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ぽんぽこタヌキの独り言 Solilokui dari Rakun Pompoko

日本を見て、アジアを見て、世界を見て、徒然なるままに書き記す、取るに足らない心の呟き

「ラ・クカラーチャ」=‘La Cucaracha'

2012年10月25日 19時22分46秒 | Weblog
「ラ・クカラーチャ」というこの言葉を聞いて、「あ、聞いたことがある」「あっあれか」「あぁ懐かしい」とピンとくる方は、たぶん「記憶力の良い方」「かなり歌好きの方」あるいは「スペイン語を齧ったことのある方」ではないかと思う。日本では「車に揺られて」というタイトルで小学校の音楽の教科書に載せられている歌なので、たぶん日本人は一度は歌ったことがある「メキシコ民謡」なのである。日本語の歌としてはかなり軽快で親しみやすい歌詞になっているけれど、実はこの「ラ・クラカーチャ」という言葉は「ゴキブリ」を意味する単語で、原語の歌詞を訳すと「マリファナに汚染された社会、そしてその社会の指導者たる将軍をゴキブリに例えた極めて社会批判的な歌」なのである。この「ラ・クカラーチャ」の「ラ」は「女性単数形」を表す「冠詞」だから純然たる「ゴキブリ」は「クカラーチャ」ということになる。皆さんもご存知の通り、英語では「コックローチ」=‘Cockroach’である。そしてその他の欧州諸国の「ゴキブリ」の呼び名を見てみると、フランス語では「カファール」=‘Cafard'、ドイツ語では「シャーベ」=‘Schabe'、イタリア語では「スカラファッジョ」=‘Scarafaggio'、ポルトガル語では「バラタス」=‘Baratas'、オランダ語では「カッケルラック」=‘Kakkerlak'と各国まちまちであり、欧米言語の起源とされる「ラテン語」における「ゴキブリ」を見ても「ブラッタ」=‘Blatta'ということで、どこの国とも類似性がないように見える。あえて言うなら、「クカラーチャ」と「コックローチ」が似ているのだろうか。
アジア方面の「ゴキブリ」の呼び名を見てみると、そもそも日本語の「ゴキブリ」の由来は、雑食性の虫で何でも齧るということで、昔は「御器かじり」とか「御器かぶり」とか呼ばれていて、それが転じて「ゴキブリ」になったらしい。韓国語は「バクウィ・ボレ」=‘Bakwi Bolle'=(車輪)∔(虫)ということでちょっと意味がわからない。インドネシアでは「クチョア」=‘Kecoak'または「リパス」=‘Lipas'マレーシアでは「リパス」=‘Lipas'のみであるが、これは固有の名詞であって、特にその「語源」や「成り立ち」はわからない。アラビア語の「ソルサール」はちょっと綴りはわからないけど、日本語の発音的には何となく「爽やか」な語感だが、これもまた「ゴキブリ」である。モンゴル語では「ジョーム」=‘Joom'と呼ばれていて、これは会社勤めのサラリーマンが聞いたら、ちょっと「偉い人」のように感じるかもしれない。ベトナムでは「コン・ジャン」=‘Con Gian'で、「コン」=‘Con'は動物の前のつける「類別詞」で「ジャン」=‘Gian'が純然たる「ゴキブリ」の意味である。カンボジアのクメール語では「コン・ラート」というけれど、このカンボジアの「コン」もベトナムの「コン」同様のものなのであろうと推察できる。ただ、規則性は認識できないが、「コン・ドープ」=「バッタ」/「イナゴ」とか「コン・トゥム・ルイ」=「トンボ」とか「コン・カエプ」=「カエル」などはあるが、、「チョン・ラット」=「コオロギ」とか「チョンレーン」=「ミミズ」などもあるし、また「コン」も「チョン」もくっつかない場合もある。最後に、以前も紹介したことのあるタイ語での「ゴキブリ」「マレン・サープ」=‘Maren Saap'、これも日本語としての語感は悪くないが、原語の意味を見てみると「マレン」=‘Maren'=「虫」で「サープ」=‘Saap'=「臭い」ということで、「臭い虫」という意味になり、これは納得のいくところである。

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