今回の橋口亮輔作品は深刻な課題ゼロで、辛辣な言葉のキャチボールに透ける“人の心の弱さ”の滑稽を笑うという原作ありきのシニカルコメディなのですが、江口のりこさんと内田慈さんのお芝居が結構リアルで思わず苦笑はするも爆笑するにはいささか気が重いのですが、それが橋口喜劇の味でしょうか。
この母親にしてこの子ありの長女(江口のりこ)の“ひがみ根性”が炸裂するのですが、多少は誰にでも身に覚えのあることで、人の心の弱さはとてもじゃないが人の手には負えない、とでも言いたげな「オチ」は面白かったです。
あと、青山フォール勝ちさんの空気の読めない鈍感ぶり、いい感じの「あるある」でした。
(7月19日/新宿ピカデリー)
★★★