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主に腐日記一人旅

その時々夢中になっているものや日々の萌えを綴ります。緑川光様に加え、最近はBOYSLABの海咲きゅんな日々......。

メイプルソープ

2009-06-22 23:47:21 | 一般小説・マンガ・その他
入院中は読書も殆どする気になれなくて、15冊本を持って行ったにも関わらず、読んだのは1冊だけでした。

「メイプルソープ」パトリシア・モリズロー

1989年にHIVで亡くなった写真家ロバート・メイプルソープの伝記です。
2001年に出版されてすぐに買ったのですが、結構厚い為なかなか読む気になれず放置してあったんだけど、読み始めると面白くてあっという間に読んでしまいました。中にメイプルソープの代表的な作品もいくつか掲載されていて、学生時代に初めて彼の写真を見た時の衝撃を思い出しました。それにしてもこの本を読むと、私がぼんやりとこんな人じゃないかなあと思い描いていた人物像とは違っていて、面白かったです。
ドラッグ中毒で千人もの男と寝たと言い、HIVに感染してからもそれをやめず、ケチで冷たいところがあって、どちらかというとイヤなヤツだったんじゃないかと思うんだけど、そのすごい名声欲や生に対する執着心には感心しました。思っていたよりもずっと俗物的な人物で、でも私は嫌いじゃないです。

20歳の時に出会ったパティ・スミスとの関係も興味深い。パティ・スミスといえばなんといってもメイプルソープが撮ったファーストアルバムのカヴァー写真が思い浮かびますが、最後に彼女のアルバムのカヴァー写真を撮った時の話。

結婚して長い間活動を休止していたパティ・スミスのカムバック・アルバム「ドリーム・オブ・ライフ」のジャケット写真を、1986年既にHIVで具合が悪くなっていたメイプルソープが撮ることになる。でも、できあがった目元のしわやクマが消され実際よりもずっと美しく撮られた写真を見てパティはがっかりする。(たぶんそれは美意識の高いメイプルソープらしい写真に違いなかったんだろうけど、今現在の彼女の本当の姿を写してないと思ったからでしょう・・・。)それでもロバートを傷つけたくなかったパティはその写真を使うことにする。
一方でメイプルソープはパティがその写真を気に入っていないことがわかっていたので、自分は満足していたにも関わらず、彼女を喜ばせようともう一度撮影することに。しかし二度目の撮影は、病気の為に手が震えて光度計を落として壊してしまったりしてまったくいい写真が撮れなかった。
その週末までにレコード会社にカヴァー写真を渡さなければならなかったパティは、仕方なく最初の写真をレコード会社に郵送しようとするんだけど、丁度郵便局へ行こうとしている時にメイプルソープから電話がかかってきて、秘密めかした調子で「一日だけ待ってくれ」と言う。
翌朝宅配便で届いた写真を見てパティは泣いてしまう。
その写真のパティの顔色は褪め、不完全なものを嫌うメイプルソープが気にしていた彼女の手の茶色いしみを消すこともせず、背景はぼやけて、メイプルソープ本来の高水準なものではない不完全な出来の写真だった。
「すごい写真ではないし、わたしが特にひきたっているわけでもない。でも、ロバートには、あれこそわたしの求めているイメージだとわかっていたの。あの写真は彼からわたしへの贈り物だったのよ」

それぞれが強烈な個性を持ったエゴの塊みたいな2人が、最後にお互いを思いやったエピソードにグッときました。

メイプルソープの輝くばかりに美しい野心に燃えた若い頃のポートレイトと、ヴァニティ・フェアに掲載された、回顧展で沢山の人々に囲まれながらも孤独そうな、病に蝕まれ衰えた彼の姿を見比べると、なんともいえず感慨深い。

それにしても私は知らなかったので驚いたのですが、メイプルソープって嗜糞症の人だったのね。主治医に糞便愛好は体に悪いからやめろと言われても、ずっと体内の寄生虫と闘いつづけていたというじゃないの。
しかも、私が驚いたのは次の一文。
「メイプルソープは、自分にのぞき趣味はないと自慢げにいってはいたものの、実は他人が自分の排泄物を食べるのを見ると(意地の悪いのぞき趣味だ)、最高の悦びを覚えたのだ。」
そんな、そもそも自分のウンコを食べる人だってそれほどいるとは思えないのに、どこでそれをのぞき見するっていうの!?
世界は広いです。

あれれ、今日は「流星シロップ」について書こうと、「メイプルソープ」は前振りのつもりだったのに、思いの外長くなってしまった。ウンコで締めくくるのもどうかと思いますが、「流星シロップ」については、また明日にでも!

