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足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

東京・春・音楽祭2023 シューベルトの室内楽

2023年03月30日 | pocknのコンサート感想録2023
3月27日(月)シューベルトの室内楽
~東京・・音楽祭 2023~
東京文化会館小ホール


【曲目】
1.シューベルト/マーラー編/弦楽四重奏曲第14番ニ短調 D810「死と乙女」(弦楽合奏版)
2.シューベルト/弦楽五重奏曲ハ長調 D956(弦楽合奏版)
(アンコール)
♪ シューベルト/弦楽五重奏曲ハ長調 D956(弦楽合奏版) 第3楽章の後半

【演奏】
Vn:加藤知子、小林美恵、佐份利恭子、松野弘明、石川未央、岡 祐佳里、景澤恵子、城所素雅、重岡菜穂子、山内眞紀/Vla:篠﨑友美、千原正裕、森野 開、山本周/Vc:木越洋、宮坂拡志、大江慧、堀沙也香/Cb:石川滋


満開の桜の時期に開幕した今年の東京・春・音楽祭で最初に訪れたコンサート。日本を代表する弦の精鋭たちが一堂に会して、シューベルトの名曲を2曲並べた。

「死と乙女」は厚みのあるゴージャスな響きの弦楽合奏が、熱くアグレッシブに迫って来た。ただ、精鋭集団の演奏というほどのアンサンブルの精度は感じられなかった。8日間の台湾旅行から帰って3日も経っておらず、しかも今日は花見で2万歩歩きまわったあとの疲れからか、ウトウトしてしまった。

後半はシューベルト最晩年の孤高の名曲、弦楽五重奏曲の弦楽合奏版。各パート一人ずつで始まった冒頭は、この音楽の静謐な空気を親密に伝えた。その後もソロとトゥッティを織り交ぜた編曲。これは誰の手によるものか、公開されているWeb上での解説やネット検索ではわからない。変化に富んだアレンジは面白いとは思ったが、例えばアダージョ楽章の付点のリズムの旋律はやっぱりいつでもソロで聴きたいし、全曲をオリジナルの形で聴きたいと思ってしまった。

これだけの人数の弦楽合奏となると、音楽がどこに向かい、何を伝えたいかというパートとしての意思が明確で、アンサンブルとしての意思表示が統一されないと、単に熱量があり、音が揃っているだけではメッセージとして弱いと感じた。その点で、アンコールで演奏した第3楽章の後半部分は、嬉々溌剌とした気分がストレートに伝わり、これが今夜最も共感を覚える演奏だった。

今夜は、マスク着用義務がなくなって初めて出かけたコンサート。マスクなしで演奏会を聴けるのは国内では3年ぶり。ようやく当たり前の形の演奏会が戻ってきた。しかし場内では相変わらず「お客様同士の間隔を1メートル以上空け」とか「会話はお控えください」とか、東京版新型コロナ見守りサービスの案内とか、相変わらずのアナウンスを繰り返していた。

ブラボーが響くコンサートを取り戻そう ~終わりの見えない過剰な感染対策に思う~
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「マーチくん、ラストラン ~33年乗った日産マーチとのお別れシーン~」

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