2018年7月1日(日）
5月6日(水）まで、池袋東武に出店中！
| Komm doch zurück!! |
| BÄCKEREI KAFFEE |
| Linde |
| パン屋なら日本中どこにだってあるだろうし、街中のちょっとキレイなお店に入れば、色々な種類のパンが次々に焼き上がり、店員さんが「カンパ―ニュ焼き上がりましたー」などと焼きたての香りのいいパンが乗ったトレーを運んできて、レジの前には何種類もパンを選んだお客の行列ができている。 だけど、この中にまずないパンがある。ドイツパンだ。ずっしりと重いドイツパンは歯ごたえのある種類が多い。ライ麦の比率が多い黒パンは酸味が強く、最初は食べづらいと感じるかも知れない。だけど、少しちぎった小片を口に放り込んで噛んでいるうちに、深い味わいが口の中に広がってきて、噛めば噛むほど旨味が増してくる。そのまま食べても美味しいし、ワイルドベリー系の甘いジャムを塗ってもいける。エメンタールやグリュイエールなどのチーズを乗せて焼けば、ハイジの世界に入り込んだような幸せを味わえる。シチュー系の料理などにもよく合う。ライ麦の割合や焼き方で見た目も変わるし、香りや歯ごたえも違う。シンプルな田舎風なパンもあれば、ヒマワリやカボチャの種が入ったもの、エゴマ入りや、僕はあまり得意じゃないけど、キャラウェイシード入りのものなど、バラエティーも豊富だ。 そんなドイツパンを手軽に買えるお店「リンデ」が、池袋東武にある。リンデは吉祥寺に本店があり、都内の何か所かでも販売していて、その1つが池袋東武。他のおしゃれで売り場も広く、女性客の行列ができているお店のような派手さや華やかさはないが、地下2階のエスカレータ下のガラスケースに、いつもたくさんの種類のドイツパンを並べている。これらは、本場ドイツのパン屋で買うパンと変わらない味だ。写真のようなお得なセットもあるし、大きな塊は、頼めばハーフサイズにカットして売ってくれる。金曜日の仕事の帰りに、違う種類のパンを半分ずつ買って朝食に食べるのが、週末の朝の楽しみだった。 「だった」というのは、2週間前にリンデにパンを買いに行ったら「7月11日で退店」という大ショックのお知らせを聞いてしまったから。通勤経路でドイツパンを買えるたった一軒のお店がなくなってしまうなんて！週末の朝食、どうすりゃいいの？他のオシャレなパン屋みたいに行列はできないけれど、ドイツパンの美味しさがわかる常連風のお客はしばしば見かける。根強い固定客は少なくないはずだ。  リンデのホームページ 他のパン売り場に比べて売り上げが少ないからって、僕たちのようなお客の存在を無視して、フロアの隅っこで細々と売っているリンデを締め出すなんて、東武百貨店にはがっかりしたし、憤りを覚える。いくつもある似たようなパン売り場の1つがなくなるのとは全く意味が異なる。ドイツパンを買えるのは、ここしかないのだ。 そりゃあ商売だから、売り上げが多いか少ないかが、出店させる判断材料になるのは仕方ないが、根強いファンがいて、ドイツパンの本当の美味しさを提供できるお店を追い出していいのだろうか。「クセがない」「食べやすい」「おしゃれ」という、若い女性の嗜好が大きくものを言う日本のパン市場に、本当に美味しいリンデのドイツパンで一石を投じて、新たなパンの魅力を伝えることは、食文化を育む上でも大切なはずなのに。 リンデがなくなったら本当に困ってしまう。東武百貨店にリンデの出店を再検討してもらわなければ！と、「お客様のご意見」に書いてポストに入れ、東武のHPの「お問合せ」からもコメントを投稿した。それに対する返事は、「ご要望に沿えず深くお詫び申し上げます」という形式的な謝罪に、イベント時には随時出店するという、既にお店の人から聞いたお知らせがついてきただけだった。 リンデのパンがない週末の朝食は想像できない。同じようにリンデのパンを楽しみにしている方、「リンデのドイツパン、いつか食べてみたかった」と思う方、そもそも池袋東武でドイツパンが買えるなんて知らなかったけれど、知っていたら買いたかったという方など、リンデのドイツパンを食べたいと思ったら、是非東武百貨店のご意見箱に投書するとか、HPから「ご意見」で訴るとかして、リンデを池袋東武に呼び戻しましょう！  クリスマスのホームパーティーにもリンデのパンは欠かせない |