テンペスト

2009-01-20 16:16:44 | 一般小説・マンガ・その他
BLじゃない小説を読むのは久しぶりかもしれぬ。

「テンペスト」池上永一
上・下巻だけど、展開がはやく面白いのでスイスイ読めました。
なかなか面白かったのでおススメです。
幕末・琉球王朝の時代に生まれた美しい女の子真鶴が宦官と偽ってものすごい難しい科試という試験に合格して、女人禁制の王宮の政治の世界に飛び込み出世していく話。というだけでなく、後半は罠にはまり流刑になったあげく、本来の女の姿に戻って琉球王朝の大奥・御内原に王の側室として返り咲いて・・・と、面白い展開なのです。
それにしても私はあらすじを書いたり話を掻い摘んで説明するということがヘタクソだな。なので、詳しい話はテンペストのサイトがあるので(←普通そう言ったらそのサイトにとべるようになったりしてるもんですが、そのやり方も解らないのです。とほほ・・・)そちらをご覧になって下さい。
これ、ドラマ化したらいいんじゃないかな?
主人公は仲間由紀恵がやったらいいと思う。
魅力的な人物がたくさん出てきますが、私が一番好きなのはなんといっても聞得大君加那志、真牛ね。彼女は元々は王の姉ですごい霊力とカリスマ性を持ってて王宮に君臨してるんだけど、野心とあくどさも人並みじゃなくて主人公とは敵対関係になります。で、墓穴を掘って平民にされるんだけどそれでも虎視眈々と王宮に返り咲くことを狙ってるの。でも遂には遊女の身にまで落とされ、これでもかってくらい酷い目にあう。ま、自業自得なんだけど。それでも誇りを失わず、アクの強い性格のままの彼女に痺れましたね。
私、この聞得大君の男版みたいな役をBLで緑川様にやって欲しいわ~。
と、普通に読書していても片時も緑川様のことを忘れることはないのでした。

凄いよ野阿梓

2008-10-28 23:45:35 | 一般小説・マンガ・その他
最近読んだ本
「伯林星列」野阿梓
1936年、ベルリン留学中の日本人少年伊集院操青は、ある事件をきっかけに叔父の歪んだ欲望の魔手に堕ち、娼館に身を落とされ、その若く美しい肉体にあらゆる性技を調教される。そこに二・二六事件が「成功」した日本で内閣参議となった北一輝から独ソ関係の調査という極秘任務を与えられた元衆議院議員・黒澄幻洋がゲシュタポ長官ミューラーの計らいで操青と出会い・・・。
と、まあ虚実入り乱れる話なんですが、腐女子である私は、そこらのBLも真っ青なくらい美しく健気な操青クンがこれでもかってほどに性的に酷い目に遭う所に着眼点を置いて読みました。
操青のヤラレっぷりときたら、もう痛そうで痛そうで、私、読みながら貧血気味になりましたよ。これほどまでにヤラレるのは・・・綺月陣の獣シリーズくらいしか記憶にないなあ。
萌えはないけど、読んで損なし。私はO嬢の物語少年版って感じで読みました。長いですけど。

肩透かし

2008-08-03 20:48:52 | 一般小説・マンガ・その他
久しぶりに新堂冬樹の小説を読みました。
初期の作品・・・彼の闇金モノは大好きで、新刊が出るのを楽しみに読んでました。欲の塊みたいなあくどい登場人物たち、強引でご都合主義な展開、どんでん返し、救いようのない結末・・・。ノワール小説というには、台詞や描写に思わず笑っちゃうようなとんちき臭が漂い過ぎてて、でも私はそれも結構好きで、陰惨な内容でも妙に突き抜けてるので、読んだ後は逆になんだか元気が出るような気がしたものです。
最初の「血塗られた神話」、「無間地獄」「溝鼠」あたりが特に好き。
特に「無間地獄」は大好き。ラストが腐女子には涙なくしては読めません。映画化したらいいのに、と思います。
でも今日久しぶりに読んだ「枕女優」は、あまりの内容の薄さに吃驚!いつものクスリと笑えるようなところもなかったし。「芸能界騒然の問題作」とか凄い帯がついてるけど、まったくの期待外れでした。
ここ数年なんだかいっぱい出してるなあと思ってたんだけど、こんなことになってたとは。残念!

