ぽんしゅう座

優柔不断が理想の無主義主義。遊び相手は映画だけ

■ 最後の命令 (1928)

2024年07月08日 | ■銀幕酔談・感想篇「今宵もほろ酔い」

1917年革命期のロシアの将軍の顛末が、資本主義経済と商業的文化の隆盛期1928年のハリウッドを起点に描かれる。前者はオーソドックスなフックスショットの積み重ね。対照的に後者のカメラはエモーショナルで動的だ。終わり損ねた近世的“権威の残滓”への鎮魂歌。

(7月5日/シネマヴェーラ渋谷)

★★★★

【あらすじ】
1928年のハリウッド。ロシア生まれの監督レオ(ウィリアム・パウエル)はロシアを舞台にした大作の将軍役に素人同然のエキストラを抜擢する。その役者は、今は落ちぶれた一介の老人だが、かつて権勢をふるった帝政時代のロシア軍司令官セルギウス・アレクサンダー(エミール・ヤニングス)だった。ともにロシアを愛しながら革命に翻弄された将軍と革命活動家の運命的な顛末を描くジョゼフ・フォン・スタンバーグ監督作。エミール・ヤニングスの第一回アカデミー賞主演男優賞受賞作。(モノクロ/サイレント/89分) 

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