五里夢中於札幌菊水 

野戦病院へ出向予定。
医療崩壊に対して国民全てと共闘を夢想。
北海道の医療崩壊をなんとか防ぎたい。

「お産といのちの全国ネット」と「お産サポートJAPAN」

2007-04-20 13:44:46 | 医療問題
普段、産科医療問題はあまり首を突っ込まないことにしている。根が深すぎて突っ込むとかなりの負担になると思われるので。いや、根が深いというよりは単純だけど解決は難しいというべきかもしれませんが。今回はある尊敬している助産師さんのブログで署名のお願いが広告されていたので見なきゃいいのに見てしまいました。

お産といのちの全国ネットー署名PDF

お産サポートJAPANとはー署名PDF

 ● 会の目的と活動
  私たち「NPО法人お産サポートJAPAN」は、女性の出産環境を守り、その環境を改善すべく政策提言を続けている、女性・多職種・研究者等の団体です。男性助産士問題に取り組む有志により、市民活動の視点からお産の問題に継続的に取り組んでいこうと、2002年3月30日に特定非営利活動法人として出発しました。
 会の目的は、「すべての産む女性とその家族が幸せなお産を体験することができる社会の実現に寄与すること」です。具体的な活動は「事業内容」をご覧ください。これらを通してお産環境の改善を目指しています。  

  ● これまでの歩み
  活動の始まりは2000年春、「助産婦資格の男子への対象拡大」が新聞に掲載されたことが発端でした。一般市民だけでなく、当事者の助産婦にとっても寝水に水。男子への対象拡大がなぜ必要なのだろうという強い疑問、これを契機に、男性助産士導入の賛否やお産のあり方、環境に関する多様な議論が日本各地で起き、産む女性たちの声を衆参両院の議員に届けるという活動に発展しました。国会の場でもお産環境をめぐる活発な議論が行われました。このときの活動の中心となった人たちが「NPО法人お産サポートJAPAN」の発起人となりました。
 私たちは発起人として活動する中で、より良いお産の環境を実現するためには、専門家だけでなく、当事者、家族、様々な立場の人たちとの意見交換、情報の共有、具体的な方向性を見いだしていくことが必要であることを学びました。その上で、出産環境に関して得られた情報を多くの人に発信し、政策を提言することが不可欠であるという認識に至りました。そして2年間の準備期間を経て、「NPО法人お産サポートJAPAN」が誕生しました。
 2002年6月には「エイボン・グループサポート」の助成グループに首位で選ばれ、滋賀県で開催された「いいお産の日in滋賀」では「癒し癒されお産体験コーナー」を設け、女性たちの声をまとめました。さらに、お産のケアの担い手である助産師の教育に関する問題を検討し、その結果「女性に支持される質の高い助産教育への転換に関する請願」を掲げた署名活動を行い、衆議院に35,054名、参議院に36,266名の署名を届けました。
 この他、2006年3月からは「出産の安全を確保するために、看護師等の内診や助産行為に反対する請願」と「産む女性が出産場所の選択肢を確保すると共に、安全の保障をするための請願」署名、および「助産所と自宅における出産の安全の確保と支援に関する請願」署名の2種類の署名を行いました。

 ● 現在の活動
 現在は、出産場所の集約化にともない、産む女性が身近で安心できる出産の場所をみつけられず、継続的なケアや必要な医療が受けられない事態に対して、その改善に向けて積極的に活動し、国会議員・行政担当官との助産問題に関する勉強会を継続して開催しています。
 私たちは、「NPО法人お産サポートJAPAN」の主旨にご賛同くださる方とともに、日本のすべてのお産を支え、つくりあげ、世界にも発信してつながり、より良い出産環境を実現していきたいと願っています。 

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署名文を見る限り大方反対意見はないんだけど、助産所の嘱託医・連携医療機関(新生児対応)を責任をもって確保し、地域の中核病院や公的医療機関に助産所や診療所からの緊急搬送の受け入れを義務とするよう という点で反対。

病院への責任転嫁?悪意は無くても今の御時世ではそういう結果が待っています。

最寄の産科まで1時間以上かかるところはザラにある。
今の流れで行くと30分以内で緊急手術を準備できる施設と、
迅速に来てくれる産科医と麻酔科医を自前で確保しなければ。
北海道の片田舎ではまず無理な話だな~。

やはり院内助産院若しくは、雰囲気を大切にしたい人のために病院の近くに併設という形が妥当ではないだろうか。

医学部に入ってダブルライセンスの助産師っていうのもありかもしれない。

内診問題もあるから、看護師に甘んじているという助産師さんが、
助産師のいない民間の産科病院へ潰れるのを防ぐために志願するってのも手のひとつだと思う。
受け皿の病院が潰れないようにするって言う意味で。

