「砂楼の花嫁」遠野春日・著 イラスト・円陣闇丸 徳間書店キャラ文庫
2008年1月31日初版 274ページ 533円+税
一見、「ふたなり」な話には見えなかったので、「実は・・・」がでてきた時はちょっとびっくりしました。
ストーリーは・・・全てを呑み込む乾いた大地、灼熱の太陽―。任務で砂漠の国を訪れた美貌の軍人・秋成が出会ったのは、第一王子のイズディハール。勇猛果敢で高潔なオーラを纏ったその姿に一目で心を奪われた秋成。ところが爆破テロ事件が発生、誤認逮捕されてしまう!!孤立無援な捕虜となった秋成に救いの手を差し伸べたのは、なぜか王子その人で…!?砂漠の王と身を焦がすドラマティックラブ というもの。
遠野先生はBLのなかではベテランの作家さんですよね。
アマゾンでざっと検索すると著作が「120冊」と出てきたのですが、最近のアマゾンでは「遠野春日」で検索しても、関連サーチとやれで、他の作家さんの作品がなぜか紛れ込むので、この数は信用できませんが、たくさん出していることは間違いないと思います。
ベテランの作家さんは、往々にして、文章はそこそここなれていて読みやすく、作品によって好みはあっても、「そこそこ読める」・・・・・・はずなのですが、私はどうも遠野先生とは相性が悪いようで、遠野先生の作品をいくつか読みましたが、その魅力がよくわかりません。
今回の話の場合、アラブっぽい国の王子が攻めで、別の国の軍人が受け。
国同士の式典で出会い、二人は惹かれあいます。
その後、外交上のあれやこれやがありまして、受けが攻めの国に対して悪さをしたのではないかという疑いがかけられ、受けは攻めの部下に身柄を拘束されます。
攻めの助命嘆願により、受けは攻めの監視下に置かれることになります。
受けが拷問で気を失っているときに、攻めと攻めの部下(攻めの弟)に身体検査をされ、そのときに受けがふたなりであることがわかります。
受けが「ふたなり」だと発覚するまで100ページが費やされます。
それまで「ふたなり」であることの苦悩やら、「ふたなり」であることは明確に書かなくても、受けが何か秘密を知られるのを避けているようなそぶりをしているとか、そういう「前フリ」はないままなので、この100ページはムダだったんじゃないかとすら思いました。
そしていきなりふたなり宣言。
それまで受けは男として生きてきて、特に女性であるとは意識しなかったのですが、攻めと出会い、最初、試合で剣を交えたときに、あそこが「濡れた」そうなのです。
攻めにとらわれ、夜毎、攻めにキスされるようになると、またしても女性の部分が「濡れて」しまい、戸惑う受け。いきなり女性部分が覚醒して、これはもう運命でしかないっつーわけで、一気に話が進むのかと思いきや、キスだけで話はまったく進みません。
受けは日本とアラブっぽい架空の国とのハーフという設定ですが、名前が「秋成」というだけで、日本の血を引いているということはまったく話に影響しません。これはページの字面がカタカナ人名だらけになるのを避けようとしたのでしょうか?それ以外の意図は感じられないのですが。
一応、この話は受けが主人公で、両親が死に、仕方なくアラブに引き取られて云々とか、でも、テロ事件の責任をおっかぶせられて絶縁されたとか、そのあたりがぱーっと説明されるだけで終わりです。最後の結婚に向けて、受けの実家と絶縁させたかったんだなぁ・・・と非常にご都合主義な展開でした。キャラクターの背景とか、ほとんど描かれていないので話に深みがありません。
最後、受けは攻めと結婚してハッピーエンドですが、それもなぁという。
ラストシーンは、初夜で初めて女性の部分にも挿入して終わり。
この作品が、遠野作品の中でどの程度の評価を受けているのかわかりませんが、私との相性は最悪でした。
2008年1月31日初版 274ページ 533円+税
一見、「ふたなり」な話には見えなかったので、「実は・・・」がでてきた時はちょっとびっくりしました。
ストーリーは・・・全てを呑み込む乾いた大地、灼熱の太陽―。任務で砂漠の国を訪れた美貌の軍人・秋成が出会ったのは、第一王子のイズディハール。勇猛果敢で高潔なオーラを纏ったその姿に一目で心を奪われた秋成。ところが爆破テロ事件が発生、誤認逮捕されてしまう!!孤立無援な捕虜となった秋成に救いの手を差し伸べたのは、なぜか王子その人で…!?砂漠の王と身を焦がすドラマティックラブ というもの。
遠野先生はBLのなかではベテランの作家さんですよね。
アマゾンでざっと検索すると著作が「120冊」と出てきたのですが、最近のアマゾンでは「遠野春日」で検索しても、関連サーチとやれで、他の作家さんの作品がなぜか紛れ込むので、この数は信用できませんが、たくさん出していることは間違いないと思います。
ベテランの作家さんは、往々にして、文章はそこそここなれていて読みやすく、作品によって好みはあっても、「そこそこ読める」・・・・・・はずなのですが、私はどうも遠野先生とは相性が悪いようで、遠野先生の作品をいくつか読みましたが、その魅力がよくわかりません。
今回の話の場合、アラブっぽい国の王子が攻めで、別の国の軍人が受け。
国同士の式典で出会い、二人は惹かれあいます。
その後、外交上のあれやこれやがありまして、受けが攻めの国に対して悪さをしたのではないかという疑いがかけられ、受けは攻めの部下に身柄を拘束されます。
攻めの助命嘆願により、受けは攻めの監視下に置かれることになります。
受けが拷問で気を失っているときに、攻めと攻めの部下(攻めの弟)に身体検査をされ、そのときに受けがふたなりであることがわかります。
受けが「ふたなり」だと発覚するまで100ページが費やされます。
それまで「ふたなり」であることの苦悩やら、「ふたなり」であることは明確に書かなくても、受けが何か秘密を知られるのを避けているようなそぶりをしているとか、そういう「前フリ」はないままなので、この100ページはムダだったんじゃないかとすら思いました。
そしていきなりふたなり宣言。
それまで受けは男として生きてきて、特に女性であるとは意識しなかったのですが、攻めと出会い、最初、試合で剣を交えたときに、あそこが「濡れた」そうなのです。
攻めにとらわれ、夜毎、攻めにキスされるようになると、またしても女性の部分が「濡れて」しまい、戸惑う受け。いきなり女性部分が覚醒して、これはもう運命でしかないっつーわけで、一気に話が進むのかと思いきや、キスだけで話はまったく進みません。
受けは日本とアラブっぽい架空の国とのハーフという設定ですが、名前が「秋成」というだけで、日本の血を引いているということはまったく話に影響しません。これはページの字面がカタカナ人名だらけになるのを避けようとしたのでしょうか?それ以外の意図は感じられないのですが。
一応、この話は受けが主人公で、両親が死に、仕方なくアラブに引き取られて云々とか、でも、テロ事件の責任をおっかぶせられて絶縁されたとか、そのあたりがぱーっと説明されるだけで終わりです。最後の結婚に向けて、受けの実家と絶縁させたかったんだなぁ・・・と非常にご都合主義な展開でした。キャラクターの背景とか、ほとんど描かれていないので話に深みがありません。
最後、受けは攻めと結婚してハッピーエンドですが、それもなぁという。
ラストシーンは、初夜で初めて女性の部分にも挿入して終わり。
この作品が、遠野作品の中でどの程度の評価を受けているのかわかりませんが、私との相性は最悪でした。