縁」があったから、
という一言に尽きるのではないかな、
なんて考えたりしている。
(2月26日 Kirin記)