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『類 魂』 その2

アイルランド出身の「ジェラルディン・カミンズ」は劇作家であったが、優れた自動書記能力があり、当初、聖書時代(キリストの少年、青年時代)に関する霊界通信を受け取っていた。一連の聖書時代の通信が終了すると、フレデリック・マイヤースと名乗る霊からの通信が届けられるようになった。それをまとめたものが『永遠の大道』『個人的存在の彼方』の二冊であり、『マイヤースの通信』と呼ばれているものである。

マイヤースによれば、自分の前世の魂は正確に言うと、現世の自分の魂と同一ではない。それは過去に生きた類魂の一つである。また同時に類魂は数多く存在し、魂が現世に生まれ変わりの際に持ち込むカルマは、過去世の自分の行為が作り出したカルマだけでなく、類魂全体が持つカルマも影響するるようである。


●『永遠の大道』
G・カミンズ(著)浅野和三郎(訳)より抜粋引用

※前回の続き

仏教が提唱する再生輪廻説、即ち何度も地上生活を繰り返すという説明は、反面の真理しか述べていない。この反面の真理というのは往々にして完全な誤謬よりも悪影響を及ぼすことがある。私自身は二度と地上に現れることはないであろう。が、自分と同系の他の魂は私がかつて地上でこしらえたカルマの中に入ることになる。ただし、私がカルマという用語を用いる時、それは従来のカルマと同じものではない。私は私としての王国をもっている。が、それすら大きな連邦の一単位に過ぎないのである。

こう述べると、中にはソウル・マンにとっても一回の地上生活では十分ンではないのではないかと言う人が居るかもしれない。が、こちらで進化を遂げると、同一に霊系の魂の記憶と経験の中に入り込むことが出来るようになるのである。私はこの類魂説が一般的通説として規定さるべきであるとは言わない。が、私の知る限り、私の経験した限りにおいて、断じて正しいと信じる。

(中略)

我々は、この死後の世界へ来て霊的に向上して行くにつれて、次第にこの類魂の存在を自覚するようになる。そしてついには個人的存在に別れを告げて類魂の中に没入し、仲間たちの経験までも我が物としてしまう。と言うことは、結局人間の存在には二つの面があると理解していただきたいのである。即ち一つは形態に宿っての客観的存在であり、もう一つは類魂の一員としての主観的存在である。

地上の人間は私のこの類魂説をすぐには受け入れてはくれないのかもしれない。多分死後においての不変の独立性に憧れるか、あるいは神の大生命の中に一種の精神的気絶を遂げたいと思うであろう。が、私の類魂説の中にはその二つの要素が含まれている。即ち我々は立派な個性をもった存在であり続けると同時に、全体の中の一員でもあり続けるのである。

(後略)

続く


永遠の大道

潮文社

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