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早稲田大学フィルハーモニー管絃楽団第79回定期演奏会

2018年12月28日 | pocknのコンサート感想録2018
12月25日(水)松岡 究 指揮 早稲田大学フィルハーモニー管絃楽団
~第79回定期演奏会~
なかのZERO 大ホール


【曲目】
1.ヴェルディ/歌劇「運命の力」序曲
2.チャイコフスキー/幻想序曲「ロメオとジュリエット」
3.チャイコフスキー/交響曲第5番 ホ短調 Op.64

早稲フィルの定期演奏会を聴くのも今回で連続4回目になる。もちろんこれまでの体験から素晴らしい演奏を期待して出かけた。会場は近場なのでチャリで!

「運命の力」は、力強く重厚な「運命の動機」が腹に響き、堂々とした演奏。続く「ロメオとジュリエット」も重厚で濃厚。どちらも悪くはないが、どこか焦点がはっきりしない印象があった。音は良く鳴り、上手いし安定感もあるし…、けれど、聴く側としての集中力が続かない。

それがチャイコの5番が始まるや、一転してぐいぐいと引きつける演奏になった。前半との違いは何だろうか。強い意志で向かうべき方向が明確に示され、団員が一丸となり高いテンションでそこに突き進んで行く。フォルティッシモで突進するところだけでなく、静かに聴かせる場面でも、音が常に一つの意思を持っているのだ。指揮の松岡氏は音楽の重心を低く置き、遅めのテンポでエネルギーを溜め、音楽の表情に合わせて多彩に表出して行く。それにしっかり付いて応えるオケの熱さ、集中力、演奏能力の高さ!重厚で雄弁でパワー溢れる第1楽章からすっかり圧倒されてしまった。

続く第2楽章では、心のこもった歌と、寄せては返す波のような大きな動きが印象的だった。有名なホルンのメロディーはとても丁寧に聴かせ、同じメロディーを奏でるチェロやヴァイオリンのパートソロの豊かな表情と美しさにも息を呑んだ。ホルンさん、ここでは多少緊張の色も見えたが、全曲を通してあまり目立たなくても大切なフレーズをどれもしっかりと決めて、演奏全体の質を高めていた。

第3楽章のワルツは少々重量感があり、それが存在感と濃厚な香りを運んできた。そしてフィナーレは、ずっしりとした重量感に支えられつつ、力強く確かな足取りでクライマックスへ向けて進んで行った。終盤、音楽が最高潮に達して半終止の後、コーダに移ったところでは、団員の顔の表情がパッと明るく開放的になったのを感じた。解き放たれたような気分でも、集中力は途切れさせることなく最後にもうひと花咲かせて終演となった。充実の熱演に胸が高鳴った。あちこちからブラボーの声と盛大な拍手、団員の成し遂げた!という晴れやかな表情も良かった。

ところで、僕らの前に座っていた2人のおばはん(といってもこっちより若そうだが…)、演奏中にひそひそ話したり、目で合図し合ったり、すごく良いところでおもむろにアンケートを書き始めたり…、スマホを見ている様子さえあった。一体何しに来てるんだろうか…? 話し声が聞こえたり、スマホの明かりが目に入ったりしたらすかさず注意するところだったのだが。前から4列目のど真ん中に座っていたあんた達だよ。横にいたおじさんも気にしていたし、周りの迷惑になっていることを自覚してほしい!

早稲田大学フィルハーモニー管絃楽団第78回定期演奏会 2018.6.2 杉並公会堂
♪ブログ管理人の作曲♪
合唱曲「野ばら」(YouTube)
中村雅夫指揮 ベーレンコール
金子みすゞ作詞「さびしいとき」(YouTube)
金子みすゞ作詞「鯨法会」(YouTube)
以上2曲 MS:小泉詠子/Pf:田中梢
「森の詩」~ヴォカリーズ、チェロ、ピアノのためのトリオ~(YouTube)
MS:小泉詠子/Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美

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