PoPo映画

映画徒然節…ネタばれ失礼

クラッシュ

2008年07月16日 | か行
出演:サンドラ・ブロック  ドン・チードル   マット・ディロン   ブレンダン・フレイザー  テレンス・ハワード   サンディ・ニュートン   ライアン・フィリップ他

2005年アカデミー賞で「作品」「脚本」「編集」の3冠に輝きました。
ある寒い夜起こった自動車事故。現場近くには若者の死体があり(別件)、それを見たロサンゼルス警察の刑事グラハム(ドン・チードル)は、言葉を失う…そして物語は前日に遡り…。

物語は、一見全く関係ない白人検事夫妻・裕福な黒人TVディレクター夫婦・自動車窃盗の黒人グループ・人種差別の固まりの白人警官・ちぃと見怖いスキンヘッドの真面目な錠前屋・ペルシャ系の小売店一家が、微妙に絡み合い(クラッシュし)ながら進む。
個々のエピソードがそれぞれスリリングで、差別や偏見・憎悪を蓄積させた人間同士がぶつかると、こんな相乗効果が生まれるのかぁ…って、怖かった。アカデミーで闘った「ブロークバックマウンテン」が静なら、コッチは激の映画ですね。
こんだけ色んなエピがあると、ちゃんと観てなきゃ訳が分からなくなりますが、段々筋が見えて後半になるとどんどん面白くなる。錠前屋の天使の娘(個人的にこのエピが一番好き♪)・黒人TVディレクターと窃盗団…そして強盗と正義感の強い悲しい白人警官なんかの話が全部リンクしてて、この脚本は本当に秀逸だと思いました。キャストに無駄が無い…ってか、こんだけ大勢のキャストをよぉまとめたなぁ…。
だから、みんなひっくるめてとあるLAの一日なんでしょう。
日本人的には、いくら銃が身近になったと言われても、見たこと無いから微妙に無縁だし、あからさまな人種差別も経験してないから「なんか皆すげ~熱い…」と一歩ひいて観てました…だって、本と怖いんだもん。自分ではどうにもならないストレスは、これほど人をささくれ立たせるんだ!!きっとこんな風にいきり立った人は、日本にも増えてるんでしょうね。
最終的に、壊れてた人たちが自分を取り戻し、まっとうだった人が壊れてしまった…。とても上手くまとめたと思うけど、辛い一点がどうしても辛くて…。彼は今後どうなってしまうんだろう?ま、そのことが無きゃ全ては始まらなかったのかもしれないけどね。
「ミリオンダラー・ベイビー」は未見だけど、観てみようかしら…。


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