Oさんとの出会いは、
やはりビジネススクールの
最初のワークグループが一緒だったこと。
Oさんは私よりも15歳年上。
風貌から、ただ者ではないなと感じ、
たまたま最初の合宿で席が隣になってしまい、
恐る恐る話し掛けてみた。
その時のことは今でも鮮明に覚えている。
私「Oさんは何のお仕事をされていたのですか?」
Oさん「外資系の証券会社で円を売ったり買ったりしていたよ!」
Oさん「その後はバックオフィスで仕事もしていたけどね!」
私「取引はどのくらいの規模をされていたのですか?」
Oさん「う~ん!3千億円ぐらいかな!」
私「!」
私「一日ですか?」
Oさん「そうだよ!」
この時私は「3千億!」という数字に半分撃沈であった(笑)!
それでも振り絞り、
私「最高でどれぐらいの取引をされていたのですか?」
Oさん「1兆2千億円くらいかな!」
「えっ!↓」
完全に撃沈したのを覚えている!
「やばい所に来ちゃったな!」
それが印象だった!
当時の私は青果物を販売していて、
一日の売上が平均売上が300万円、
多くて1,000万円だった。
業種が違うとはいえ、
Oさんから聞いた数字は、
天文学的な別世界の数字だったのである。
その後、Oさんには様々な教えを頂き、
「鈴木さん、それ違うな!」と
何度も何度もご指摘を頂いた。
卒業後4~5年、今からもちょうど4~5年前、Oさんと食事をさせて頂く機会があり、
「鈴木さん、夏休みにうちの別荘に遊びに来ないか!」と
誘って頂いた。
当日、Oさんと小学生のOさんの娘さん、そして私の3人で別荘に行った。
夕食をした後、
お酒を飲みながら自然とビジネスの話になった。
Oさんの口調は優しかったが、
「鈴木さん、そのビジネスのポイントは何?」
「このビジネスのポイントは?」
「中国でのビジネスのポイントは?」
「基本は何にある?」など
矢継ぎ早に質問攻めであった。
後で振り返ると、まさしく師匠と弟子が禅問答を繰り返している様であった。
そしてこのまま夜中の3時まで、
「質問」の千本ノックが続いた。
布団に入ってからすぐにというか、しばらく眠りにつけなかったことを思い出す。
明くる日、私は車で東京に帰って来たが、
運転しながらふと気が付いたことは、
自分の中で何かが弾けた感覚だった。
言葉では表すことができない。
しかし、何かが変わっていた。
ビジネスに対する執着心とでも言えば良いのだろうか・・・
Oさんとのこの合宿は忘れることはできないし、
今でも大変感謝している。
久しぶりにOさんに電話をして、
また千本ノックをお願いしようと思っている!
鈴木清太