【特集】2010年・秋の資産運用 10-12月のイチオシ投資方法を大公開!
経済のグローバル化が急速なスピードで進み、世界各国の経済が密接にかかわり合うようになってきた。そんな中、日本経済も尖閣諸島問題や為替介入など海外各国との関係で大きく揺れている。サーチナは個人投資家に向けて、「2010年・秋の資産運用 10-12月のイチオシ投資方法を大公開!」と題して、投資のプロが指南する有益な投資情報を特集する。今回は田嶋智太郎氏に寄稿していただいた。
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9月21日に開催されたFOMCにおいて、FRBは追加の金融緩和バイアスが強まっていることを明確に示した。実際の追加緩和には踏み切らなかったものの、そうしたのと同じぐらいの影響力を市場全体にもたらす実に巧みなドル安誘導戦略に映る。その実、米10年債利回りは一時的にも再び2.5%割れの水準を垣間見ており、少なくとも超低金利水準が今後も長らく継続することを強く印象付けている。
よって、放っておけば一段のドル安が進むことは自明の理であり、本邦政府・日銀が一段の円高阻止のために策を講じるのは当然のこと。当局は、9月15日に6年半ぶりの介入を単独で行ったのに続いて、執筆時(9月24日)にも介入を再開したとの噂が流れている。03年~04年にかけての介入当時の例に倣えば、本邦当局にはまだまだ十分な介入余力があるものと見られる。
もちろん、単独介入の効果など自ずと限られることは言うまでもなく、いずれは日銀による「目に見える形での量的金融緩和」の実施が求められることとなろう。それは、例えば「日銀ルール」を撤廃してでも、必要なだけ国債の買入額を増額するなど、相当に大胆な策となろう。そこまでして「本気度」を見せれば、ある程度は円高・ドル安に歯止めをかける効果があるはずだ。
とにもかくにも、あらゆる手を尽くしても、まずは85円台での値固めを成功させるかどうか…。当面は、その点に注視しておかねばなるまい。仮に85円台での値固めに成功すれば、ドル/円は10-12月にかけて一定のリバウンド局面を迎える可能性がある。その場合の上値メドは、まず一つの重要な節目と見られる88―92円程度と見られる。
一方、米国とユーロ圏の景況感に見られる温度差からして、いましばらくドルは対ユーロで売られる可能性が高い。ユーロ/ドルは08年7月高値から10年6月安値までの下げ幅に対する38.2%戻しの水準近くまで戻ってきているが、今後、少し時間をかけて50%戻し―61.8%戻し(1.40ドル―1.45ドル)あたりまでの戻りを見る可能性がある。ドル/円が底堅く推移し、ユーロ/ドルにも一定のリバウンドが生じるとすれば、結果的にユーロ/円にも一定の上値余地が拡がってくることとなろう。(寄稿者:田嶋智太郎 編集担当:風間浩)
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9月21日に開催されたFOMCにおいて、FRBは追加の金融緩和バイアスが強まっていることを明確に示した。実際の追加緩和には踏み切らなかったものの、そうしたのと同じぐらいの影響力を市場全体にもたらす実に巧みなドル安誘導戦略に映る。その実、米10年債利回りは一時的にも再び2.5%割れの水準を垣間見ており、少なくとも超低金利水準が今後も長らく継続することを強く印象付けている。
よって、放っておけば一段のドル安が進むことは自明の理であり、本邦政府・日銀が一段の円高阻止のために策を講じるのは当然のこと。当局は、9月15日に6年半ぶりの介入を単独で行ったのに続いて、執筆時(9月24日)にも介入を再開したとの噂が流れている。03年~04年にかけての介入当時の例に倣えば、本邦当局にはまだまだ十分な介入余力があるものと見られる。
もちろん、単独介入の効果など自ずと限られることは言うまでもなく、いずれは日銀による「目に見える形での量的金融緩和」の実施が求められることとなろう。それは、例えば「日銀ルール」を撤廃してでも、必要なだけ国債の買入額を増額するなど、相当に大胆な策となろう。そこまでして「本気度」を見せれば、ある程度は円高・ドル安に歯止めをかける効果があるはずだ。
とにもかくにも、あらゆる手を尽くしても、まずは85円台での値固めを成功させるかどうか…。当面は、その点に注視しておかねばなるまい。仮に85円台での値固めに成功すれば、ドル/円は10-12月にかけて一定のリバウンド局面を迎える可能性がある。その場合の上値メドは、まず一つの重要な節目と見られる88―92円程度と見られる。
一方、米国とユーロ圏の景況感に見られる温度差からして、いましばらくドルは対ユーロで売られる可能性が高い。ユーロ/ドルは08年7月高値から10年6月安値までの下げ幅に対する38.2%戻しの水準近くまで戻ってきているが、今後、少し時間をかけて50%戻し―61.8%戻し(1.40ドル―1.45ドル)あたりまでの戻りを見る可能性がある。ドル/円が底堅く推移し、ユーロ/ドルにも一定のリバウンドが生じるとすれば、結果的にユーロ/円にも一定の上値余地が拡がってくることとなろう。(寄稿者:田嶋智太郎 編集担当:風間浩)
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