ムリョーカ小説集

Мориока моя любовь.
盛冈我的爱。
初めは短編小説にするつもりでしたが、長編になるかも知れません。

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2023-06-18 06:07:00 | 序盤
第一章
【イエローストーン自然公園】

扉は触れるともなく開き、目の前には数人の男女が談笑していた。
どうやらどこかの自然公園のようだった。離れたところに美しい庭園と出店が並んでいるのを見ると、有名な観光地か何かなのだろう。
微かに硫黄の匂いがした。
アリスは僕の足元で黒いヒョウの姿になって寝そべっており、僕は彼女のお腹に顔を埋めてその温もりを楽しんだ。
ゴロゴロと喉を鳴らしながら彼女は僕の耳元で言った。
この硫黄の匂いは深い深い下の世界から漂ってくるのです。ここは下界を眺めることのできる特別な観光スポットですよと。
彼女が僕の髪の毛を舐め始めると、僕はあまりの痛さに跳ね起きた。
ダメ、ダメと言って僕は彼女の頭を軽く叩くと、アリスは残念そうな目で僕を見た。

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