なんだか今更こんな話題をして申し訳ありません。

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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
取り上げていただきありがとうございます (冨田江里子)
2007-04-24 02:45:40
先生のブログに取り上げていただいているとは思いませんでした。ありがとうございます。いろいろな問題があるのは承知しているつもりです。お産を生まれてくる赤ちゃんの視点で考えた時、医師主体のお産だけしか出来なくなるのはとても残念だと考えています。責任転嫁の点ではごもっともだと思います。
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コメントありがとうございます (大森義範)
2007-04-24 04:11:27
御仕事ご苦労様です。
以前情熱大陸を見させていただきました。
以来先生のブログを拝見させていただいております。
海外で御活躍しております先生のことを日本人の誇りと思っています。

僕のような若造に同じ目線で話していただきありがとうございます。

お産問題は、本来、僕がとりあげる問題ではないと思うのですが、先生のブログを見て思わずコメントと備忘録をつけてしまいました。辛辣な表現で書いて申しわけありませんが、医師・産科医のなかにはこのように考えている方も多いと思います。

僕のかみさんも最初助産院でと考えたようですが、途中から病院に変えました。お産の形に色々選択できるのは理想ですが、現状の日本では文化・システムを考えると非常に難しい状況になりつつあります。そして非常に残念でなりません。

ブログという、若干の匿名性がある媒体がゆえ、あちこちのサイトでお産問題にて、患者サイド・助産師サイド・医師サイドで感情的にぶつかりあっているのは非常に残念でなりません。

目的は一つ、安全・安心なお産なのですが、
良い形で患者サイド・助産師サイド・医師サイド
が協力できるようになれたらいいと思っております
。口で言えばたやすいのですが・・・。

看護師内診問題もしかりです。
政府は無能ぶりを発揮しておりますが、
そもそも行政が決めることではなく、
現場の医療従事者と患者さんが決めることであって、
それにあわせて法律家・行政が決め事を
作っていくものだと思います。
今のシステムは医療従事者ではなく、政治家が官僚が法律家が医療の大切なところを仕切っています。
これって変じゃない?と思いますがいかんともしがたい。

話しはじめるときりがないのですが、
当ブログのリンクにも産科医のブログが張ってありますので是非ご参考にしてくだされば幸いです。

ちなみに僕は今明日のリサーチカンファレンスに備えてデータをとっている最中です。
(今は実験の空き時間)
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追記 (大森義範)
2007-04-24 04:25:24
お産問題に関しては、自分が専門的にとりあげるのは無理だと思いますが、人間である以上切っても切れない問題であるので、一個人として今後もとりあげたいと思っております。

あと何人か子供も欲しいですし・・・。
返信する
産婦人科医です。 (僻地の産科医)
2007-04-24 17:01:25
こんにちは。お邪魔します。
私は産婦人科をやっているのですが、結局のところ、こういった要望は難しいだろうと思います。

産婦人科医はなにも、困らせようと思ってやっているわけではないでしょう。
妊婦さんの意思があれば認めてあげたい気持ちもあるでしょう。

しかし現実問題、人手が足りません。
特に夜間・緊急時にはとてもフォローできなくなっています。私の体感では5-6年前から特に顕著になってきました。
もしもシフト制がとれるくらいになるほど人手が増えれば、きっとできるでしょう。
しかし今の状況はパツパツです。

私の病院で、この前若い助産師さんと話をしました。
病院ですので助産師さんはたくさんいらっしゃいます。彼女らの一年間に取り上げた件数をきいて私は仰天しました。
私が一ヶ月にとりあげている(もちろん助産師さんと一緒にですが)数とほとんどかわりません。

助産師さんも看護師さんも人数が多くて恵まれているのだなと肌で感じました。私の一回の勤務時間内にも何度も彼女らは入れ替わりますし。

人手が足りません。
ない袖は振れません。
夜間緊急時にはもっと特にすべてを掬いきれません。
限界だと思います。わかっていての活動でしょうか?疑問です。
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Unknown (脳外科見習い)
2007-04-24 18:34:11
僻地の産科医さんいつもお世話になっております。

地方総合病院に勤務していたときは、産科の先生はいつも大変そうでした。

日勤・準夜・深夜と看護婦さんが次々変わっていくのに自分だけずーっと病院にいるのはなまらせつないですよね。

「彼女らの一年間に取り上げた件数をきいて私は仰天しました。
私が一ヶ月にとりあげている(もちろん助産師さんと一緒にですが)数とほとんどかわりません。」
→そういうものなのですね。

今のところ、とんでも訴訟・不当逮捕をなくす意味で、医療事故調査委員会設立のための検討委員会の木下先生を応援することが自分の中で精一杯できることだと思います。

これ以上産科医療に携わる医師の心が折れないようにするために。
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