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かものはし通信

他是不有吾

「まれに見るバカ」

2011-02-27 17:52:19 | 
勢古浩爾著「まれに見るバカ」 洋泉社新書y

勢古氏の著書をもう少し試す、ということで手に取った三冊目がこれだ。
やはり文章に品がないが、この類の内容に品性を求めても仕方ないし、これが品良く書かれていたらその方が気持ち悪かろう。
肯ける部分、肯けない部分、それぞれ多々あるが、自分でも意外なほどに「まあそうだよな。」と感じるところが多く、抵抗感がない。
書籍や著名人が「バカ」として槍玉に挙げられ、こき下ろされてはいるが、不思議と「へえ、今度読んでみようかな。」などという気にさせられる。もしかしたらこれは、新手の宣伝なのではないか?

終盤が少々退屈であったことを除けば、とりあえず納得の一冊、ということになるか。

「わたしを認めよ!」

2011-02-26 23:43:31 | 
勢古浩爾著「わたしを認めよ!」 洋泉社新書y

勢古氏の著書の中ではこれが最も共感できる、との知人の紹介により手に取った。
「自分様と馬の骨」は、氏が「まれにみるバカ」の著者であったことを知らずに読んだため、色眼鏡無しで内容に素直に納得できた。(「まれにみるバカ」は出版当初に書店で目次を眺め、内容に品がなさそうだと感じて避けた本である。)
今回は、いろいろと先入観が入った上での味読である。

文章に品はない。「自分を棚に上げる」手法も、人によっては、鼻につき受け容れ難いものがあろう。
それらによる抵抗感を排すれば、書かれていることは実にまっとうで、総じて肯ける。おそらく、著者の思想が最もよく体系立ててまとめられている一冊ではなかろうか。
といいながら実際にはまだ二冊目なので、もう少し他の著書にも触れ、氏の主張が自分にしっくりくるか、いろいろと試してみたい。

「微分・積分を知らずに経営を語るな」

2011-02-23 05:14:16 | 
内山力著「微分・積分を知らずに経営を語るな」 PHP新書

数学1の三角関数まではなんとかなった。数学2bに入ると、数列でいきなりつまづき、ベクトルも何のことやら、微分・積分はちんぷんかんぷんで、数学の成績は下降の一途を辿っていた。
こんな自分でも著者の期待通りに「ビセキがわかったつもり」になれるから、これはすごい本だ。

ビジネスでグラフを使うとき、縦軸は「知りたいもの」、横軸は「それを知る上で必要なもの」とするのが鉄則だと。
そうだったのか! 目から鱗が落ちたぞ。
在庫や発注、商品価格にマーケティング、顧客満足度まで微分・積分で考えることができるのだと。
微分・積分がビジネス上重要だったなんて、始めて知ったぞ。

そんなこんなで、単純な自分は、この歳になってちょっと数学に興味が湧いてきた。

「競争と公平感」

2011-02-20 08:19:01 | 
大竹文雄著「競争と公平感」 中公新書

話題になっている新書はとりあえず読んどけ、みたいなモードに入っている自分に警告を発せねば、、、、と思いながら、またこんな本に手を出している。

これが2010年のベスト経済書か否かはさておき、自分の中で引っかかっていた日本社会の諸々が、かなりの割合で腑に落ちたことは確かだ。
日本人の、不公平への極端な感度の高さ。競争への嫌悪感と、市場経済への嫌悪感。
それを解き明かすだけでなく、不況、高齢化社会、各種の格差など今の日本社会が抱えている問題を、どのようにして解決していかねばならないか、経済学の視点から提言されている。上から目線でなく、真剣に憂い、考え、訴えているようで、好感度が高い。

本論からやや外れる感があるが興味深かったのは、出生時に低体重だった場合、成長すると生活習慣病やメタボリック症候群に罹る確率が高くなるという説がある、という話だ。
そうだとすると、ただでさえ肥満度が確実に上がっている日本人、将来どうなってしまうのだろうな。

「日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか」

2011-02-19 22:53:49 | 
竹田恒泰著「日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか」 PHP新書

やたらにあちらこちらで宣伝されているが、眉唾だよな、、、と思いながらも、結局は興味半分で購入してしまうあたり、自分もたいした人間ではない。俗物だ。

日本の良さを、ひたすら日本古代史や天皇家と結びつける手法は、確かに目新しいか。
論理的であろうとしながら、やっぱり最後には感情に訴えているところは、ちょっと苦笑する。
でもまあ、毎日のようにメディアで駄目駄目な日本を見せつけられてうんざりしているわしら庶民には、癒しの一冊としてちょうど良かろう。