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かものはし通信

他是不有吾

「おやじ論」

2011-04-11 22:20:01 | 
勢古浩爾著「おやじ論」 PHP新書

これは失敗。まったくもってつまらん。勢古氏にも当たり外れがあるらしい。
いくらブックオフで105円だからといって、よく吟味せずに購入するのは考えものだ。

「東京タワー」

2011-04-10 20:42:34 | 
リリー・フランキー著「東京タワー」 扶桑社

TVドラマも映画も観ていないのに、何ゆえ今頃?
ブックオフの105円のコーナーで、比較的綺麗な状態で見つけた。しかもハードカバー。
斎藤美奈子氏の「趣味は読書。」で内容は知っていたが、まあこの機会に読んでみるのも悪くなかろう。105円なら、途中で投げ捨てたくなっても惜しくないし。
その程度の理由だ。

やたらに泣けるという触れ込みなので、歳と共に涙もろくなっているこの身、中身が少々へぼでもグッと来るかもしれぬと思い、一応ハンドタオルなど用意して読み始める。
日曜半日で読了。
ハンドタオルにお世話になることは結局なかったが、恐れていたような稚拙な小説ではなかった。淡々と語られる物語に挟まれた、鋭い言葉が印象深い。それなりの文章力と高い感性、洞察力。

いやしかし、日本人好みだ、こりゃ。特に男は、ツボにはまりまくるだろう。斎藤美奈子氏の書評は、実に的確だ。

「ホームズ二世のロシア秘録」

2011-04-09 20:08:00 | 
ブライアン・フリーマントル著「ホームズ二世のロシア秘録」 新潮文庫

フリーマントルによるホームズ物パスティーシュ、第二弾である。
「セバスチャン」という名前への違和感は、相変わらず。
スパイ読み物としては悪くはないのだが、物語の中心となるべきセバスチャンの、その人物像がどうも頭の中で形にならない。
色のない人柄といえばよいのか。前作と本作の内容から、まあ父親と同じく痩身で、それなりに身長もあり、女性が放っておかないくらいの男前なのだろう、くらいは想像がつく。
がしかし、そこまでなのだ。ドイルの描くホームズやワトソンと比較すると、際立った個性が無い。そのせいか、セバスチャンが主人公のはずなのに、彼のストーリーよりも傍らで進むロンドン側のストーリーの方が生き生きとしているように感じられる。

まあ言ってしまえば、本家本元ドイルのホームズ物には勝てっこない、ということだな。

「日本電産 永守イズムの挑戦」

2011-04-03 21:33:14 | 
日本経済新聞社編「日本電産 永守イズムの挑戦」 日本経済新聞社

経営コンサルタントのK氏が、長野県諏訪地方にある企業の再建を手がけたときの永守氏の手腕について、しばしば話のネタにされる。
永守氏とはどんな人柄なのか、その手腕は如何ほどなのか、何かしら自分の成長の糧になるものが得られれば幸い、と考え、日曜読書の対象とした。

感情に訴える演歌調子の永守礼賛本かも、との先入観を抱いていたが、そこはさすがの日経新聞編纂。経営に関わる数字がきっちりと記述されており、論旨展開も冷静沈着だ。
末尾の永守氏へのインタビューも、質問が通り一遍でなく、なかなかに鋭い。

学生時分から他者と異なる光るものを持ち合わせていたのだな、と感心し、そこはさすがに真似できるところではないと思ったが、7時前に出社し正月以外は休まないという姿勢、「社員の品質」「熱意」「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」といった信条の数々、人の育て方など、今の自分でもできることは少なからずある。
早速今日からでも実行できることはやろう。それこそ「すぐやる」だ。

「忘れられた花園」

2011-04-02 17:35:42 | 
ケイト・モートン著「忘れられた花園」 東京創元社

朝日新聞の書評欄で見つけた。
「秘密の花園」を連想させるタイトルで、書評も十分そそられる内容だったため、在豪女流作家作品の初体験となった。
文庫でない海外小説、しかも上下巻なんて、懐具合と相談したら普段なら即却下なのだが、店頭で見た装丁にも惹かれるものがあり、お買い上げとなった次第だ。

3人の女性による3つの時代と人生が錯綜しながら話が進むところは、映画「めぐりあう時間たち」にも通ずるところがある。
そこにミステリーのような謎解きも加わり、第一次世界大戦開戦直前の1913年に何が起きたのか、少しずつ全容が明らかになってくるが、そこへ二つ三つと予想を裏切るどんでん返し。
う~ん、堪能したぞ。ご馳走さまでした