あなたがパラダイス

2008-07-01 23:51:59 | 一般小説・マンガ・その他
最近読んで面白かった本

あなたがパラダイス 平安寿子

更年期にさしかかった3人の中高年女性を主人公にしたオムニバス。タイトルからもわかる通りジュリーをキーワードに描いています。
平安寿子の小説って、なんともユーモアがあって楽しいのよね。でも人を見る冷静でシビアな目もあって、ベタベタしてなくて、田辺聖子に通じるものがあると思う。
私はこの中では特に一番最初の話が好きです。ジュリーに対する主人公の愛が溢れているから、ついつい緑川様に夢中のおのれの姿を重ねてしまったわ。ラストシーンがまた「え~!そう来たか!?」と思わず笑っちゃうけど、じ~んときて爽やかで秀逸なのです。これ、ドラマ化してもいいんじゃないかなあ。
それにしても、この小説にはファンとアイドルの幸せな関係が描かれていて、ジュリーに限らず自分だけのアイドルに夢中な人は「そうそう、そうなのよ!」と共感できると思います。
でも確かにジュリーは、神に選ばれし特別な人って感じがするね。私「ときめきに死す」をもう一回見たいって前から思ってるんですが、レンタルでもセルでも見かけたことないのよね。

東京島 桐野夏生

無人島に漂着した32人。その中で唯一の女性である清子を中心にしたサバイバル物語。ちょっと軽いな・・・と思いながらも、いっきに読んでしまった。清子を若くも美しくもない中年にしたところが、桐野夏生だなあと思った。女のしぶとさを描かせたらナンバー1って気がします。全体的には消化不良気味にも感じたし、最期があんな風になるなんてちょっと意外だったけど、そのせいか寓話的な印象になって、それはそれで悪くないと思いました。

もちろん腐女子としては、無人島に男ばっかりで受け1人にあとは攻めだけ!ってシチュエーションだったら・・・と考えずにはおれません。私、そういう閉鎖空間ものって好きなのよね。刑務所とか。
緑川様の新作が出ないから、こんなに待たされるんだったら、緑川様がいろんな男たちにとっかえひっかえヤラレちゃう無人島モノとかムショモノとか、そんなハードな内容のものを出して貰わないことには、おさまりがつきません!

光にはずれなし!

2008-03-26 23:42:20 | 一般小説・マンガ・その他
ああ~、もっと緑川様のがっつり受けを聴きたい~!と叫ぶ今日この頃。1週間に1本くらい新作を出して欲しいよ、マジで。

買おうと思いつつ、本屋へ行くと忘れてて買えずじまいのマンガって結構ないですか?私はそれに加えてタイトルも作家名も定かじゃないけど、本屋で現物を見ればこれ読みたいと思ってたのよ~というマンガがしばしばあるのですが、つい先日Y君にその話をしてたところ、一昨日Y君宅にお邪魔した時に見つけたマンガがまさにそれで、思わず「それよ~!」と叫んだことでした。
そのマンガは「聖☆おにいさん」
その場で貪り読んだね。面白かった~!!
世紀末を無事迎えたブッダとイエスが下界の東京・立川にアパートを借りてバカンスを楽しんでるって話なんだけど、この2人がなんともいい味を出してるのね!キャラクターもいいし、話も面白い。特に私はブッダが可愛くてたまらん。そういえば某掲示板での緑川様のニックネームは大仏だったわね・・・。
そして、この作者の名前は中村光!どんだけ光好きなの~!

