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かものはし通信

他是不有吾

「赤朽葉家の伝説」

2011-01-30 14:25:35 | 
桜庭一樹著「赤朽葉家の伝説」 創元推理文庫

鳥取の旧家の女三代記、という触れ込みから、勝手に明治とかの古い時代の話だと思い込んでいた。
読み始めて、あれ?なんだ戦後から始まっているじゃないか、と、少々拍子抜け。
万葉は自分の母くらいの年齢で、毛鞠がほぼ自分と同世代。ならば語り手は今時の若造か。なんて少々鼻白んで読み進めていたら、激しくがつんとやられた。
いや、これはすごい。読み始めたら止められないし、最後の最後でなにやら気持ちが高揚して、不覚にも涙ぐんでしまったぞ。

「私の男」も良かったが、こちらの方が先に直木賞を受賞してもおかしくなかったはず。

「預けたお金が問題だった。」

2011-01-26 08:18:24 | 
上阪徹著「預けたお金が問題だった。-マネックス松本大が変えたかったこと 」 ダイヤモンド社

数年前、いろいろ悩んだ末にマネックスを選んで口座を作ったが、正解だったんだなあ、、、と思わせてくれる一冊。
マネックス創設者たちの真摯な思いが伝わってきて、好感度大だ。

松本大氏も、著者の上坂氏も、先日読んだ「デフレの正体」の藻谷浩介氏も、みんな自分と同世代。
彼らに比べて、自分はどうだ? ちゃんと頑張っているのか? もっと頑張れるんじゃないのか?
と、反省しきり。

しかしマネックスは、経営の中心が20代の若造へ世代交代しつつあるらしい。
そこが今後の不安材料か

「デフレの正体」

2011-01-25 06:09:32 | 
藻谷浩介著「デフレの正体」 角川新書

購入して長らく放置していたら、いつの間にやら2010年のビジネス書ランキングに上げられていて、さらに菅総理が買われたとかで話題に拍車がかかり、店頭でえらく品薄になったらしい。知人も先日「やっと入手できた!」と。

重い腰を上げてやっとこちゃんと読み通してみたら、これが実に面白い。
データもしっかりしているし。
生産年齢人口減少への処方箋として、「どうして女性を使わないの?」と投げかけているところなどは秀逸。

「伏」

2011-01-24 08:17:33 | 
桜庭一樹著「伏 贋作・里見八犬伝」 文藝春秋

小説をハードカバーで買うことなど滅多にないが、買ってしまった。週刊ブックレビューに誘われて。
休日一日でさらりと読め、後味も良く、ほんわり温かい。勉強疲れに程よい作品であった。

桜庭一樹という人、まだ若いのに本当に文章力が高い。言葉が美しい。
「私の男」は内容が内容だけに、読後感が少々重く、そのため言葉の選び方まで気を回せなかった。そういう意味でも、本著のほうが日本語の美しい響きを堪能でき、それが物語を引き立てていることが実感できる。

「あしたのための『銀行学』入門」

2011-01-23 14:05:23 | 
大庫直樹著「あしたのための『銀行学』入門」 PHPビジネス新書

仕事上、金融機関について知っておく必要が生じた。
これまで全く縁の無かった業界なので、まずは基礎から、と購入した本だ。
大変分かりやすく、しかも著者の実直な人柄が伝わってくるようで、そういうタイプの書籍では内にもかかわらず、読んだあと少し心が温かくなった。
自分も銀行に対して偏見を抱いていたが、正しくものを見る目をもっと養わねば、と反省。