五里夢中於札幌菊水 

野戦病院へ出向予定。
医療崩壊に対して国民全てと共闘を夢想。
北海道の医療崩壊をなんとか防ぎたい。

画餅

2007-06-24 10:48:21 | 医療問題
とある医学生さんのブログを読んでいたら、
ドクターヘリ法成立大絶賛だったので、
ちょっと気になりました。
その精神は素晴らしいのですけど果たして実現できるの?

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日本経済新聞 2007年6月19日

ドクターヘリ法が成立

 医師らが同乗し、救急患者を治療しながら搬送できる「ドクターヘリ」の全国配備を目指す特別措置法が19日の衆院本会議で全会一致で成立した。国や都道府県が普及のための費用を補助できるほか、非営利法人が民間から基金を募り、それを財源に助成金を病院に交付できる規定も盛った。超党派の議員立法で、参院先議だった。

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空飛ぶ救命室 導入を後押し
ドクターヘリ法成立

2007年6月22日 読売新聞

 救急医や医療機器を乗せて急患の搬送に当たる「ドクターヘリ」の全国的な導入を目指した特別措置法が19日、成立した。

 へき地や離島などの医療空白域をカバーしたり、交通事故現場に急行したりする「空飛ぶ救命室」として普及が期待されているが、実現までには課題も山積している。(高梨ゆき子)

 患者の救命率アップを狙い、厚生労働省は2001年、各地の救命救急センターが配備する場合、年間経費として約1億7000万円を国と都道府県で半分ずつ補助する事業を始めた。今回成立した特措法は、これを法制化したものだ。

 6年前の事業開始当初は、5年間で全国に30機導入する計画だったが、現在あるのは10道県の11機だけ。多くの自治体は財政難を理由に二の足を踏んでいる。ドクターヘリほど高度な機能はないものの、搬送だけなら都道府県の消防防災ヘリや自衛隊のヘリも活用できることも背景にある。

 徳之島などの離島を抱える鹿児島県。昨年度、消防防災ヘリと自衛隊ヘリが計169回救急搬送に出動したが、ドクターヘリ導入は具体化していない。県内唯一の救命救急センターである鹿児島市立病院にはヘリポートはなく、新設するスペースもない。同県保健医療福祉課は「財源の問題で、導入は難しい」と話す。

 財源確保は、導入済みの自治体にとっても難題だ。補助額は年240回の出動を想定しているが、01年度に導入した千葉県の年間出動件数は600回を超え、経費の超過分は病院などの持ち出しになってしまう。

 また、大都市圏では交通事故対応が主だが、大規模事故が多い高速道路では着陸地の確保が難しく、活用が本格化していない。今年2月に愛知県内の東名高速道路で起きた死傷者9人の多重事故では、同県のドクターヘリが着地点の確保に手間取り、到着が遅れた。

 特措法は、財源確保のため、民間の寄付を生かした基金創設を目玉としている。しかし、具体的に寄付のあてがあるわけではない。厚労省のある職員は「正直、法律化した効果のほどは測りかねている」と漏らす。実効性を伴うまでには、なお時間がかかりそうだ。

財源確保早急に
 厚労省によると、米国は1972年に導入し、546か所(04年)にほぼ24時間体制で配備。70年導入のドイツは64か所(05年)に配備し、国内全域をカバーする。米独に比べ、日本の立ち遅れは明白だ。千葉県印旛村の日本医大千葉北総病院救命救急センターの益子邦洋教授は、「救急医療の現場では、ヘリの効果は大きく、救急車では到底助からなかった人が助かっている。財源確保の仕組みを早急に確立してほしい」と話している。

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私見;

残念ながら、ヘリに乗る救急医の増加が望めない状況だと思います。
立派なヘリだけが残ってしまわないか心配です。

脳血管疾患の緊急治療に役立つという意見がありましたが、
脳血管疾患に関しては発症に気付かない患者さんもたくさんいます。
教育がまず必要でしょう。

まずは医療費抑制政策撤廃と医師数増加がないと
ドクターヘリはすでに成功している一部地域を除いては画餅となると思います。
物理的にやれるのならとっくにやっていると思います。

ただでさえ医療費はどんどん削減方向にあります。
運用がはたしてうまく可能かどうかもわからないものに
大枚をはたくのはどうかと思います。

ヘリコプターの事故もちらほら見受けられます。
我々医療者の安全保障はどうなっているの?泥縄式で操縦士を導入するの?
怖くて乗れません。
心配しなくてもそんなことするぐらいだったら他にできること・仕事は山ほどあります。

参考:
Taichan先生のブログ
マイアミの青い空から
豪国フライングDr1-2007/06/07
豪国フライングDr2-2007/06/08

このようなきちんとしたインフラ整備がまず必要でしょう。

徳之島で落ちたヘリはその後どうなったのかな~?
保障とかきちんとされているのかな~?

中間管理職先生のブログ
~■「空飛ぶ救命室 導入を後押し ドクターヘリ法成立」 ヘリあって医師なし~

の774氏のコメントも参考になります。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
病院にも居ないのに (bamboo)
2007-06-24 10:16:05
うちも救命救急センターなんだけど、救急部の人員不足に悩まされています。とてもヘリなんかに乗せている余裕はありません。

ほんの数年前まで、私が名前だけ救急部長を兼任していただけで、救急部の実態なんて無かったのですから。
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麻酔科が救急兼任 (脳外科見習い)
2007-06-25 20:16:26
bamboo先生コメントありがとうございます。

結構な大病院でも麻酔科が救急を兼任されていることが多いですよね。頭がさがります。

しかも治療方針の意見が通らないことが多いと聞きます。
それじゃあ、若者が魅力を感じないですよね。

ヘリよりも優先しなければならないことが山のようにあると思います。

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