おにいさまへ・・・

2008-03-20 23:49:00 | 一般小説・マンガ・その他
今日は一歩も家から出なかった。私にはちっとも珍しいことじゃないですが。食糧さえあれば、1週間くらい閉じこもりっ放しでも平気です。
しかし、今日はアルコールが切れてた。普段私が家で主に飲むのはビールかワインか焼酎かジンで、大体なんらかのアルコールがあるのだけど、いつの間にか全て切らしてた。いや、ワインと日本酒はあったのですが、今日みたいな日に飲むには勿体ない頂き物のいいヤツだったので、飲むのがためらわれた。やはり頂き物の芋焼酎もあったけど、芋焼酎は嫌い。買いに出るのも、例によって着替えるのが面倒だし雨の中を出て行きたくなかったので、仕方なくこれまた貰い物のウイスキーで我慢することに。でも、氷も切れてた!2年くらい前に冷蔵庫の自動製氷機が壊れて以来ロックアイスを買い続けてる私。なんかもったいないなあ・・・と思いつつ、冷蔵庫を直しにきて貰うのがイヤなのです。
そんなわけで、あまり好きじゃないウイスキーを氷なしで水割りにして飲んだんだけど・・・。やっぱりあんまり美味しくなかった。なんかだらしない独り者の中年男みたいな暮らしぶりだなあ。

そんな私ですが、今日は池田理代子「おにいさまへ・・・」を読んで麗しい乙女の世界に浸りました。これ、以前にT君がアニメで見て好きだったってあらすじを説明してくれたのを聞いて、面白そうと思ってたのを一昨日まんだらけで買ってきたのです。
主人公・御苑生奈々子が予備校のアルバイト教師だった辺見武彦に「おにいさまになってください」と頼んで文通を始め、名門女子高校・青蘭学園に入学する所から物語は始まります。「おにいさまへ・・・」ってのは、その手紙の文句なわけね。青蘭学園にはソロリティという学内でも選ばれし者のみが入れるサークルが存在していて生徒たちの憧れの的になっているのですが、中でも「宮さま」と呼ばれる一の宮蕗子の権力は絶大です。平凡な自分などソロリティとは無縁だと思っていた奈々子でしたが、なぜかメンバーに選ばれてしまい、メンバーに入れなかった生徒たちから嫌がらせを受けたり友情に悩んだり、2年生のサン・ジュスト様こと朝霞れいに恋したりしつつ成長していくって話なんだけど、この書き方だとライトな話みたいですが、いえいえ、すごいシリアスものですよ。今読むと台詞まわしなどにトンチキ感があるし、登場人物がみんな宝塚だけど、この世界に入り込んで読めばかなり面白いです。
それにしても薫の君とかモナリザの君、ミス・ボルジア・・・皆すごいあだ名がついてます。登場人物の中では私は気が強いわがまま娘・信夫マリ子が結構好き。
ハスキーボイスで歌が上手なサン・ジュスト様は宮さまのことをすごく愛しているのだけど、つれなくされて不憫なことといったら!冷たい宮さまも素敵だけどね。ボーイッシュなサン・ジュストさまと薫の君は親友同士なんだけど、これがかっこいいの!背が高くてバスケ部のキャプテンでスポーツ万能の薫の君が病気で一年休学してたってのも、グッとくる・・・と思ってたんだけど、最後は私はちょっと蛇足だと思ったけどな。アニメも見てみたいと思いました。
こういうののBL版もあったら面白いのにな。

本日のCD。今日は「あふれそうなプール2」を聴いた。
この緑川様はかなり素敵!私、原作が大好きで何度も読み返したけど、入谷鉄央にぴったりだと思いましたよ。綺麗めの低音、ちゃんと男なのに滴るような色っぽさ・・・。他のキャストもそれぞれ良かったのですが(中でも置鮎龍太郎の花田はぴったりだと思った)、ちょっと違うなあと思ったのが木津ね。伊藤健太郎は、これがオリーブさん!?とびっくりするくらいかっこいい声を出してたけど、木津とは違うのよ・・・。木津は高校生だけどもうちょっと包容力がある大人な感じなの。あれでは緑川様・入谷にはちょっと物足りないの。木津のお父さんも違った。年寄りすぎた。もうちょっと若々しくてかっこいいのよ、木津の親父は。
それにしても是非緑川様にこの感じで他の石原作品もやっていただきたいですな!