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映画徒然節…ネタばれ失礼

デッドマン・ウォーキング

2008年05月27日 | た行
出演:スーザン・サランドン ショーン・ペン他

1995年、スーザン・サランドンがアカデミー主演女優賞を受賞した作品です。2004年のアカデミー助演男優賞を受賞したティム・ロビンスが監督・製作・脚本をしています。
2004年のアカデミー最優秀主演男優賞を受賞したショーン・ペンが、この作品では本当に悪人面なんだけどどんどん人間性を剥き出しにしていき鬼気迫るものがありました。スーザン・サランドンが、この役には彼しかいないと推薦したらしいけど、本当にそれが頷ける名演技でした。

シスターのヘレン(スーザン・サランドン)が、十代のカップルを殺した罪で死刑宣告を受けている囚人マシュー(ショーン・ペン)から手紙を受け取り、彼の世界に巻き込まれていきます。
死刑宣告を受けてから6年、そろそろ執行されるとわかっているマシューは藁にもすがるつもりで法的にも色々手を考えています。周りの人々、特に良識的な人からは「利用されているだけだ」と忠告を受けつつも、マシューの魂を救うべく放っておけないシスターヘレン。「本当に彼は救うに値する人間なのか」と苦悩する姿は、胸に迫ってきました。
一方で、被害者の親とも面談するヘレン。「何故あんなケダモノを弁護するのか」となじられても、ぐっと耐えて受け止めています。なじる親の気持ちも痛いほどわかる。そして、どうすることも出来ないヘレンの辛さも、とてもよく描かれています。シスターって、余り身近ではないと思いますけど、私はとても身近だった時期がありました。その経験上、こんなシスターがいたら本当に良かったよなぁ、と思いました。形から入って真実を見つめる人もいると思いますけど、「見た目なんてどうよ」って、普通の格好でカトリックのシスターをするって凄いことなんですよね。そして単に異端児ではなく、魂を救うべく身を削って働いていることを、素晴らしいと感じました。
 
死刑制度の是非・差別問題など、論争になる種は沢山持っている映画だけれども、シンプルに「人間が犯した罪によって傷ついた大勢の人々」を見ていると、辛くてとても痛かった。最後の30分なんて、殆ど声を上げて号泣状態でしたもん。少しでも相手のことを思うことが出来たら、自分のしたことによって周りの人々がどれくらい傷つくのか想像することが出来たら、世の中の悪いことなんて殆どなくなると思うんですけど…。


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