ぼくぽてちん忘備録

a chainless soul
ずーっと夏休み

映画【ザ・メニュー】

2022-11-26 19:40:00 | 日記
映画【ザ・メニュー】ネタバレオンリー
『選ばれた客たちと、その日の為だけに血のにじむ努力をしてきた高級レストランの、豪華な1日を描き、鑑賞後は清涼感が残る極めてグッドエンドな映画』
大きく分けると、
1.コースを振る舞い昇華した人々
2.フルコースを堪能した人々
3.粗相があり途中退席をさせられた人
4.シェフの料理を満足し、シェフも満足の料理を提供し、包装していただいた手土産を持って帰る人

すべての人間関係が成立しているんだよね
1,2は全員死亡
3は途中で首つり自殺
4は、シェフにクレームをつけコース外の注文をして、注文に応えた食に満足し、帰る

4はこのコースに合わなかった。
つまりシェフにとっても4はこの夜の潔癖なコースをもてなすうえで汚い存在だった
すべて成立
4は主人公で3の同伴者(恋人)なんだけど、本来の招待客とは違っていた
3は本来の同伴者(本当の恋人)を庇う為に敢えてすり替えた。
つまり3は、コースの結末を知っていたのよ。
だから4、恐らくすれっからし?ビッチ?の4をわざわざ今夜のためだけに自分の彼女にして同伴者とさせた。
恐らく、と書いたのは、彼女はヘビースモーカーで性的虐待を受けている(しかも偶然2の中に、加害者がいる)口が悪く、コースの途中でテーブル越しに3をぶん殴る(この4すごく好き)。
ただ、3の虚飾によりコースを汚されシェフに退席を促される(自殺する)
1の内二番目に偉い人がこの日までの思いを告げ、自らコースとなる(死ぬ)
2の人たち(お客様)の各々のコースへ招かれた理由を知り、メニュー(死ぬ)を知り、徐々に受け容れる。
そのような事柄を回想シーンや演出なく、推測が喚起される。

この映画は演出が臭くないんだよね。
いちいち臭いセリフや、全出演者の回想シーンや、死ぬという演出も全くない
全出演者にバックストーリーがあるにも拘らず、まったくそれを誇張する(同情を乞う)ような商用な演出がない。

例えば、3の「恐らく」自殺も死ぬだけ。4がクレームを注文するのはチーズバーガーなんだけど、シェフが「恐らく」最初に志した料理のお店の商品
コースのデザートレストラン大爆発も無駄に火薬を使って驚かせるわけでもなく、爆発、全員死んでコース終了(全員お会計済み。これもウケるんだけど)

2時間弱本当にコース料理の時間を共に過ごす
何を演出、挿入すれば、ハリウッド的になり、何をカットしたのか、これを考えるとこの監督さんがどれだけ拘ったか分かる。
この監督さん演出家さんは本当に天才だわ。

少し前に「パラサイト」って映画が流行っていたけど、あれは逆
結局何だったのかわからないしいちいち臭い
くだらないおっさんの独善的で成立しない哲学がペラペラ
韓国の俳優さんたちの演技力が最高なのと映像力が素晴らしかった(日本じゃもうかなわないと思う)から結局面白かったんだけど

シェフ、ハンニバルレクター以来の嫉妬感を覚えるわ
満足して勝手に死んじゃってるし
みんなザメニューに招かれて死んだ
狂人は、3だった
よって清涼感がたまんない
ああいい映画



フルコース、ご馳走様でした 私はポップコーン美味しくいただきました





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